2003年6月7日 しまなみ海道100Kウルトラ遠足 
                   〜難関レース挑戦第1弾!〜 ひあーる

はじめに
 今年は、100Kmと富士登山競走2つの難関レースに挑戦することを決めた。
 去年、サムズ・アップのメンバーが何人か挑戦し完走したのを見て、周りの人から影響を受けや
すい私は、この2つのレースに興味を持ち、是非挑戦したいという気持ちになった。
 2つとも完走出来るという自信はないが、やりたいという気持ちは強いし、「完走することよりも
完走目指してどれだけ頑張れるか?の方が大事!」と自分に言い聞かせ、挑戦することを決めた。
 そして今回が難関レース挑戦の第一弾「しまなみ海道100KMウルトラ遠足」である。
 私が悪戦苦闘!?した様子をレポートに書き上げた。どうぞ皆様最後まで読み上げてください。
 
しまなみを選んだ理由
 100Kmのレースを選ぶのにしまなみにしようか?サロマにしようか?2ヶ月位迷ったが、しま
なみが開催される中国四国地方は足を踏み入れたことがなかったので「是非足を踏み入れたい!」と思
ったこととサロマは制限時間が13時間で途中で関門があるの対して、しまなみは制限時間が16時
間で関門がなかったことから、こっちの方が完走出来る可能性が高いのでは?と思いしまなみを選ん
だ。

目標
 このレースの目標は、第一に感動のゴールにたどり着く事!
 第2にレース中楽しむこと!長丁場のレース、完走する為には楽しまなければ駄目!そこで楽しむ
為にエイドでは、数多くの給水給食を出来るだけ堪能すること。それとレース中スタッフ、他のラン
ナーとなるべく会話をするよう心がけた。
 第3の目標は、13時間以内完走!この大会はタイムや順位を競う大会ではないが夜間走行の用意
はしていなかったし、ゴールの今治城がくっきり見えるうちにゴールしたいことから日没前にレース
を終えたかったことと、「サロマ湖は制限時間が13時間!」という事を妙に意識していた為、この目
標を立てた。

スタート前
 当日午前3時に起床!朝食、着替え等を済ませ、4時10分にホテルをチェックアウトし、曙君と
受付場所であるホテルニューキャッスル福山へ向かう。
 レース時の格好は、サッカーの日本代表のユニホームにチタンロングスパッツ、帽子、サングラス、
5本指ソックス、ナイキトレーニング用シューズ、ウエストバック、そしてウエストバックにはスポ
ーツドリンクを入れたペットボトル、塩、アミノバイタル、ティッシュ、タイガーバーム、小銭、5
千円札を装備した。
 4時20分頃ホテルニューキャッスル福山に到着し、中間点行きとゴール行きの荷物を預け、スタ
ート地点の福山城へ向かった。
 福山城へ到着し、ストレッチをしているうちに徐徐にスタートの時間が近づき、緊張も高まってく
る。
 天候は雲一つ無い晴天。そういえば今年に入ってから曙君と一緒に出た谷川真理、大山登山、荒川
市民、かすみがうら、横浜駅伝と全て晴天で暖かく、彼がいなかった千葉マリン、青梅、東京夏10
Kは雨天で寒かった。今回も晴天なので、彼はまさしく強度の晴れ男である。
 スタート10分前整列をし、大会実行委員長の海宝さんのレース上においての注意事項と説明を受
ける。

スタート〜20km
 午前5時スタートした。少したって昨日の前夜祭で一緒に飲んだおばさんランナーに会い「ゆっくり
ね。焦っては駄目!」と声をかけられる。
 最初の5Kmは40分で曙君と並走。その後もう少しペースを上げてもいいかなと思ったのと曙くん
から「先に行け!」と言われたのでペースを上げ先に行く。
 15.2km地点三個目のエイドがあり、そこで水、スイカ、梅干、レモンなどを堪能した。
 これまでの2つのエイドは飲み物しか取らなく飲んだらすぐ走り始めたが、ここからエイドでは何分
か滞在し、休憩を取った。
 20Km位になると最初の橋「尾道大橋」が見えてきた。よいよ本州とおさらばし、向島へと入る。

