2007湘南国際マラソン                      T.K

久々にサブスリーへの道、復活させます。。。

 一昨年(2005年)のホノマラ以来、故障続きで、フルマラソンの大会で記録を狙って走るのは、15ヶ月ぶりとなる湘南国際マラソン。自己記録を何とか狙えるのでは?というレベルのトレーニングは積んだつもりだが、トレーニング期間は1月〜の2ヵ月半だけ。3月のフルマラソンということでは、過去に荒川市民マラソンで何度か自己ベストを出してはいるが、そのときは前年(12月)のホノルルマラソンで一度きっちり結果を出して、それに+αという形で取り組んでいたので、今回のケースは初めてだった。

 そんなこともあり、正直言って、今自分が、どのレベルにあるのか計り知れない不安があった。練習の質・量的には過去と遜色ない程度のものを積んできた。ハーフマラソンのタイムでも自己ベストを出す事が出来た。でもハーフとフルの間には大きな溝があり、ハーフの結果がフルに直結するとは思えない。それでも、この大会への参加は楽しみだった。楽しみで楽しみで仕方なかった。それは、生まれ育った藤沢市を拠点にした大会で、日ごろ走りなれたコース、景色を眺めながら大勢のランナー達と走れるという喜びがあったからだ。日ごろは郷土に対する愛着など持っていないが、今回ばかりは違っていた。沢山の人たちに湘南の良さを知ってもらいたい。潮風を受けて、富士山と相模湾、江ノ島を眺めながら走る心地よさを感じて欲しい!そんな気持ちが湧き上がっていた。

 そんなワクワク感は前日の受付会場でさらに高まった。江ノ島という観光地が特設会場に変身し、これまで自分が参加してきた大会とはちょっと違った雰囲気が漂っていた。島内の駐車場を閉鎖して作られたイベントスペースは、お祭りの雰囲気が漂っており、ステージではトークショーが始まっていた。出演者は、間寛平! チームぴあリーダーの寛平ちゃんがタイミング良くステージに上がっていたのだ。いつもの軽ーいノリで、チームぴあホノルルマラソン結団式のような雰囲気を味わい、ファイテンのブースでは顔馴染みのスタッフからチーム藤沢のTシャツをプレゼントして貰った。ランチに立ち寄ったお店で、隣に座った2人組の会話『滅茶苦茶テンションあがってきましたよ!』がこちらの心の中を代弁しているようだった。天気予報も上々。風さえ穏やかなら最高の大会になる! そんな予感がしていた。そう!この大会に関しては自分の記録もさることながら、大会自体の成功を心より願っていた。これから何十年と続き、湘南の一大イベントとして定着して欲しい!そんな期待を抱いていたのだ。

               

迎えた当日・・・
 窓の外では、風が音を立てて吹いていたが、カーテンを開けると青空が広がっていた。風が強いのは正直辛いけど、天気が良ければ富士山は見える。富士山が見えるのと、見えないのとでは、コースの印象が大きく違ってくる。相模湾の向こう側に見える富士山を参加者の皆さんにぜひみてもらいたい。(私も見ながら走りたい) 観て湘南の良さを感じて欲しい(私も湘南の良さを再確認したい) 自分の体調はそっちのけで、朝っぱらから、そんな事を考えていた。

 自宅前6時40分のバスに乗って辻堂駅へ。辻堂駅でJRに乗り、隣の藤沢駅へ。藤沢駅で小田急線に乗り換え、片瀬江ノ島駅には7時20分頃到着。荒川市民マラソンに出ていたときは、始発のバスに乗っても、会場到着はスタートの1時間前となり、慌ててスタートという事が多かった。近いっていうのはやっぱり嬉しい!! この時間帯、片瀬江ノ島駅は殆ど混雑がなく、江ノ島大橋もスムーズに渡れた。橋の上からは富士山がくっきり!!銭湯の絵のような景色に満足。これならみんなに喜んで貰えそうだ。(前日は曇っていて、富士山が見えなかった)

 江ノ島へ渡り、サムズアップの幟が立てられるような場所を探した。すると屋台村の向かい側に芝生広場を発見。椰子の木の支柱が幟を縛り付けるのに最適!ってことで、幟を縛りつけレジャーシートを広げた。これで陣取り完了。屋台村の目の前だし、ゴールしたらビールをぐびッといくには最高だ。

               

