全身粟立つ、背筋が凍る、身の毛もよだつ、そんなお話を聞かせてあげます・・・

あなたはこの恐怖にたえられるか・・・

 

怪の巻

独身寮に渦巻く怨念
千葉県在住、会社員男性

 私の住んでいる会社の寮は6畳1間の独身寮。いろんな逸話もありますわ。それと関係するかしないかはよくわからんが・・・

 あれは、確かまだ記憶に新しいので年末か年始の話だな。私はいつものように寝ていた。そうだ、寒かったからやはり冬だな。あまりにも寒いのでハッと目が覚めてしまった。「う〜ん、寒いなぁ」と思いつつ寝返りを打とうかとした私の目に飛び込んできたのは・・・!

 白い手のようなものだった。 (*o*;)

 で、その白い物体は私の頭上から床と平行に伸びていたのだが私が気付くと「スゥ〜」っと引っ込んだ。

 そのあと私はパニック状態。「一体何なんだ、今のは!」と怖さのあまり布団に深く潜り震えることしかできなかった。25年生きてきたわけだが、これほどまでに恐怖したのはこれが初めてのような気がする。それからしばらくの間、夜中に目が覚めても目を開けることができなかった。気のせいといわれればそうなのだろうけど、あの恐怖は見てしまったものにしかわからないであろう。最近はそのようなことに遭遇していない・・・だが、以前に比べ肩や首が異常にこるようになった気がする。何事もなければよいのだが・・・

 正統派のコワイ話ですね。いわゆる怪奇現象です。この男性の住む社員寮には私も住んでいました。彼の言うようにいくつも逸話がございまして・・・私の体験の一つをお話しましょうか。

 かれこれ2〜3年ほど前のことでしょうか。季節は覚えておりませんが、やはり真夜中でした。私はベッドでうつ伏せの状態で目を覚ましました。どうやら廊下の足音に眠りを妨げられてしまったようです。日ごろは目覚まし時計が鳴っても起きないのに、この日に限っては目を覚ましてしまいました。

 私は霞がかった意識の中で、誰か帰ってきたんだな、となんとなく思っていました。足音はどんどん近づいてきます。私の部屋は建物の角地にあり、隣は空き部屋、周りにも二人ほどしか住んでいません。誰だろう、と思っているうちに足音は硬質なものから畳を踏む音に変わりました。どうやら部屋に入ったようです。そう、部屋に・・・。

 私は鳥肌が立つのを禁じ得ませんでした。なぜ、畳を踏む音まで聞こえてくるのでしょう? そう、足音の主は私の部屋の中にいるのです。もちろん、ドアには鍵はかかっています。音もなく鍵がかかったドアを開けるなんて不可能です。いったい誰が・・・? 振り向けばすべてがわかります。侵入者がいるのか、それとも今聞こえている足音すらも空耳なのか・・・。しかし、私にはそれが出来ませんでした。何か異形の者を・・・そうこの世ならざる者を見てしまう・・・そんな風に思ってしまったからです。そうしている間にも足音は私のほうへと近づいてきます。そしてベッドの上へ・・・。

 次の瞬間、私は耳鳴りと背骨を直接踏まれたような激痛に襲われました。息も詰まり悲鳴を上げることもできません。しかし、それも一瞬のこと。足音は壁の中へと消えて行きました。まるでここが「彼」にとってただの通り道でしかなかったかのように・・・。

 

 

書斎の住人
福岡県在住、会社員男性

 あれは、僕のじいさんの通夜のときのこと。一応、地元じゃ名士で通っていただけあって、それは盛大だった。津軽海峡をはさんだ北海道からも親戚一同駆け付け、じいさんの弟もその中にいた。

 その夜。

 いくら田舎の家が大きいといっても20人近い親戚が寝るのである。僕とじいさんの弟は、じいさんが生前使っていた書斎に寝ていた。柱時計が2つ時を打った頃。僕はじいさんの弟がうなされているような声で目がさめた。「気分でも悪いのかな?」と、隣の寝床を見た僕は、思わず自分の目を疑った。

 じいさんの弟は相変わらずうなされている。その枕元。黒い影が座っている。田舎のこと、周囲は漆黒の闇。電灯の豆球も消えている。にもかかわらず、黒い影がはっきり見える。その影はじいさんの弟に覆いかぶさるように、うつむいている。うなされている、じいさんの弟。亡くなったじいさんは、後頭部がちょっとでっぱっているので、まちがいない。その影はじいさんのものだ。

 僕は、まるで気付かれないように、とでもするように、ゆっくりと首を反対に向けた。その間もじいさんの弟はうなされている。と、柱時計が、1つ鳴った。30分経ったのである。まだ、うなされている。僕は、ただひたすら目をつぶっていた。が、そのうち、いつの間にか寝てしまった。