20km〜40km
 橋を渡る前、階段があり階段はみんな走らず歩いていたので、私も躊躇することなく歩いて登った。
そして尾道大橋を渡り、向島に到着した。
 向島に到着してすぐトイレがあり、小便がしたかったのでそこに寄ることにする。すると自分の周り
にいたランナーみんなそこによった。トイレに行きたかったのは自分だけではなかったみたいだ。
 トイレを済ませ又走り始め、しばらくすると自分の周りのランナーが10Km位同じ顔ぶれだったせ
いか、自然と何人かと会話をするようになる。その中に私と同じく100Kmは初挑戦で大阪から来た
女性ランナーがいた。彼女は去年ホノルルを走ったらしく、その時のタイムが5時間をオーバーしたらし
く、おまけに膝も痛めているようだったので、正直100KM完走は無理じゃないかと思ったが、実際
は見事13時間50分で完走した。逆に他のランナーから話を聞くとサブスリーランナーでリタイアす
る人が結構いるらしく、100Kmの場合フルのタイムは関係ないようだ。
 30kmを過ぎ、2つ目の橋、向島と因島を結ぶ「因島大橋」にたどりついた。そこではウルトラマラ
ソン13回目というベテランランナーと話しながら並走した。その人は先月毎週なんらかのレースに参
加したらしく、東京夏10Kにも出場したようだ。60歳を過ぎているというのになんてタフな人なん
だろう。。。
 橋を渡り因島に入った。35km地点のエイドでは搾り立てオレンジジュースを頂いた。これが凄く
美味く2杯飲んだ。更にロールケーキと梅干しを食べ、氷水を頭からかぶった。
 40km手前で左足脹脛が少々痛みだした。しかし、走ることが出来ない痛みではないし、それほど
気にならなかった。それよりも、いつも30Km過ぎると痛み出す左膝が今回は痛みがない。これはチ
タンロングスパッツの効果なのか?とそっちの方が気になっていた。

40km〜60km
 41Kmのエイドで、ペットボトルに入っていたスポーツドリンクが無くなったので、ペットボトル
に水を入れてもらった。
 43Km位で3つ目の橋、因島と生口島を結ぶ「生口橋」を渡り、生口島へたどり着いた。
 中間地点手前で、縦長の赤い帽子をかぶった新谷さんに会った。新谷さんはハワイから着ていて毎年
この大会に参加しているらしい。私は「この帽子走りにくくないですか?」と尋ねると、「もう慣れた。」
と笑顔で返事をしてくれた。
 10時55分中間点に到着!6時間で中間点に到着する予定だったので、ここまでほぼ予定通りの展
開となっていた。
 中間点では預けた荷物を受け取り、おにぎり2個と梅干、バームゼリーを食べ、預けて置いた日焼け
止めクリームとエアサロンパス、ディクトンスポーツを手足に塗る。着替えを行っているランナーもい
たが、めんどくさいし、スタートした時と同じ格好でゴールしたいという気持ちが強かった為、着替え
は行わなかった。その後、トイレを済ませ、スタッフに預けて置いた使い捨てカメラで写真を撮っても
らい、荷物をゴール行きのワゴン車に預け、ストレッチを行い出発した。中間点を出発したのが11時
15分、20分間中間点にいたことになる。
 そこから60kmまでkm6分と快調なペースで走りつづけた。60km地点ではUUMLの私設エ
イドがあり、そこでコーラと水を一杯ずつ頂いた。ビールもあったようだが、「ビールはゴールするま
では。。。」と思い飲まなかった。

60km〜80km 
 60km過ぎると4つ目の橋、生口島と大三島を結ぶ「多田羅大橋」に辿り着く。橋を渡っている途中、
さすがに疲れてきたせいか歩きたくなり、数メータ歩くことにする。それからまた走り始め、大三島に
到着し、62.6kmのエイドまで走り続けた。
 65km地点で炭酸飲料水が飲みたくなり、ファンタすもも味を自動販売機で購入し、歩きながら飲
んだ。それを飲んだら少し元気になり、飲み終わるとすぐ走り始めた。
 68km手前5つ目の橋大三島と伯方島を結ぶ「大三島橋」を渡たり、伯方島へたどりついた。
 橋を渡り終えてすぐ、エイドがあった。そこのエイドのスタッフは地元の女子高生がやっており、そ
こで又ペットボトルに氷水を入れてもらい、レモネード、塩、羊かん、ゼリー等を頂いた。
 伯方島では、地元の人が「がんばってください」と応援しながら道案内をしてくれた。他の島でも応援
してくれた人はいたが、伯方島の応援が一番活気あふれていたような気がする。
 71.4Km地点のエイドがあり、そこでは「631番花岡さん東京都からお越しです。ようこそ伯方
へ」とアナウンスがあり、快く出迎えてくれ、そうめん、オレンジジュース、ゼリー等を頂いた。
 エイドを後にしてすぐ6個目の橋、伯方島と大島を結ぶ「伯方大島大橋」に辿り着き渡り、大島に到着
した。
 77.0kmのエイドでは、トイレに入りタイガーバームを足に塗った。
  