 あとは走る格好に着替え、みんなの到着を待つばかり。しかーし風が強い!しかも冷たい! ランニングのテンションがどんどん下がっていく。記録を狙うぞ!という意気込みが揺らぎ始めた。あまりの寒さで上着を脱ごうかどうしようか迷っていたら、サムズアップのメンバーが続々と集まってきた。久しぶりに顔を会わせる人もいて、会話が始まると、時間はあっという間に過ぎて行く。気がつけばスタート40分前。30分前から整列が始まるということで慌しく、服を脱ぎランニングの体制を整え、少し離れた荷物預り所に荷物を預け、トイレに駆け込み、スタート地点へ移動した。メイン会場は江ノ島なのだが、スタート地点は水族館前ということで、かなり離れている(1km以上はある?) 江ノ島大橋を渡って国道134号線へ出ると長蛇の列。おとなしく後ろについたのでは、スタートまで何分掛かるか分からないので、前へ前へと移動したが、対向車線はまだ車が走っており、歩道は観衆で、すし詰め状態。結局3時間〜3時間30分のやや後方でスタートする事になった。出来ればスタートまでのロスタイムは1分以内に抑えたいのだが・・・

 スタート地点まで移動するときは強風が吹き荒れていたが、国道に来てからは、少し落ち着き、ランナー同士身を寄せ合っているせいか、少し暖かくも感じた。それにしても凄い熱気。歩道の観衆は爪先立ちになって、知り合いを探し、見つければ声援を贈る。ランナーはこれから始まる、お祭りレースを待ちかねて、ソワソワと落ち着かない様子。スタート5分前になるとスタート台にQちゃん(高橋尚子)が登場し、雰囲気は一層、盛り上がってきた。

               

 そして9時ちょうど、第1回湘南国際マラソンのスタートが切られた。スタート台にQちゃんがいるせいか、列はなかなか動き出さない。ゆっくりゆっくりと動き出すも、、また止まるといったような状態で、スタートまでのロスは1分48秒掛かった。笑顔で手を振るQちゃんに手を挙げて応え、42.195kmの長い道のりへ足を踏み入れた。

 序盤は混雑もあり、ペースがあがらなかったが、応援に来ている母と叔母に挨拶ぐらいはしておこうと思い、焦らずに、サムズアップの幟を探した。そして500mくらい走ったところで発見!『じゃ、行って来るね!』と家から出掛ける時のような挨拶をして、通り過ぎたのだが、これに対して、『ガンバレ〜!!』って滅茶苦茶、気合の入った声が返ってきたもんだからちょっとビックリ。もしかして、ランナーより観衆のほうが、ヒートアップしている??? その後も観衆の列は続き、気合の入った声援が飛び交うもんだから、早くも感動しちゃって鳥肌が立ってきた。こんなに観衆の熱気を感じた大会は、国内では始めてだ。

 混雑の続く集団の中で1kmほど進むと鵠沼スケートパークが現われた。毎月第一日曜日に開催される月例湘南マラソンのスタート地点付近で、いつもは海側にある細いサイクリングロードがランナー達の舞台となる。歩行者、チャリサーファーを避けながら走るのだが、この日は国道を占拠。砂防林に阻まれて、海が見えるのは所々だが、この砂防林や海岸沿いの住宅があるおかげで風がある程度避けられているのは有り難い。海は見えないが、正面には富士山がくっきりと見え、それに向かって突き進む長蛇の列は壮観だった。

 5km地点は浜須賀交差点付近。ここから先は暫く箱根駅伝で使用されるコースを走ることになる。ラップは、22分53秒(4分35秒/km)。スタート後の混雑があった割りに悪くは無い。今回の目指す最高目標としては自己記録更新(3時間6分30秒-NET-)だったが、15ヶ月ぶりのマジレースという事を考えれば、冷静に考えて3時間10分以内というのが、妥当な目標設定だった。ということで平均ペースが4分25秒/km〜4分30秒/kmであれば目標達成となるので、ここから徐々にペースアップしていけば可能だという事ぐらいは、働かない頭でも認識していた。

 しかーし、足の具合がよくなかった。最初は左足に脱力感(引き上げた足が戻りづらい)が現われ、爪先が外へ逃げてしまうような状態が発生した。この状態は2週間前のハーフマラソンでも起きていたし、練習でも何度か発生していた。原因は不明だが、長くは続かない(10分程度)ので、ここは我慢。無理にペースを上げようとしたり、足さばきを変えようとしても、改善しないので、ひたすら我慢!これしかないのだ。10分ほどで左足の違和感は消え、次に右足。こちらも解消するまでに10分程掛かり、気がつけば10km地点となる湘南大橋に差し掛かっていた。ラップは22分2秒(4分24秒/km)。足の不調を抱えながらの、このラップはまずまずだった。(でもこの症状どうにかならんかなぁ・・・)

