2003年5月11日 チャレンジ皇居マラソン50km        T.K

フルマラソンのシーズンが終わり、チームのビッグイベント横浜駅伝も終了。時は5月。
となると次の目標は、当然の事ながらサロマ湖100kmウルトラマラソンとなる。去年は
初めての出場ということもあり、鼻息荒く1月から意気込みまくってウルトラ対策に取組ん
だが、今年は2回目ということで、どういうものだか経験できたという安心感もあり、3月
まではフルマラソン。4月はスピード強化。5月からウルトラ対策と取組み方を変えて
トレーニングを積んできた。ウルトラの攻略法(トレーニング法)を自分なりに整理して
みたところ、ゆっくり長く走るだけでは駄目。時にはフルマラソンのペースで、時には
ハーフマラソンのペースで、極端に言えば、3kmや5km、それからウォーキング、登山
など、足のありとあらゆる筋肉を使いこなして置く事が一番大事という結論に達した。

つまりのところ、ウルトラ用のトレーニング法というのは、まだ確立されていないというのが
本当のところなのかもしれない。去年はゆっくり長くにこだわり過ぎて、ニコニコペース
がダウンしてしまい、失敗した。本番はニコニコペースで走るのが基本だが、練習のうち
から必要以上にペースを落してしまうと、ニコニコの筈がそうでなくなってしまう。
ということで、今年のポイントは、いかにスピードを維持して長い距離(時間)を走るかだ
と思っている。本番の想定ペースは気象条件によっても変わるだろうが、基本的には、
6分/kmと考えている。それなら、本番の半分の距離となるチャレンジ皇居50kmは、
それよりも若干速いくらいのペースで・・・ と考えていた。

5月に入ってからは、GW(3日)に箱根外輪山マラニックに参加。塔ノ沢から金時山
金時山から金時神社下山という約6時間の行程を消化。翌日は約7km1時間30分の
ウォーキング。翌々日は、小田原から自宅へ40km弱のLSD(4時間弱)
という感じで、それなりに距離は踏んでいた。体調としては、外輪山マラニック&LSD
の疲労が若干溜まっていると言う感じで違和感や痛みはないが、身体全体がやや重い。
身体にキレが無いのだ。(元々お前にはキレなんか無いだろうという話しもあるが・・・)

そんな感じで迎えたチャレンジ皇居50kmマラソンだった。この大会は去年に続き、
2度目の出場。去年はスタート前にアップで1周余分に走り、また暑さの影響もあり、
制限時間(5時間30分)ギリギリで倒れこむようにしてゴールしていた。
今年は去年の教訓を生かし、ウルトラの前にアップなんていうバカな事はもうしない。
アップなんてスタートしてからで充分。スタート前はストレッチだけしとけば良い。
スタートは午前10時。皇居桜田門をスタート。1周5kmの周回コースを10周する。

この大会には、ウルトラの達人達が数多く出場する。ウルトラの第一人者丹代さんや
昨年サロマンブルーの仲間入りをしたじゅんこさんなどなど・・・
また、サロマ湖ウルトラマラソンの1ヶ月半前ということで、ステップレースとして参加する
人も多い。そんな感じなんで、走っていてもサロマの話題があちこちから聞こえてくる。
また1ヶ月半後、この人達と一緒に走るんだなーと思うとなんか楽しい気分になってくる。
そんな楽しい感じがする大会なのだが、前半は・・・だった。(以下、周回毎のメモ)

1周目は身体の重さを感じながら31:13、アップを兼ねているからこんなもんか・・・
2周目はトイレに入って29:33、依然として身体は重いがペースは上がった。
3周目は28:51、どうもしっくりと来ない。苦しくはないのだが、爽快感も無い。
4周目は28:57、ペースは定着。腰(お尻)付近が早くもだるーくなってきた。
5周目は29:00、明かに調子が悪い。30kmで辞めようかナーと思い始めた。
6周目は28:40、半分をクリヤしたことで気がちょっと楽になった。ここで辞めても30km。
7周目は29:13、周回の前半でゼリーを口にしてみた。胃の方はまだ大丈夫のようだ。
8周目は27:48、先が見えたせいか、涼しくなったせいか、ゼリー効果か?足取が軽快に…
9周目は27:20、バナナを食べた。生ぬるくてまずかった。でも調子は急上昇。軽い。
10周目は24:39、絶好調だったんでペースアップを試みた。驚くほどに足が動いた。
ゴールタイムは、4時間45分ということで、前半は途中で辞めようかと思うほど調子が悪かっ
たのに後半に行くに従い尻上がりに調子があがり、爽快な気分でゴールすることができた。
こんな経験は初めてだった。これならもうちょい走れそう? そんな気分になった。

フォーム改良の成果が現れたのか、脂肪燃焼型の体質に変化したのか、それとも
これこそがウルトラマラソン用究極の仕上がり具合だったのか分からないが、こんなに
長く走って、こんなに余裕を持てるなんて自分でもビックリだった。
でもよーく考えてみると、これって主催者の声援や一緒に走ったランナーのお蔭なんだと
気づいた。一人だったら、きっと、調子の上がらなかった前半で辞めていたと思う。

同じ所を10周するだけなら、大会じゃなくたってできるだろ!という人もいるが、私は、
1人でそんな事ができるほど、精神的に逞しくはない。誰かが一緒に走っているから、また
色んな人に声援を贈ってもらい励まされているからこそできるトレーニングだ。そういう意味
ではこの大会はとても良い。単調なコース、少ないエイド、そんな悪条件を吹き飛ばして
くれるだけのものがある。主催者の暖かい声援やウルトラの達人たちとふれあえる事、それに
1ヶ月半後のサロマで再会するであろうランナー達、アットホームな大会の雰囲気。これらは
物理的なものとは変えられない、かけがえのないものだと思う。レースが終了した時、
次はサロマで会いましょう! そんな挨拶をしたくなる大会だ。


戻る