不二の転校問題
 さてさて。あと少しで新章が始まりますね!
 新章が始まる前に、残された課題?である「不二の転校問題」について適当に考えてみたいと思います(いつも通り周裕ビジョン多めですが(笑))

 40.5巻の先生の話を読むと、不二VS越前戦の頃までは不二を転校させる予定で、あの試合に伏線がひいてあるんだそうです。
 普通に考えると「こんなスリル滅多に味わえない」うんぬんのところが伏線ですよね。もちろんあそこが直接の伏線だとは思うんですが、でも、『不二は転校の予定だった』と思って読み直すと、もっともっとすごく深いシーンがあります。あれですよ、あれ。裕太に電話した「青学って強いや」ですよ!

 なんであそこで不二が裕太に電話をしたシーンをいれなくてはいけないのか、と考えると、別に特に意味はないわけです。今読み直しても単にあら兄弟ラブラブなのね、ルドルフ楽しそうねぐらいの意味しかありません。
 でももし不二が立海に転校していたら、あのシーンはものすごく重要な意味を持っていたはずなのです。

 先生の話からすると、不二は越前と戦った時に転校しようかなと思ったらしいです(前から思ってたのかもしれませんが、決定的にそう思ったのはあの試合でしょう)

 そう思って読み返してみると、ちょっと気になるコマが出てきます。
 電話した直後、不二が裕太に「ねぇ裕太」と呼びかけているコマなのですが、そのコマはなぜか不二の目が隠れています。
 不二はかなり目に表情が出るので、ここで目が隠れてるのは結構意味深です。そして、そのコマをさらに見てみると最愛の弟裕太に呼びかけているシーンの割に、口がまったく笑っていません。というかちょっと暗い感じです。
 
 転校前提で考えてみると、不二は転校しようかどうしようかという迷いを抱えていて、そのため裕太に電話をしたのではないかと考えられます。
 すでに転校を決意しているということも考えられますが、目を隠してるのと口が曲がってる(というか暗い)のを見るとやっぱり迷ってるんじゃないかと思います。
 
 あのシーンは多分、迷って裕太に電話をしたけれど、裕太の声を聞いて迷いを一時忘れたシーンというか、不二が裕太にだけ一瞬弱さを見せたけど、裕太はそれに気づかなかった、けど不二にはそれでよかった的な超萌えシーンだったわけです(青学って強いやの時にはもういつもの不二なので、裕太の声を聞いて本人の中で整理はついたのではないかと思います)
 
 これってもしかして激萌えなんじゃ?!と思うのですが、結局不二は転校しなかったので、あのシーンは単なるお笑いシーンになってしまいました。もったいないような、でも転校しなくてすごくよかったような複雑な気持ちです(笑)
 

 もし不二が転校していたら、普通にラスボスだったと思います。
 「本当の僕はどこにある〜♪」のシーン(本気になれないとかキラキラしながら手塚に言うところ)がテーマになっていたと思うのですが、あれは普通の敵がやるには重すぎる話だと思うんですよ(味方だから長々できたわけで。考えてみれば結構何試合もかかってましたね)

 もし転校していたら、本気になれない不二が越前と戦って本気に目覚める…な展開のはずだったと思われるのですが、これを関東大会あたりで一回で終えるのはもったいなすぎる気がします。っていうか味方の転校自体大事件なので、そんな人が単なる敵で終わったらもったいなさすぎて大変です。

 とすると、不二は元々ラスボスであり、裕太はラスボスの弟だったということになります。弟が越前によって目覚めて兄を見るようになり、そしてその兄も越前によって目覚めて改心するという結構少年漫画的なストーリーになっていたのかもしれません。

 この場合、不二の性格がどうあれ、ポジション的にはもろ悪役ですね(笑)
 不二が味方を裏切って敵になって、でも主人公に倒されて改心するラスボス………だとすると、もしかして裕太はプチヒロインポジション(ファンタジーだったら「目を覚まして!」とか呼びかける役)として設計されていたのかもしれません。
 
 そんな妄想は置いといて、不二がいつまで転校予定だったかを考えると、多分山吹戦までたったと思います。
 考えてみれば山吹戦の不二はあまりにもあまりにもあっさり負けすぎです。その後もコピーの使い回し(←禁句)しかなくて、かなり出てきません。
 
 あまりに不二が出てこないので、裕太(同会場でコンソレをしてる)を見に行ってる設定なんじゃないか勘ぐりたくなるぐらいだったのですが、転校前提で考えると、多分先生は不二が味方であるという印象を弱めようとしてたんじゃないかなーと思います。
 まあ不二の場合(他のキャラも)目に表情が出ますので、転校するかもしれない時期にあんまアップにしたくなかったんじゃないかとも思います。

 亜久津戦あたりからまたアップになるようになるので、この辺で転校させるのをやめたのかなと思います。
 が、決定的な証拠はやっぱり、ジローと戦いたいとか言うところだと思います。
 転校したい人が弟と戦った奴と戦ってみたいなーとか部長に言いに行くのはわがまますぎます(笑) まあ普通の部員としても超わがままですが、そんなわがままを言っているあの時にはもう転校の予定はなくなったと判断していいんじゃないでしょうか。

 多分、乾が復帰する代わりに不二が抜ける予定だったのでしょう。つまり山吹戦の後不二が抜ける予定だったんだと思います。
 けれど不二が残ったので代わりに桃城が落ちて、結局大石が怪我をする羽目になった、と(一番の受難は大石ですね。でも黄金の絆が見れたので良かった気がします)。
 あとは手塚でしょうか。そういえば不二が転校してたら手塚が九州に行くことはなかった気がします。
 と考えると一番の受難は手塚ですね。九州に行かされるわ、そのために怪我させられるわで大変すぎます(笑) 

 話を元に戻すと、もし不二が立海に行っていたら、幸村はああいう性格じゃなかった気がします(幸村自体は存在してたと思います。真田の名前が幸村前提ですし)
 考えてみれば今の幸村は背が高くなって強くなって裕太がいない(←ここ重要)不二みたいな性格のように見えます。
 佐倉の予想だと、不二が立海に行ってたら今の不二より幸村っぽい感じになってたと思うので、そうしたら幸村のポジションや容姿は別なものになってたんじゃないかと思います。
 
 まあそんなわけで、不二の転校はかなりの大問題になっていたはずだったと思うのですが、やっぱり一番主張したいのは「青学って強いや」シーンって実は激萌えじゃない!?ってことなのでした。