JBMAマラソン小田原大会(10kmの部)              T.K

11月9日(日)JBMAマラソン小田原大会に出場した。1週前にハーフに相当する距離を2日
連続で走り、東京国際女子記念市民マラソンへむけての強化走はこれで終了しているが、
このまま、ズルズルと練習量を落としてしまうと脚の筋肉が弱ってしまいそうなので、10kmと
いう短めのレースでもう1度、脚に緊張感を持たせるというのが今回の目的だった。

この大会は前年、ハーフの部で出場している。かなりの高低差があり、険しいコースという
印象が残っているが、今年からコースがリニューアルされ、さらに厳しいコース設定になった
様子。
断面図をみると、ハーフの部においては、スタート地点と折り返し地点がほぼ同じ
標高であるのに、その中間付近に急でおおきな山がある。ということは、ハーフのほぼ中間
付近で折り返す10kmの部は前半が上り。後半が下りというはっきりとしたコースになりそう。
傾斜はかなりキツそうだ。この大会、コースが厳しいというのは個人的には、ちょっとマイナス
材料だが、大会の運営はほのぼのとしていて、結構お気に入りだったりする。参加賞(今年
はモバイルバック)の他にお弁当とみかん一袋がもらえるし、駒澤大学のマーチングバンド
の演奏,パフォーマンスも楽しめる。それにレース後、順天堂大学の陸上部マネージャー
(トレーナー?)の学生がスポーツマッサージをしてくれるというのも嬉しい。 さらにもうひとつ
挙げるなら、参加者が多くないので、うまくいけば、種目別の入賞(6位まで)が狙えるというのも
楽しみ???(ちなみに去年はハーフ9位で惜しくも逃した・・・) スタート,ゴールが競技場
なんで、スタンドでゆっくり観戦することもできるし、更衣室,シャワールームも完備されている。
レースが終わったらマッサージをしてもらって、スタンドでマーチングバンドの演奏(演技)を
眺めながら弁当を食べるという、何とも言えないのんびりとした時間を過ごせるのが、とてもよい。

会場へは8時過ぎに到着した。(家からは1時間ちょっと) 受付,着替えを済ませて開会式を
スタンドから眺めながら、スタート時間を待った。今年のゲストランナーは瀬古さん。印象として
真面目そうな感じがあったのだが、挨拶ではおやじギャグ連発で、もしかして”三遊亭楽太郎”
?と思ったほど気さくな方だった。それはさておき、スタート時間は10時。開会式が終了し、
トラックへ降りて、アップを始めた。今回は脚の具合は悪くなかったのだが、ある事情?があっ
て体調はあまり思わしくなかった。気分的にもちょっとブルー??? それでも参加者リストを
みると一般健常者10kmの部35歳以下は、30名弱しかエントリーされていないので、もしかし
たら?という期待を持ち、スタートに備えていた。(実際に走ったのはもっと少なかった???)

トラックを3周〜4周ほど周り、ストレッチなどを行うと、スタート時間が近づいてきた。瀬古さんは
盲人ランナーの伴走を務めるようで、私の目の前に位置していたのだが、スタートまでの時間も
周りのランナーと気さくに話しをしていた。そしてスタート・・・ ここのところ、ウルトラ,フル,ハ
ーフという長めのレースが中心で、10kmという短めの距離は久し振りだったのでペースをどうす
るか、悩んだが、この人数で入賞も狙えそうということなら、とりあえずは上位グループについて
行き、駄目そうだったらペースを落とそうと考え、スタートした。

そしてこれが自らの悪い癖を引き出す事に・・・ 滅茶苦茶、力んでしまった。リズムもフォームも
バラバラ。とにかく上位グループに着いていこうと気持ちばかり先に行ってしまい、回転数よりも
ストライドが優先されてしまうような、バタバタの走りになってしまった。競技場を出ると、急な坂を
下り、その後しばらくは上り傾向のロードで小刻みに坂を上ったり、下ったりの繰り返しになる。
これも大いに影響して、頭では分かっていても、なかなかリズム良い走りを取り戻せなかった。

ようやく落ちついてきたのは、安定した(?)上り坂に入ってから・・・ 上り坂が続くことでストライド
が狭まり、脚の回転で走れるようになってきた。呼吸のほうもようやく落ちついてきた。位置取りと
しては、トップ争いが2名(35歳以下の部)。そこから少し離れて36歳以上の部出場ランナーが
一人、さらに数10メートル離れて35歳以下の部に属するランナーが一人。その後ろにつけて
いた。順位で言うと、種目別4位、総合5位ということになる。

コースは最初の上り坂を終え、急な下り坂に入った。かなり急な下り坂で非常に走りづらい。
下り坂はもともと苦手で、そしてその苦手な下り坂で、36歳以上の部にエントリーしているランナ
ー2人に抜かされた。さらにすぐ前を走っていた同じ種目のランナーにも引き離された。呼吸は
苦しくないし、脚も問題無いのだが、これ以上はスピードを出せない。(出したら転びそう・・・)
下り坂で遅れてしまうという、もどかしさを感じながら走った。

