まずは水槽のセットから
なにか魚を繁殖させてみたいなあと思った時に一番身近に感じられたのがエンゼルフィッシュでした。
とりあえず雑誌などを読み、どんな種類がいてどれが一番初心者向きか、どうすればうまくいくかなど調べました。
最初ってこれがなかなか出来ないんですよね! 熱帯魚屋へ行って ”これいいなあ”って買ってきて後でなかなかうまくいかなくて苦労するパターンが多いようです。
まあ普通にそこらで売っているエンゼルフィッシュならある程度どれでも同じようなものみたいですけど。
とりあえずどれを飼うか決めておいて水槽をセットすればいいでしょう。
さて、水槽セットをしますか。
60cm水槽を2本、45cm水槽を1本(30cm水槽でもいいですが水質の管理の上で45cmのほうが安心なので)計3本用意します。
説明しやすいように水槽に番号をつけます。
(1番(60cm水槽)、2番(60cm水槽)、3番(45cm水槽)とします)まず1番の水槽ですが、フィルターはスポンジフィルターを使いますのでエアポンプが必要になります。
底砂はあってもなくてもいいですが敷くなら目の細かいものを敷いた方がいいと思います。
蛍光灯は20wのPG2が1本あれば十分です。
2番の水槽は上部式のフィルターが簡単で安心して使えると思います。
底砂は標準サイズのものでいいと思います。
3番の水槽はスポンジフィルターを使い、底砂はいりません。
蛍光灯は10wのPG2を1本で十分です。
水槽を置くスペースがあれば2番の水槽を90cmのものを用意しておいた方がいいとは思いますが。
それでは3本の水槽を立ち上げ(稼働して)、水温を26度にセットして一週間待ちましょう。
魚を購入しよう
水槽をセットして一週間がたちました。
そろそろ水質も安定していい状態になっていることでしょう。
さて、いよいよエンセルフィッシュを買いに行きましょう。
と、その前にどの種類のエンセルを飼いたいのかを決めておかなくてはなりません。
熱帯魚の本や実際に熱帯魚屋さんに行って見て、決めて下さい。
飼いたい魚が決まりましたら、早速買いに行きましょう。
今回の目的はあくまでもエンゼルフィッシュの繁殖ですので、適当に欲しいだけではなく、必要最小限にしなくてはなりません。
ここで魚の数ですが、多過ぎるとあとで管理が大変になりますし、少な過ぎるとうまくペアが組めなかったりします。
一般的に言われているのは五匹以上なので、今回は五匹購入します。
あとサイズですが、500円玉くらいのものがいいでしょう。
最初からペアリングしてある成魚を購入するのも楽でいいのですが、それなりに値段が高くなるので余裕のある人はどうぞ。
魚の選びかたは、ヒレが良く伸びていてかたちのいい個体を選んで下さい。
そんなかんじで五匹購入しました魚を1番の水槽に入れます。
日常管理は他の魚と変わりはないので、ここでは特別な説明はしません。
ペアリングしよう
さあここまできて魚が病気もなく、元気に泳いでいればいよいよペアリングです。
購入した五匹の魚を同じ水槽に入れておいて自然とペアを組ませるわけですが、日常管理や毎日の観察で気をつけて見ていると、同じ二匹がいつも一緒にいたり、雄が回りの魚を追い払う行動を見せ始めます。
この行動がひましに激しくなってくると、その二匹がペアを組んだと思っていいです。
ペアを組んだらほかの魚は2番の水槽に移しましょう。
二匹だけにすることで、落ち着いて産卵をすることが出来ます。
産卵させよう
1番の水槽をペアリングした魚だけにしてまずやるべきことは水質管理ですが、常に水質管理は必要なんですがよりこまめにやってやる必要があります。
そのためには週に一度の3分の1の水換えは欠かせません。
それと産卵する場所を作らなくてはなりませんので、幅の広い葉をもつ水草を用意します。
アマゾンソードという水草がありますが、これが値段も安く手に入りやすいので一番いいとは思います。
その他にエンゼルフィッシュやディスカスなどの産卵用に人工的に作られたものもありますので、ためしてみるのもいいかもしれません。