 湘南大橋は、このコースでは最大級の高低差となる。といっても10m程度だから、ホノルルのダイヤモンドヘッドなんかに比べれば、無いのも同然。まだ前半という事もあり、苦にせず橋を渡った。湘南大橋からは相模川の河口や富士山が見渡せ気分は最高! やや強い風も追い風気味で、心地よかった。湘南大橋を越えると再び砂防林に覆われた海岸線へと、コースは続いていく。このあたりはレース前、やや単調で飽きるかなぁというイメージを持っていたが、角度によって見え隠れする富士山に向かう人の流れは、車の渋滞と違って、色とりどり、華やかで飽きる事はなかった。そう言えば富士山の被り物をしたランナーを追い抜いたのはこのあたりだったかな? アン☆ドゥの里美ちゃんを追い抜いたのもこの辺りだったような?(タレントオーラが出てました!)

 平塚の砂防林が途絶え、花水川を渡ると花水レストハウスが現われる。ここは箱根駅伝の3区→4区の中継所だ。湘南国際マラソンの場合は15km地点にあたる。ラップは足の違和感から開放されたこともあり、湘南大橋の坂があったにも関わらず、21分56秒(4分23秒/km)に上がった。リズムもだいぶ良くなってきたし、この調子なら自己新も行けるか?そんな期待を抱き始めていた。

 15km地点の花水レストハウスをあとにすると、このコースの目玉とも言える西湘バイパスがステージとなる。この西湘バイパスの手前で声援が飛んできた。『タカちゃん!がんばれー!!』近所に住む叔父と叔母だった。通り過ぎたところで呼ばれたので、振り返って手を振り、声援に応えた。この大会は地元と言う事で数多くの親戚、友人が応援に来てくれている。応援宣言してる人から、そうでない人まで・・・ そんなこともあって、どこで見られているか分からないので油断はできなかった。(笑)

 西湘バイパスは、普段、自動車専用有料道路なので歩きや自転車で入ることは許されないが、この日は特別。静かで排気ガスもなくて最高!! でも大磯港付近は、右に左にカーブが切られており、自動車が高速運転しやすいようにバンクがキツくなっている。高速で走る自動車にとっては走りやすいバンクも、ランナーにとっては片斜面となるので走りづらい。気を許すと低いほうへ流されていってしまう。右足と左足の長さが変ってしまいそうな感覚を持ちながら、走っていった。

 左右のカーブが途切れると、左手に太平洋(相模湾)、右前方に富士山、正面に小田原(箱根)、海岸線をたどっていくと真鶴半島まで一望できるという絶景スポットが現われた。このあたりは、太平洋岸サイクリングロードと平行しており、何度もランニングした事はあるのだが、サイクリングロードは塀際に張り付いているので、景観が妨げられて富士山などは見えづらい。またドライブしている時は、車高が低く、フェンスが邪魔で海が見えない。そんな訳で、ランナーの視点で見る景色は普段見ることが出来ない、貴重なものであると言う事を発見した。さらに水平線の彼方を見渡すと、伊豆大島の島影さえも見えてきた。天気が良くても空気が澄んでいないと見えない伊豆大島が、この日ははっきりと見えていた。

 そんな景色に気を奪われていたら、声援が飛んできた。ふと見るとサムズアップの幟が!スタート地点にも来てくれていたでんでんさんだった。予想では、西湘バイパスに入る前に現われるかな?と思っていたので、往きは間に合わなかったんだろうと思い込んでいたが、西湘バイパスの中にいるとはビックリ! ヨー娘。さんも一緒に声援を贈ってくれた。

 荒川市民マラソンで記録を狙っていた時は、景色は殆ど眼に入らず、時計と睨めっこして、自分の状態を探りながら黙々と走っていた。それが、走りに集中できて好結果に結びついていたのかもしれないが、”楽しさ”と言う点では物足りなかった。でもこの瞬間は、凄く楽しかった。楽しくて、楽しくて仕方なかった。『凄いレースが実行されたなぁ』そんな気持ちで一杯だった。

