宮古島ウルトラ100K遠足
                           としお

2002年1月12日(土)

走っていて、何故こんなに楽しいのかと思いました。(途中まで…)
スタート時間の5時はまだ本当に真っ暗で、懐中電灯を照らしな
がら走っている人を頼りに走りました。見上げれば星がきれいで
幸せを感じました。

「池間島」という島へ行くために「池間大橋」という橋を渡りました。
全長は1425メートル。左を見ても右を見ても、海、です。こんな
きれいな景色を走れることに感動しました。そしてここはコース唯
一、先頭集団とすれ違うことができる所。25キロ地点くらい?だと
思いますが元気になりました。(もちろん、その後、反動が…)
この「池間島」を一周(約7キロ)するとかなり疲れてきました。でも
楽しむことを優先しているので、マイペースで進みます。35キロを
過ぎると逆にすごい気持ちよくなってペースを上げました。
フルの距離を過ぎ「ここからがウルトラ」と表示してあったので、そ
の境界線を行ったり来たりして、“空気の違い”を調べましたが、別
に同じでした。ただ微妙に違っていたのは、自分の心境の変化だっ
たと思います。

48キロ地点がゆっくり休憩できるポイントでした。途中何度も抜きつ
抜かれつした方がいて、「もう、やめます」と言ってました。その時は
まだ時計を見ても最悪のシナリオ通りでは進んでいたので、大きな
大きな、おにぎり、を食べて、さらにもう1個無理やり、ウエストポー
チに押し込んで出発しました。

50キロを過ぎたあたりから、まあ、どこも痛んできてるのですが、特
に膝の裏側が痛くなりました。まともに進めません。それでもゴール
するまで待ってもらえる大会なので、本当にゆっくりゆっくり、動きま
した。でも60キロを過ぎた頃から自己嫌悪になり、もうやめようと思
いました。ほとんど動けないからです。自分の何時間かかってもゴー
ルへ向かいたいという変なこだわりが、逆に少なからず主催者の方
々に迷惑をかけるのではないか。残り1キロを切って、ゴールが見え
て、何とかゴールしたら祝福されると思います。でも、これから先、気
持ちとしては、「絶対完走するぞ!」ではなく、「こうするしか仕方がな
い」というような、諦めの気分がほとんどなのに、そんな思いを持って
前に進むことに疑問を感じました。これで十分だと思いました。

結局70キロ地点手前で、車に乗せていただきました。車の中から、
着実に進んでいるランナーを見ました。運転手がクラクションで合図を
すると、手をあげて応えていました。

思えば9年前。ホノルルマラソンを完走した時、時間的制限がなく、
「こんな自分でも完走できるなんて…」と思いました。月日は流れて、
ウルトラの世界に興味を持ちました。昨年「誕生日記念」でサロマに
出ました。走る前に主催者の海宝さんとお話した時、「サロマはサロマ
で、それはすばらしい。でも時間的に制限があり、リタイアした(させら
れた)時は仕方ないと思うけど、後になって空しくなってくる。だからこ
こではそういうのがない」というような事を語っておられました。今回も
また、完走はできませんでしたが、「参加して本当に、本当によかった
なぁ」と思います。来年もまた行きます。必ず行きます。それまでにもう
少し練習しておきます。自分にとってフルマラソンの原点がホノルルな
ら、ウルトラの原点はサロマではなく、宮古島遠足…、いや、海宝さん
の主催する大会だと思います。まあ、それだけ100キロは大変…とい
うことですけどね。


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