下り坂が終わると平坦な部分はなく、すぐに上り坂が始まる。上り坂は好きではないが、他の
ランナーと比べると割と速く走れているようで、抜かされたランナーとの差が徐々に縮まって
いった。がっ、あと少しで追いつく!と思ったところでまた下り坂が始まった。せっかく詰まった差
がまたひろがり始めた。坂を下り終え、次の上り坂が始まった時には、100m近くの差がついて
しまっていた。カーブの多い急な上り坂では、前のランナーが見えない。しかも、斜度がかなり
キツく、順位がどうこうと気にする余裕が無くなってきた。歩かないように耐えるのが精一杯。
1歩,1歩コツコツと脚を進めた。時計を見ると20分を過ぎていた。自分の10kmのベストは38分
なので、そろそろ折り返し地点が訪れても良さそうなものなのだが、先頭ランナーが引き返して
くる気配は全く無し。どこまで続くんだ?と不安に襲われた。呼吸が苦しくなり、脚も重くなり
始め、戦意を喪失しかけていたら、一人のランナーの背中が見えた。同じ種目のランナー
だった。あの人を抜けば3位!3位だとメダルが貰える!(4位以下は賞状のみ)と思ったら元気
が出てきた。

上半身を使って坂を上り、ジリジリと差を詰め、”あのランナー”を”このランナー”と呼べるくらい
に近づいてきた。並んだ時に一息つきたかったが、下り坂になると部が悪いので、引き離しに
掛かった。帰りは殆どが下り坂なので、ここが勝負!と思い定め必至に坂を上った。先頭ランナ
ーが戻ってきてしばらくすると、ようやく折り返し地点が現れた。折り返しタイムは、25分弱。
前半は殆どが急な上りだったとは言え、ちょっと遅すぎ??? このペースだと、10kmで50分???

折り返すと当然の事ながら、急な長い下り坂が始まる。イメージ的には飛ぶように快調に下って
いるつもりなのだが、後ろから近づいてくる足音。『やっぱり駄目か・・・』と諦めかけていたら、その
足音は盲人ランナーと伴走者のものだった。これで総合7位に交替。でも種目別では3位を
キープ。ひょっとしたら行けるかも??? 期待が高まった。

しかしながら、その考えが甘かった事に気づくのにそう時間は掛からなかった。下り坂の終わり
付近で、ついに!いや、やはり捕まってしまった。でもこのあとは500m程度の上り坂。ここで再度
追い抜き、引き離しにかかった。しかしながら、500mでは決定的な差をつけられず、またしても
下りで抜かされ、逆に引き離された。上り坂はあと2回。いずれも数百メートルの短い坂なので
期待薄だが、最後まで諦めずに頑張ってみようと言う事で、下り坂でもできるだけ離されないよう
勇気を出して走った。一つ目の上り坂がやってきた。差は既に100m近く。必至に差を詰め、あと
もう少しと言うところまで来たが追いつかず・・・ 最後の上り坂は競技場入り口残り1km地点だけ。
それでもここから、残り1km地点までは、下り傾向ながらも小刻みなアップダウンを繰り返していた
ので、差はジリジリと広がる程度で僅かな望みを繋いで、最後の短い上り坂へ。

これ以上は無理!というぐらい頑張って走った。 差は100m弱??? 前を行くランナーの背中は、
小さかった。残すはトラック400m。絶望的な状況だったが、諦めずに追いかけた。差は確実に詰まっ
ていた。しかし最終コーナーを廻った時、前を行くランナーは、ゴール直前に到達していた。結局、
追いつく事はできなかった。その差は7秒だった。メダルを逃したのは惜しかったが、個人レースでの
入賞と言うのは初経験だったので嬉しかった。それにタイムではなく、順位を競うという面白さも経験
することが出来た。そのお蔭で、かなり激しいコースでありながら、凄く短く感じた。(自分が逃げる方
だったら長く感じたかもしれないが・・・) 脚の方は、下り坂の影響で太股前部に張りがあるが、順天
堂大学のマッサージを受け、心配な痛みなどは特になし。この張りを1週間掛けて抜いて行けば、
何とか良い状態になりそうだ。

何はともあれ、これで東京国際女子記念市民マラソン前のレースは全て終了。絶望的なレース内容
だった北海道マラソンに始まり、手応えを感じた田沢湖マラソンと子供の国。それに超LSDを体験した
夢舞マラソン。強化走の締めくくりとして挑んだ湘南月例、そして小田原。昨年はハーフマラソン中心
のスケジュールだったが、今年は勝負?レースまでにフル3本と30km走3本を消化して持久力の向上
に努めてきた。スポーツクラブでは体幹部を中心にウエイトトレーニングも行ってきた。(その効果は?)
今回の目標タイムは、3時間10分を切ること。4分30秒/kmのペースを基本にして、収容車から逃げ
まくりたいと思う。 課題は前半の下り坂かな?


戻る