 西湘バイパスを二ノ宮インターに向かって走っていくと応援規制区域に突入する。西湘バイパスに入るまでは、殆ど絶え間ない応援が続いていて賑やかだったのだが、この区域に入ると静寂が訪れる。ランナーの足音と息遣い、波が打ち寄せる音、とんびの鳴き声。聞こえてくるのはそれだけ。。。
穏やかな海が輝いて、雪を被った富士山がそびえ立ち、箱根の山も近づいて見えた。都市マラソンはスタートからゴールまで声援が絶え間なく続く。これは凄く有り難い事だが、観衆の声援に奮い立つところと、静かな雰囲気に身をゆだねられるところが混在していると言うのもすばらしいと思った。

 二ノ宮インターが近づき20km地点を通過した。ラップは21分52秒(4分22秒/km)だった。スプリットタイムは、1時間28分43秒だったので、ここまでの平均ペースは4分26秒/km。勿論走っているときに、これだけ正確な計算はできないが、感覚的にこのペースを長く維持していければ、自己新の可能性も充分ある!という雰囲気は感じていた。この付近では風を殆ど感じず、暑さを感じ始めていた。身につけていたアームウォーマーを縮め、さぁこれから!と気持ちを引き締めた。

 二ノ宮インターを折り返すと、前半が追い風だった事に気づいた。折り返した途端に風を感じ始め、暑さが寒さに変り始めたのだ。縮めていたアームウォーマーを再び伸ばし、風除けになってくれそうなランナーを探した。すると湘南RFと背中にプリントされたランシャツを着たベテランランナーを発見。ランニングフォームも綺麗だし、『この人なら間違いない!』とばかりに、後ろへ付いた。21km、22km、23km、正確なラップは取っていないが、4分20秒前後のラップだったように思う。よい調子だ。風もそんに酷くは無い。この調子なら自己ベスト行ける! 再び大磯のサムズアップ応援ポイントを笑顔で通り過ぎ、25kmのラップを楽しみにしていた。だが・・・

 えーなんで?25kmのラップを確認すると22分48秒(4分34秒/km)だった。24kmを通過したときは17分前半だった筈。この1kmもリズム良く走り、そんなに失速したはずは無い。(でも随分楽だなぁという感覚はあった) ん? 1km毎の標示がずれていた? そういうことか?

 ここでペースを落としてしまったのは痛い。自己ベスト更新が難しくなる。いやこの5kmのペースダウンは致命的。痛すぎるぅ。自分で勝手にペースランナーを作り、よい調子だ!と思い込んでいたのが原因で距離標示のせいにしてはいけない。風除けなんて消極的な戦法をとらず、自分のペースで進めば良かった・・・でも過ぎたことを、いつまで悔やんでも仕方ない。ここからは自分でペースを作ろう!と思い改め、気持ちを切り替えた。こんなに楽しくて素晴らしい大会なんだから、結果にこだわり過ぎるのは愚の骨頂。

 1人で走ると、向かい風が気になった。しかし追いつくランナー(抜かしていくランナー)は現われないので、コバンザメ走法は使えない。自分の道を自分で切り開かねばならない。花水川を再び渡り、走りに意識を集中させてペースアップを図った。湘南大橋の手前、30km付近の給水所では2度目のアミノプロを補給。30kmのラップは22分32秒(4分30秒/km)。ペースアップを図ったが一度落としてしまったペースはそんなに簡単には回復しなかった。それでもスプリットは2時間14分03秒(4分28秒/km) 3時間10分を切る事は充分可能なタイムだった(57秒の貯金)

 しかし、レース後半の20km-25kmで楽なペースを憶えてしまった身体は25km-30kmのペースアップで消耗し始めていた。湘南大橋の上りが足に堪え始めたのだ。向かい風と上り坂、2つの試練をまともに受けて、湘南大橋の最頂部にさしかかると江ノ島が輝いて見えた。さぁ江ノ島へ!!前半は富士山に向かって走り、後半は江ノ島目指して走る。空は青く、海は輝き、潮風は爽やか。身体は疲れ始めたけど、夢にまで見た湘南国際マラソンも残すところあと10kmあまり。楽しまなきゃ!と気持ちを入れ替えて下り坂に差し掛かった。

 湘南大橋を渡り終え、柳島を通り過ぎ、サザンビーチからヘッドランド付近に差し掛かると観衆の数が一気に増え、声援が大きくなってきた。拳を突き上げて『行け!行け!』の応援を贈ってくれる女性や、『それ頑張れ!ラストスパート!!』(ちょっと早いんじゃ?)という気合の入った声を掛けてくれるおじさんサーファー(ちょい悪おやじ系)。拍手は延々と続き、それに応えて手を挙げると、さらに盛り上がってくれる。ランナーと観衆の間に一体感が生まれるという国内では珍しい雰囲気が漂っていた。(やっぱり湘南?ノリが違う!)身体はきつかったけど、気分は良かった。思うように動かなくなってきた足を気持ちで動かし、35kmを通過。ラップは23分44秒(4分45秒/km) 一気に落ちてきた。スプリットが2時間37分47秒となり、3時間10分切りに対し、17秒の借金を作ってしまった。

