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電離層とANTの放射角

     

アマチュア無線で使用するHF(中短波)帯は、地球を取り巻く大気圏が、太陽の放射するさまざまな輻射エネルギーによって電離されたり解離されて作られる電離層と呼ばれるイオン層で反射し屈折して、地球上を伝播していきます。
地表波伝搬
地表を伝搬する電磁波は、周波数が高くなるほど直ぐに減衰してしまう。100W程度の出力の場合、7MHzでは30〜50km、21MHzでは20〜30kmで聞こえなくなってしまう。(0dbμV以下になってしまう)

電離層
太陽からのX線や紫外線、あるいは太陽以外の宇宙線等のエネルギーによって、地球上層大気が電離され、上空に電離層が生成される。この層によって電磁波は反射したり吸収されたりする。
@ スポラディックE層(Es)は105〜110km付近に発生。
A F層は200km前後に発生するF1層と300〜400km高に発生する
F2層がある。
B D層やF1層は夜中には消滅する。
C 各電離層には、電波を垂直に打上げたときに反射する限界の上限周波数があり、臨界周波数(fc)と言う。
   注:下限周波数はfminで表す。
D 光(電波も含む)の性質として垂直に当てると突き抜ける場合でも、斜めに当てると反射する。即ち、fc=10MHzの電離層に、21MHzの電波を斜めに入射すれば、反射する場合がある。
  
(打上げ角の低いANTが遠くと通信出来る理由の1つ)
E 短波帯通信ではF2層が主役だがF2層は昼間より夜間にfcが下がる。
F 刻々と変化する電離層情報として「イオノグラム」がある。
イオノグラム
電離層観測装置によって取得される電離層の1次観測データをイオノグラムと呼ぶ。
@ 左図では、200〜400kmの高さにあるF層が赤く観測。
A F層の高さと臨界周波数によって、電波の飛びが想定出来る。
B 左図では、垂直に打上げられた5〜12MHzの電波は、F層で反射する。それ以上高い周波数では反射しない。(臨界周波数≒13MHz)
 但し13MHz以上の電波でも入射角度が垂直でなければ、反射してくる。
C イオノグラムの詳細な見方はこちらのHPで紹介。

  

アンテナの放射角度
アンテナの放射角は、そのアンテナの設置高によって大きく違ってくる。市販されているアンテナでは、長さは計算されているが、高さは設置する場所によって全て異なる。実際に設置して、どのような放射角になるかを推定するには、次のソフトでシュミレーションするのが大変有効である。 MMANA
@水平アンテナ 105.jpg (54742 バイト)
A垂直アンテナ 115.jpg (54104 バイト)
BYAGIアンテナ 125.jpg (51960 バイト)