 翌朝、じいさんの弟にうなされていたことを言ったが、憶えていないという。

 闇に浮かんで見える人の「影」。それも身体の特徴が判るほどにはっきりとした「影」。でもそれは亡くなったおじい様の「影」だったのです。別れを告げに来たのでしょうか? あるいは愛用していた書斎で「最後の夜」を過ごそうとしたのでしょうか? それとも・・・。

奇の巻

たたずむ女
愛知県在住、公務員男性

 私の勤務していた病院は、市内ではとても大きくて、あらゆる診療科が在りました。私たち事務職には月に2回くらいの当直勤務があります。当直の仕事の一つに、緊急で運び込まれた患者さんのカルテを当直医に届けるというものがあります。病院の事務系当直は病院によって違うと思いますが、私の勤める病院は救急指定病院ではなかったので、当院受診患者さんしか救急受付してないのです。ですから、当直医から連絡在りしだい、当該患者のカルテを各外来診療科から取ってこなくはいけないのです。これはそのカルテを届けるときの体験です。

 この日も私は、医師の指示のまま眠い目をこすりながら当該外来科にカルテをとりに行きました。時間は午前2時頃です。当直室は1階にあり当該受診科は4階です。当然面倒なので階段ではなく、エレベーターに乗ります。当直室から近くのエレベーターが1階に停止していたので、何も考えずに昇りのボタンを押しました。扉が開きます。まあ当たり前なんですけど。

 でも、そこには当たり前の状況ではない事が起こってました。

 私は驚きのあまり、無様に悲鳴を上げてしまうところでした。なんと1階でずっと停止していたはずのエレベーターに人が乗っていたのです。しかも、若くて、髪の長い女の人です。彼女は私に背を向けたまま、エレベーターの角をじっと見ているようでした。私はそのまま乗りましたけど、4階に到着するまでの間、本当に空気の重さを感じるような出来事でした。彼女はいったい何者だったのでしょうか・・・。

 怪奇というより奇怪な体験をなさいましたね。動かないエレベーターの中にじっとたたずむ女性・・・。緊急とは言え、そのエレベーターに乗り込み、黙々と仕事をこなしてしまうあなたの勇気とプロ根性に乾杯です。私でしたら階段を選びます。彼女の奥深そうな精神世界に引き込まれぬよう、十分に気をつけてください。


ナイトストーカー
埼玉県在住、妻

 あれは短大1年生の秋ごろのことだったと思います。
 当時私はお酒を覚えたばかりということもあって、なにか理由をつけては友人たちと居酒屋で乾杯し終電の時間までくだを巻きあう、そんなことに夢中になっていました。その日も、私は友人たちとぎりぎりの時間まで飲んだあと、終電に飛び乗ったのです。そのころは実家に住んでいまして、最寄り駅は某路線の終点駅、かなりの田舎でした。

 駅から自宅までは徒歩20分弱。タクシーだとワンメーターです。たかが600円ですが、貧乏学生にとってその金額は惜しく、私はいつも歩いて帰っていました。

 外灯のある大通りを選びながら帰路につくものの、なにぶん田舎ですので、深夜0時すぎともなれば歩いている人など全くいません。聞こえる音といえば、たまに通るタクシーの音と川の音、遠くで鳴く犬の声くらいです。ほのかに残る酔いも手伝って、誰1人見あたらない静かな夜の町を歩くのは気持ち良くもありました。

 ただ一つ問題は、大通りから脇道にはいる地点から自宅までの100メートル程の道のりでした。左右に駐車場と畑がひろがりその間にポツポツと5軒の民家があるだけの、まっすぐな道ですが、外灯がひとつもないのです。
 さすがにこの道を通るときには気後れしましたが、帰宅するにはこのルートしかないので仕方ありません。ずっと夜道を歩いてきたため目が慣れていて、どこが道かは分かりますので、私はいつものように暗闇を歩いていったのです。

 すぐに、自分以外の足音に気がつきました。

 反射的に後ろを振り向くと、すこし離れたところに人影が見えましたので、気づかなかっただけで近所の人が同じ終電に乗っていたのか? ウォーキングの深夜特訓か? などと考えながらまた歩き始めました。
 歩きながらその足音は早足に、どんどんこちらに向かってくるのがわかりました。
 暗い夜道で他人に追い越されるのは非常に嫌なものなので、抜かされないようにと私も歩調を早めるのですが、答えるかのように足音もさらに早足になっていくのです。

 恐怖に酔いが醒めていくのがわかりました。手にいやな汗が出て、心臓が高鳴ってきました。私はもっと歩調を早め、なかば走るようなような速度になりながらチラリと後ろを振り向きました。すると人影は、私の方にまっすぐ向かって、10メートル程の距離を保ちながらぴったりついてきているのです。
 私は驚いて全速力で駆け出しました。
 もうかなり歩いていましたので、すぐに自宅につきました。夢中で庭先の門をあけ、石段をかけ上がりました。良かった無事に家についた!!と涙が出そうになりながら鍵を入れ、玄関扉をあけて、中に入りながら後ろを振り向くと・・・・