 もう記録を気にするのは止めよう。残りの距離は、この最高の雰囲気を演出してくれた大会関係者、大観衆、ボランティア、そして湘南に集まってくれたランナー達に感謝しながら走ることに徹しよう。応援にはできるだけ手を振って応え、天下の国道134号線の感触を満喫して、走る楽しさと、耐える苦しさを味わおう。周りにいるランナーは、このレースを楽しんでくれているだろうか? 湘南の風を感じてくれただろうか? 記録を狙う一人のランナーから、大会の成功を願う藤沢市民に変っていった。

 対向車線からものすごいスピードで走り出すランナーの集団が現われた。10kmの部がスタートしたようだ。自己記録更新ペースで来ていたら、10kmの部スタート前(整列状態)に通過できた筈。10kmのランナー達が整列している横を快調に走り抜けたら気持ちよいだろうなぁ〜なんてイメージも持っていたが、それは叶わず・・・残念 でもしばらくするとQちゃんの姿を発見できた(ラッキー!) すれ違う一人一人のランナーに手を振り『あと少しだからガンバッてー』と声を掛けながら走ってきた。こちらも手を振るとニコッと笑って、『頑張ってー』と声を掛けてくれた。(確実に目があったな!)(笑)

 40km付近で再び母と叔母に遭遇。かなり辛い状態だったが『ただいまー』と笑顔で手を振った。『タカヒロー!がんばれー!!』とあちらからは熱い声援!が飛んできた。タイムなんて分かっちゃいないだろうから快調に走れているように見えたかな? これで息子の元気な姿を少しはアピールできただろうか? その直後またしても、声援が飛んできた。誰だか分からなかったが、取り合えず手を挙げて応えた。さらにまた声援が!今度は葉山に最近引っ越した親戚であることを確認。振り返って手を振った。残り1km。早くゴールしたいという気持ちと、祭りが終わってしまう、もの寂しさ矛盾する二つの気持ちが交錯していた。

 江ノ島大橋に差し掛かった。このコース唯一の交差点を右折。橋の正面にゴールゲートが見えてきた。これで自己記録更新だったら、文字通り『栄光の架け橋 by ゆず』てな感じになるんだけど、それはお預け。でも、この長い直線はランナーの花道だ! 右手に富士山、左手に三浦半島、正面の江ノ島展望灯台を見上げてゴールゲートへと突き進む。橋を渡ったところがゴールなんて、なかなか粋じゃない!? 大きな拍手に迎えられ、この大会に参加できた喜びを噛み締めて、ゴールラインを超えた。

 1999年のホノルルでフルマラソンデビューしてから、7年以上が経った。2005年の荒川で自己ベストを更新してサブスリーまであと一息ってとこまで行ったけど、ここ1年は故障続きで、まともなレースが出来ず・・・ もうこのままファンランナーに転向か?とも思ったけど、この湘南国際マラソンという大会が自分への挑戦と言う意欲を呼び起こしてくれた。地元藤沢で初開催された今回、自分がランナーであったという事に幸せを感じる。それに長い年月を掛けて、この大会を開催まで導いてくれた実行委員の方々に感謝。ランナーの為に、国道134号線を譲ってくれた地域住民、警察にも感謝。勿論、熱い声援を贈ってくれた観衆の皆さん、ボランティアの皆さんにも大感謝です。大会自体は成功したようだし、出場したランナーの評判も上々。きっと来年も開催されるよね!!

 生まれ育った湘南藤沢を初めて誇らしく感じた1日でした。ゴール後、芝生の上に寝転んで見上げた青空には、まばらな白い雲と椰子の木。風もおさまって本当に心地よかった。
また来年も We love shonan! って感じで・・・

最後に・・・ 個人的なお願い!
 湘南の雰囲気を盛り上げる為にも、会場やコース沿道で湘南ソングを流してくれたらなぁ〜っと。コース沿いにあるレストランやガソリンスタンド、ドライブイン。そんなところでサザンやチューブ、(高齢の方には)加山雄三なんていうのも良いんじゃないかな? と思う。

              
               ハワイじゃないです。正真正銘、江ノ島です。

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