2001山中湖ロードレース
                                 
金子尊博

2001年5月27日(日)雨

昨年に続き2年連続での出場となった山中湖ロードレース。大会の出場は、荒川市民
マラソン以来2ヶ月ぶり。その荒川市民マラソンは体調不良で途中リタイヤだったから
完走したレースとなると2月のグレートアロハランだが、このレースはファンランだった
ので対象外? とすると、まともに完走したのは1月の谷川真理ハーフマラソンにまで
遡らないといけない。荒川市民マラソン以降は、練習会に2度参加したが、普段の練習
は殆どやっていなかった。そんなこんなでちょっと不安はあったが、ハーフマラソン
だから練習のつもりで気楽にいけばいいかな?くらいに考えていた。そうこのレース
から3週連続で大会に出場する事になっている。翌週は湘南ビーチ、翌々周が北海道
美瑛町で行われるヘルシーマラソン(ハーフ)。気持ちとしては最後の週のヘルシー
マラソンで自己ベスト更新できればと考えていた。

前日は、早めにホテルへチェックインし軽いジョッグを交えながら、コースの最高到達点
となる坂を下見に行き、夕食を食べた後、プールで泳いだりして過ごした。これが影響
したのかどうかはよく分からないが、翌日目が覚めると、足に軽い張りがあった。その他
にも上半身を中心に筋肉痛が...上半身に筋肉痛があるということはプールで泳いで
しまったのがいげなかったのかな? 

今回は、1キロ6分のペースで走りつづける事。これをクリアした上で余裕があれば、
最後の上り坂でダッシュでもしてみようかと考えていた。スタートは9時30分。雨はそれ
ほど強くは無いが降り続いていた。気温も昨年とは異なりやや低め。じっとしていると
肌寒く感じる。雨の中、轟音をたてて花火が打ち上げられハーフの部のスタートが
切られた。スタート地点までのロスタイムは約3分。1キロ6分ペースなら2時間9分での
ゴールとなる。さて、ゴールする時にどれくらいの余裕を残せるかな? 兎に角ゆっくり
行こう、そう心に決めた。

湖畔の道路に出ると、ペースを上げたランナーが前へ行く。道路の轍には前日からの
雨で水溜りができている。追いぬいて行くランナー達はその水溜りを避けながら走って
いくので、突然前に割り込んで来たりして何度かつまづきそうになった。今までのレース
では前半飛ばす事が多かったので、自分もこうゆう走りをしていたのかな?と思うと
ちょっと反省! やっぱりマラソンもマナーが大事だから気をつけないといけない。自分
のわがままな走り方のせいで転んでしまう人がいたりしたら、申し訳無い。前に割り込む
時は合図をするなどして、接触を避けないといけないなと思った。

まわりの多くのランナーと同じようなペースで走っていると非常に楽だ。周りの人に脇を
抱えられて走ってるような感じで、走ろうという意識をしなくても進んでいるような気に
なる。それでも5km通過が30分くらいだったので、ロスタイム(3分)を考慮すればキロ
6分より速いペースだったようだ。この状態は7キロ付近の長い昇り坂手前まで続いた。
前のランナーが気になり出したのはこの昇り坂から...自分のペースが上がってきて
いるのか、まわりが落ちているのかは分からないが、兎に角、前のランナーに詰まって
しまう。(競馬用語の掛かってしまうという状態?)自分のペースを落そうとしても、
この状態が変わらないので、前へ行くことにした。センターライン寄りに移り、対向車を
見ながら前へ出る。一度、この走りを始めたらもう止まらない。どんどん前へ行ってしまう。
まわりが遅いように感じて仕方ない。何人のランナーを抜いたかは分からないが、抜か
れた記憶は無い。そしてママの森展望台からの下り坂にはいる。このあたりからは晴れ
ていれば綺麗な富士山が湖の向こうに見えるのだが、あいにくの雨模様で富士山は
微かに見える程度だった。

下り坂になると、まわりのペースがあがり詰まるような状態からは抜け出した。その後は
再びまわりのランナーに連れて行ってもらうが、この上り坂での走り方は問題だったかも
しれない。10キロ付近からは1周の部とハーフの部はコースが分かれる。1周の部は、
湖畔沿いのサイクリングロード。ハーフの部は一般道路を行く。ボウリング場の前では
恒例?の少年野球の応援団登場。コース取りが悪くハイタッチはし損ねたが元気は、
貰った。まだまだいける。そして迎えた14キロ地点。湖畔1周の部はここからゴールへ
向うがハーフはあと7キロ。ここからが肉体的にも精神的にもしんどい。ゴールへ向う
ランナーを横目に見ながらあと7キロというのは、結構堪える。来年は1周にしよう!!

そしてこのあたりから、走ろうという意識を持たないとまわりについていけなくなってきた。
それから、サムズのメンバーちゃりだーさんに抜かされた。ちゃりだーさんとは、長い坂道
手前で追いつき、上り坂で私が前に出て以来の再会だった。自分はキロ6分よりちょっと
速いくらいのペースを維持しているつもりだったので、ちゃりだーさんがペースアップした
のだろうと思ってはいたものの、知らず知らずのうちにペースダウンしているのではという
不安もあり、自分のペースに疑問を持ち始めた。

折り返し地点にさしかかると、それまでの余裕が徐々になくなってきた。1周目には気に
ならなかった微妙な昇り下りが気になりだした。レース前に感じていた足の張りは、これ
まで忘れていたが再び蘇ってきた。残り3キロの湖畔道路でこれまで貯めてきた体力が
ドンドン減っていき、疲れを感じ始めた。その時、泥棒とお巡りさんが現れた。泥棒の
仮装ランナーは唐草模様の風呂敷包みを背中に掛けて逃げる。お巡りさんは一時代
昔の制服姿で片手に拳銃を持ち、『泥棒!待てー』と叫びながら追いかける。この二人
組に追いつかれた時、自分のペースが落ちてきているのでは?という不安が大きくなる。
そこで、この二人に着いて行くことにした。

ゴール手前1キロの急な上り坂では、余裕があればダッシュする予定だったが、それ程
の余裕はなかったので、せめてこの二人組に着いていこうと粘る。坂を昇り終え、今度
は坂を下る。泥棒をお巡りさんが追いかけ、お巡りさんを私が追いかけれる。途中、
何度か『お巡り、待てー!』と叫びたくなった。そんな雰囲気に再び走る楽しさを思いだし、
ゴールラインを駈けぬけた。久しぶりの完走。タイムは2時間4分くらい?腕時計を止めな
かったので正確な時間はわからないが、目標としていた、キロ6分ペースは守れたようだ。

ゴール後もそれほどの疲れはないと思っていた。しかしシューズ
を履き替えた時に右足のふくらはぎを攣ってしまったという事は、
それなりに疲れていたんだろうか。ここ数ヶ月間の練習不足が
響いたのか、前日にはしゃぎ過ぎたのが拙かったのかは分から
ないがこのままだと24時間リレーが怖い。これから2ヶ月キッチリ
走りこまないといけない。でも何はともあれ、久しぶりのレースを
楽しく完走できて良かった。次は湘南ビーチ。ここで調子をもう
一つ上げて、北海道で自己記録更新を目指す!! 
そして富士北麓で夏を越え、涼しい秋に走りこみを強化して、
今年もやっぱり締めくくりは、ホ・ノ・ル・ルかな!?


(写真右:最後の坂をのぼりきったところ、ラストスパート!とはいきませんでした)



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