80Km〜ゴール 
 80km地点の通過タイムは10時間24分。13時間以内でゴールするにはKm7分半で行かなけ
ればならない。60km以降疲労から足は思うように動かず、背中は痛く、胃のむかつきも起こしてい
て、歩きを混ぜながら進んでいたのと、エイドで休む時間も多くなっていた為、10Km1時間40分
位かかっていた。これからペースを上げて走る気力もなければ余力も残っていない。13時間以内完走
の思いは捨て、このペースで進み続けることにした。
 大島と四国を結ぶ「来島海峡大橋」の手前の87.2Km地点のエイドでは、ところ天を頂き、ペット
ボトルに又氷水を入れてもらった。来島海峡大橋は4Km以上あり、その間エイドもなければ、コンビ
ニも自販機もないので、ペットボトルに水分を入れておく事は必要不可欠であった。
 橋までの階段&上り坂をゆっくり歩きながら登り、ついに来島海峡大橋に辿り着いた。歩きと走りを
混ぜながら1km程進むと前のランナーに追いつき、しばらく並走して話しながら進んだ。橋の終盤、
そのランナーから「歩くから先に行ってくれ」と言われたので先に行くことにした。
 橋も渡り終え、ついに四国の地に足を踏み入れた。そのまま坂を下るとエイドがあった。そこのエイド
でトイレに行きたかったが、残念ながらなかった。饅頭を食べ、頭に水をかけてもらい、スタッフに「後
ゴールまで8kmがんばって!」と励まされ、走り始めた。
 93km位でガソリンスタンドがあり、店員にお願いし、トイレを借りて用を済ませた。
 94km位で今度はコーラが飲みたくなり、自販機でコーラを購入!コーラを飲みながら歩き、飲み終
わると又走り始めた。炭酸飲料水は体に悪いイメージがあるが、疲れているとき飲むと元気になる。
 95km以降、コーラが効いたせいか元気になり、順調に足が動いていた。96km地点で最後のエイ
ドがあったが、後4kmでゴールだし、せっかく足が順調に動いているの止まる必要はないと思い、その
まま通過した。
 ラスト1km手前で、足が何かに躓き、すっ転んでしまった。怪我はなく大事に至らなかったが。。。
すると後ろから来たランナーが「大丈夫か?」と声をかけてくれて、私は「大丈夫です。」と返答した。その
ランナーは私を抜き去っていった。
 今治城に入り、間もなくゴールとなると「631番花岡選手まもなくゴールです。おめでとうございま
す。」とアナウンスされ、そのままゆっくり走りゴールテープを切った。タイムは13時間33分14秒。
 ゴールするとすぐ海宝さんが出迎てくれて、握手をかわした。そして他のスタッフが参加賞の大判タオ
ルを肩にかけてくれて、スポーツドリングが渡された。

ふりかえって。。。
 スタートする前は完走出来るかどうか半信半疑だったが、走り始めしばらくするとゆっくり行けば何と
かなるのでは?と思い、70km以降はここまで来たからには何としでもゴールするという気持ち変わっ
た。
 やはり100kmを完走するには、中盤から終盤にかけての苦しい時、何としでもゴールするという気
持ちを最後まで持ちつづけることが必要であることがわかった。
 後、この大会の為にボランティアで集まったスタッフや応援してくれた地元の人達、レース中自分と会
話をしたランナーには大変感謝している。この人達が支えてくれるからこそ自分は完走出来た訳であり、
そうでなければ根性も精神力も無い私は、とても完走することは出来なかった。
 しまなみ海道100kmウルトラ遠足は、コース上での景色は最高だし、エイドで数多くの給水給食を
堪能することが出来たし、数多くの良い人達に巡り合うことができたので、凄く良い大会であり、参加し
て本当に良かったと心のそこからそう思った。
 一緒に参加した曙君は77kmでリタイア。是非完走してほしかっただけに残念であるが、彼なりによ
く頑張ったと思う。来年、是非この大会に参加しリベンジを果たしてくれることを期待したい。
 今後又100km走るかどうかだが、レース中は辛く苦しくて「もうこんなの2度とやらない」と思った
が、ゴールした後は、感動と喜びからか?辛く苦しいという気持ちはどこかに吹き飛び、いつか又走りた
いという気持ちになった。来年又この大会に参加するか?それとも来年はサロマ湖?


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