 見知らぬ若い男の人が、庭先の門柱に手をかけて、こちらをじっと見て立っていたのでした。ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべたその表情は、今でも忘れられません。

 私の妻からの投稿です。昔から変質者に遭遇しやすい娘さんだとは思っていましたが、ここまでやばいのは初耳です。当時はいわゆるストーカー行為というのは犯罪として認知されていなかったですから、警察に連絡してもまともに取り合ってはもらえなかったでしょう。本当に無事でなによりでした。ちなみにこの後、彼女は2回に1回はタクシーで帰るようにしたそうです。自衛しているように見えますが、その前に終電で帰るのをやめましょうね。



鳴の巻

せまりくる壁
千葉県在住 会社員男性

 先日、とてもコワイ体験をしました。車のカーオーディオを取り付けに真夜中の洗車場へ行ったときのことです。

 確か午前1:00頃でしょうか、外は風が強くなぜか気味が悪かったです。洗車場に着いた私は早速説明書を見ながら純正オーディオの取り外しを始めました。車はオートマチックなので、どうしてもシフトレバーが邪魔なので「シフトロック解除」というボタンを押して、「Pレンジ」から「Nレンジ」にし、作業を進めていました。もちろんエンジンは止めてあります。すると、1台のワゴン車が入ってくるのに気付きました。携帯の時計を見ると午前2:00頃、こんな強風の中、洗車するのかなぁ?と思っただけで、さほど気にも留めずに黙々と作業を続行していたときのことです!

 体がふわ〜っと揺れ、あせった私は、周りを見回すと、なんと「カ、カベが近づいてくる〜っ!!ブレーキ? ブレーキ!? ブレーキ!!!」急いで、ブレーキを踏みカベへの衝突は免れました。

 そうです。カベが近づいれくるわけありません。「シフトはニュートラル」「パーキングブレーキ(フット式)は解除のまま」「強風」「なめらかな下り坂に駐車」、これだけの条件があれば1.5トンの車も動きますわ。運転席で作業していたため、運良くブレーキがかけられたけど、助手席だったらぶっかってました。いやいや、そんな理由でぶっけてたらシャレにならん。

 みなさん、作業時には十分気をつけてくださいね。

 車内での作業中、ふと顔を上げると壁がせまってきていた・・・。身も凍る体験をなさいましたね。駐車中の車が勝手に動き出すあらゆる条件をクリアした上での作業。座ったのは運転席か、助手席か。そこが運命の分かれ道でした。こんなしょうもない理由で愛車を傷つけてしまったら泣くに泣けません。私も踏んだアクセルが返ってこなくなり、死を予感したこともあります。皆様、車には十分に注意しましょう。


 

羽ばたく悪魔
福岡県在住、会社員男性

 ある夏の寝苦しい夜。僕は、無気味な音で目がさめた。「パタパタパタ」という、軽い音が天井の方から聞こえてくる。僕のアパートは、2階建て。僕の部屋は2階。「ねずみかな」と思ったが、その音は天井より低い位置、つまり、天井と僕の間から聞こえてくるのである。

 僕の体から一気に汗が吹き出した。暑いからではない。冷や汗である。「パタパタパタ」という音はなおも聞こえてくる。僕は、ガバッと起き上がると、電灯のスイッチを入れた。そして、周囲を見渡した。

 いた。それは、いた。

 でかいゴキブリである。しかも黒い。それが、寝ていた僕の上を飛んでいたのである。

 僕は慌てて枕もとに置いてあった殺虫剤を吹き掛けた。

 もし、あのゴキブリが僕の顔の上に着地していたら・・・。恐い話である。

い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 

 思わず悲鳴をあげてしまいました。なんて恐ろしい話なのでしょう。床を這っているだけでも十分に恐るべき生物なのに、宙を飛ばれた日には・・・。「奴」との激闘の末、羽を広げた「奴」に顔めがけて特攻を仕掛けられ、咄嗟に「真剣白刃取り」をしてしまった・・・という話を耳にしたことがあります。くわばら、くわばら・・・。



 あなたのキョーフ体験をメールでお寄せ下さい。希望がない限り文面をそのまま掲載しますが(誤字脱字等は修正いたします)、表題は当方で決めさせていただきます。件名を「コワイ話」にして下さい。
 なお、残念ながらすべての投稿作品が掲載されるわけではありません。申し訳ありませんが、私の独断と偏見で採用させていただきます。採用のポイントは「本当にあった」話であるということです。本当にあったかどうか、私には確かめる術はありませんので、信憑性が命です。ご自身の体験談がよろしいかと思います。また、いわゆる都市伝説の香りが漂うお話には掲載した上でツッコミます。・・・・嫌いじゃないですから(笑)

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