魚をあまり脅かさないようにして、水質管理さえやっていればそのうち産卵を始めると思いますので、よく観察してみましょう。
いよいよ産卵
いよいよ産卵させるわけですが、産卵する前にこの魚は産卵する場所を探し、そこの表面をきれいにしようとつつきだします。
このような行動を見せるようになるとそろそろ生むころだと思って間違いないです。
ここで注意したいのは水質ですが、週に一度しっかりと水換えをやっていれば通常は問題ないはずですが、最後の水換えをしておいたほうがいいです。
ある日、”あれ?なんか葉っぱにつぶつぶが!あっ!!うんだよ!”ってことになると思います。
この魚に限らず魚ってやつは朝早くに生むことが多いようです。
ですから、私の場合は実際に生んでいる瞬間を見れるチャンスがなかなかありませんでした。
皆さんは生んでいる瞬間をぜひ見て下さい。
葉っぱの上に一つ一つきれいに並べていく様子は”すばらしい”と感動することでしょう。
卵を生んだ後は、出来るだけ刺激を与えないようにしなければなりませんので、水換え等も控えた方がいいと思います。
あまり強い刺激をあたえると、せっかく産んだ卵を食べてしまう恐れがあるからです。
蛍光灯も、つけっぱなしにしておくといいと思います。
ここからが問題、卵をフカさせねばなりません
さて卵も産んだしあとは待つだけ!ってわけにもいきません。
ここまでは、わりとうまくいくのですよ!ここからが問題なのです。
観察していると親がせっせと卵の世話をしている様子が良く分かって非常に可愛いものですが、ここで喜んではいられません。
水質が悪化してくると、卵が次々と死んでしまうのです。
ここで先ほどの水換えの大切さが出てくるのです。
出来るだけ刺激をしないようにしないといけない時に卵が死に始めたら水換えをしなければならなくなります。
こうなったら仕方がないので静かに水換え(5分の1程度にしておいたほうがいいです)をしましょう。
卵の色は最初は飴色で、だんだんと濃くなってきます。
死ぬと白っぽくなりますので、すぐにわかります。
順調にいけば数日でフカします。
稚魚がチョロチョロかわいいです
さて、エンゼルフィッシュの繁殖のいいところはやはり親が子供の世話をするところを観察することだと思います。
卵を産んでから稚魚がかえり、ある程度大きくなるまでの間、非常に良く世話をします。
その様子を見ているとこちらもやっててよかったという気分にさせられます。
いよいよ卵がかえるころです。
卵を見てみると小さな黒い点があるのが分かると思います。
これは稚魚の目です。
これが見えるようになってくると、もうすぐフカします。
フカの瞬間を見れるといいのですが、私はまだ見たことがありません。
稚魚がかえると、親が口でくわえて移動させます。
決して食べているわけではありませんのでご安心下さい!
たまにほんとに食べている時もありますが!?
まだ、蛍光灯はつけたままですよ!!
稚魚を育てよう
ようやく稚魚がかえりましたね。
さて、これからがまた好きじゃないとなかなか出来ない子育てです。
とりあえず稚魚が自分で泳げるようになるまで観察を楽しんで下さい。
それまでは特にやることはありません。
出来るだけ刺激を与えないようにすることと、稚魚の調子を見ていればいいだけです。
自分で泳げるようになりましたら、いよいよ餌やりを開始します。
餌はそこらで売っているベビーフードとブラインシュリンプという、エビの子(プランクトンみたいなやつ)を与えます。
餌やりが始まり落ち着いたところで、水換えや蛍光灯をいつもどうりにするなどします。
あとは、特にいつもと変わりありません。
最後に
一度ここまでやってしまえば、あとは経験を積んでいくだけです。
エンゼルフィッシュの稚魚は一番最初は別として、出来るだけ大きな水槽で飼育することをお勧めします。
水槽の大きさによってかなり成魚になったときの、魚の体型や大きさが違ってきます。
大きな水槽と良い水質、栄養のある餌で管理良く育ったエンゼルフィッシュは、大変すばらしいものがあります。
皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。