北海道珍道中

                                 
  うさぎ

 7月1日(土)11時羽田発の飛行機で札幌へ向かいました。空港にはランナーの
姿がちらほら。知っている人では実井選手がいました。さて、札幌市内へ入ると、
とてもお腹がすいて、まず、十勝牛の特選カルビ定食を食べてしまいました。
脂がのっていてとてもおいしかったです。でも、せっかく今まで体を絞ってきたのに
体重が増えはしないか心配になり、地下鉄に乗らずにできるだけ歩いてホテル
(メルパルク)にチェックインしました。部屋に荷物を置いて再び、札幌駅へ行き、
大会受付場所の京王プラザホテルへ向いました。そこで、ランニング仲間の酒井氏
(昨年の湘南ビーチ4位)と会い、同じホテル滞在なので、以後行動を共にする。

 ゼッケンと参加Tシャツを受け取り、辺りをチェックすると記者会見をやっているよう
なので、選手も中に入れないのか聞くと、入室を許可されたので中に入るとスペインの
フィス選手、藤田選手、武井選手がインタビューされていました。
その後、入れ替わりで、マイヤー選手、高橋選手、小幡選手の記者会見が始まりました。
一人ずつこの大会の位置づけについて話をした後、質問の時間になりました。
増田明美が手を挙げ、いきなりシドニーのコースをどう思うかという先日新聞に載って
いた内容の質問をしていました。その後も、今そんなこと聞いてどうするんだという
ばかげた質問が、他の記者から出され、司会者が大会に関係した質問をするように
頼んでいました。「明日のレース展開をどう考えてるか」とか聞けばいいのにねと話を
していたら、突然酒井氏が手を挙げてその質問をし始めました。無事答えをもらい、
記者会見が終わるや否や、後ろから、誰かにえらそうな態度で声をかけられ、
選手が勝手に質問してもらっては困るんだよねと叱られてしまいました。マスコミっ
てどんな権利があるのかな。

 その後、円山競技場で調整練習しました。昨年は宗監督の旭化成、今年は瀬古監督
と花田選手等が練習していました。私も遠慮せずトラックを使いました。
 さて、レース当日は2時スタートなので、午前中はゆっくり、のんびり過ごしました。
12時ごろ選手控え室へ入りました。他の実業団選手と一緒です。1時にアップ開始。
グランドへ出て体操をしていると市河選手が隣りへ来てストレッチを開始しました。
ほぼ同時に走り始めましたが、まだ、グランドを走っている選手はほんの数名、しかし、
2周3周とまわるにつれ、人が増え、あっというまにトラックは選手でいっぱい。
藤田選手の走りはとても速い。あっという間に1周抜かれてしまいました。
市河選手のアップが長いので私もつられていつもより長くアップしてしまい体が温まり過ぎ。
今日は気温も湿度も高い。あわてて、水で冷やしました。暑い日のアップのやり過ぎは
致命的なのはわかっているので。

 さあ、スタート地点へ。マスコミが集まっているので中を見ると高橋選手登場。
私は後ろの方へ並ばされるので、高橋選手は見えないし、追いつくことも無理だろう。
したがって、テレビにはまず、映らない。

 いざ、スタート。それでもあきらめず、スタートからとばす。5キロは下りも手伝って、
17分18秒。ハーフのラップでは自己最高。しかも、そんなにきつくない。
まわりはワコールや資生堂など実業団女子選手の集団ができている。沿道の応援は
すごいが、今日はあまり気にならない。気分よく走れているので、レースに集中できている。
10キロまでペースを自重する。それでも、ハーフのラップでは自己記録。
15キロ地点、やや疲れが出てきたが、足はまだ動いている。あと6キロならがんばれる。
15キロのタイムは自己ベスト更新。さすがに、最後の坂はきつい。
でも、がんばれば自己ベストなので、計算しながら、必死に走る。登りきった時、かなりの
ダメージを受けたが、後はトラックのみ。その頃、競技場では高橋選手の優勝インタビュー
が流れていた。最後、400メートルを必死にスパート。なんとか、自己ベスト達成。
夏のハーフでしかも難コース。自己ベストを目指すのは至難の技であるが、もともと私の
記録は2年前のもので、今はスピードもスタミナも当時より上だったので、密かに狙って
いました。昨年のこの大会より2分速くなったことになる。自分に足りないものも見えて
きたので、秋に向けて対策を立てようと思う。

 レース後、ホテルへ戻って、休憩。しかし、大会はまだ終わりではない。
6時半からフェアウェルパーティーがあるのです。毎年参加していて、昨年は南アの
チュグワネ選手、早田選手、鈴木博美選手、山口選手等と話をしてきました。
チュグワネ選手はマラソンは一度失敗してしまうとスポンサーから見放される厳しさを
嘆いていました。早田選手はお金を日本選手にまわさないで、すべて外国招待選手に
使ってしまうと陸連批判をしていました。鈴木選手は楽しく走るのが一番とあまり競技選手で
あることを喜んでいないようでした。山口選手はつんつんした感じであまり話をしたがらない
様子でした。さて、今年は。。。

 毎年、思うことですが、選手の参加が減っていて、今年パーティーに参加したのは外国招待
選手と高橋選手と小幡選手くらいであとは市民ランナー数名。それ以外は陸連役員と監督、
通訳の人がいました。まずはスペインのフィス選手と通訳を通じて話しました。話題は今日の
レースは湿度が高すぎて走れなかったけど、札幌はいい町だといった話やオリンピックのライバル
選手について話しました。高橋選手にも話しかけてみましたが、ブラウン管を通したイメージとは
裏腹に余り愛想の良くない答えしか返ってこなくて、幻滅してしまいました。彼女はマスコミが
作り出した、国民的アイドルのような存在なのでしょう。テレビに映るあの笑顔は実は作り物
なのです。本人は注目を浴びるのは好きのようですが。

でも、安心してください。昨年親しく話をしてくれた早田選手や鈴木選手の成績はいまいち
でしたが、つんつんしていた山口選手は予想外の大活躍でした。それで高橋選手はきっと
金メダル取るだろうと確信しました。気さくに話をしない選手は強いのです。

 大会全体を通して、結局今年は高橋選手ではじまり、高橋選手で終わった大会だった
ようです。言いかえれば、ランナーよりもマスコミ主導の大会でした。でも、いろいろ収穫があり、
存分に道中楽しむことができました。    

以上。


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