ヘボントークその一
私は同人誌と言えば「大ネタであればあるほど上等。人と違うストーリーを考えて競い合うのが本筋」といったジャンルで育ってきたのですが、これが特殊な状況だということについ先日まで気づきませんでした(笑) そういった生い立ちのせいで、私は大ネタやパッションあふれるヘボンを愛していますし、自分の発想する話も基本的にはナチュラルへぼんです(笑)
というわけで、今回の四万ヒット記念企画は「へぼん」でいこうと思います。むやみに壮大だったり、むやみにエロだったりする「だって妄想がつっぱしっちゃったんだから仕方ないでしょ!」というお話たちです。 たとえ一見原作キャラ無視に見えても、このキャラがいなければ発想できなかったし、このキャラ(カプ)だから書きたいし、自分の中では他のもので置き換えは不可なのよー!! という熱いパッションを、原作重視派のみなさま(特に明稜業界に多いわけではなく、その他のジャンルでもよくいる人々)には理解していただきたいところです。 あと、ここで取り上げる「ヘボン」は愛あるヘボンです。ここにあげるネタと似たようなネタを発想された方がいたとしても、それを読みたいと思いこそすれ、けなす意図はまるでありません。というより本気で読みたいよ!突っ走ったへぼんをプリーズ!
以下、私が勝手にヘボンが多いと思われるものの分類をし、それをヒントに考えついたものたちです。
まず始めにヘボネタが多くなりがちな『魔法もの』からいきましょう。
さまざまなしがらみを打ち捨てて(笑)考えるとこんな感じ?
魔力が封印されたある時代とある国。その実質的支配者は梧桐さん。 梧桐さんに激しい憎悪を抱く八樹は何かを犠牲にして(←詳しく考えていません。でもシバリありの方が萌えだから(笑))人間の身体に作用する魔力を手に入れる。そしてその力で梧桐さんを捕獲。梧桐さんをミニ化し、水晶玉に封じ込める(注・ミニや水晶玉に意味はありません。萌え優先)。水晶玉の効力は三年。三年以上の延長はできません。 ただし、この水晶玉ごと梧桐さんを割ることはできます。八樹はその三年の間にすべてを梧桐さんになりかわろうと考えます。 リーダーを突然失った国は大混乱。みんな梧桐さんを信じて動けない中、それまで梧桐さんの補佐に徹していた八樹が徐々に力をつけていきます。 もちろんこれだけでは終わらない。「全て」を梧桐さんに成り代わろうとする八樹は、梧桐さんの精神的恋人(←八樹的判断)である伊織にはプレゼント攻勢をかけるなどして恋愛をしかけ(その安易な発想もどうよ)、肉体的恋人(笑)である半屋には梧桐さんの水晶玉をたてに肉体関係を迫ります。 半屋は自分が梧桐さんと恋愛関係にあるとは思っていないのですが、それにも関わらず八樹の申し出をあっさり了承(笑) 八樹の部屋の一室で囲われることに。 当然、八樹は水晶入りミニ梧桐さんを半屋の寝室に移動し、その前で×××(笑) そしてそのまま水晶入りミニ梧桐さんは半屋の部屋におきっぱなし。ちなみに梧桐さんはしゃべることも動くこともできません。目だけが動く(←萌え優先(笑)) 八樹は昼は梧桐さんに成り代わるために政治をしたり(クリフや青木は何をしてるんでしょう? あっさり八樹にだまされてたり?) 色々プレゼントしては伊織に冷たくあしらわれたりしている。そして夜は梧桐さんに会いつつ半屋と遊んでる(笑) 半屋は一日中梧桐さんと一緒。夜は八樹。あ、そういえはあまり細かいこと考えないで萌えを優先すれば、半屋が梧桐さんにエサ(食料じゃなくてなんらかのエネルギーとか宝石とか)をあげなくてはいけないとかいう方が好みですね♪
―――うん。へぼだってことはわかってるんだけど!!でも萌え要素をいっぱいつめこんだから熱く高ぶるパッションがあるの!! だって水晶玉梧桐さんと囲われ半屋のコミュニケーションとれない状況下での関係(半屋自身は自分の片思いだと思っているのを希望)とか! 無言の梧桐さんの瞳に敗北感を感じる八樹とか! 普通の設定じゃできないんだもん!! ……こういう大作系は思いついた時の熱に浮かされて、まわりが見えずにつっぱしってしまう傾向にあるんでしょう。なんか自分のパッションがすごいから、あとさき考えずに突っ走っていけるんだよなー(今の私がまさにそうだ(笑))。 そのパッションが読んでいる人々をも巻き込めればナイスなヘボンになりますね。巻き込めなくて冷静になられたら失敗へぼん(笑)。
SF ―――なんでこのジャンルにヘボンが多いのか、自分でプロット考えてわかりました…。で、そのネタ。本当のSFはプロットで書くとそのネタを二度と書けなくなるのでFSSネタでSF風味のを。
八樹は壊れファティマ。ファティマの宿命「マスター探し」をすることができない上に、人間になりたくて人間になりすましています。(あ、わからない方はファティマというのは人間型生物コンピューターで、普通マスターというのとセットで行動し、戦闘時はコンピュータの役目をする&時々は「お人形」としての役にも立つものだと思ってください)
一方半屋は姉がファティマに走って以来のファティマ嫌いで、ついでに宿敵梧桐を「一人で」倒すためにファティマを拒否しています。 もちろん八樹の目的も打倒梧桐。なので、八樹&半屋のコンビは仕方なく二人で旅をするようになります。 いや、ここまででもうすらへぼんなんだけど、別にどうってことはないですね? でもSFがへぼくなるのは素材の使い方だと思います。たとえばこのネタだとやおいにまったく必然性がないわけですが、そこはSF。いくらでも壮大な必然性が作れるのです(笑) たとえば八樹が受けなら話は簡単。もとの設定が受け攻め両用生物兵器(ひどいくくり方だ…)なので、なんの必然性もいりません。心おきなくやおいをどうぞです(笑) いや、せっかくのSFやおいなんだから、八樹になんだかすばらしい機能がついててくれたり、騎士のはそんじょそこらの女ではダメで、ファティマじゃないとつきあいきれないとか、いろいろ! …ほら。 うっかり筆がすべって壮大な話(この場合壮大なやおい(笑))にしちゃっても受け止めてくれちゃうんだよSFって!で、どこまでがセーフの範囲なのか、書いていると気づかないんだよ! ちなみに私の元の発想だと生物兵器八樹が攻めなので、さらにムリが大きくなります。 自分の欲望では動くことができないように統制されている(たぶん、FSSの設定ではそうなのでは? ここは変えたくない)ファティマ八樹。それが攻めでかつ半屋が誘いでないとします(相手に欲望がない状態で人形を誘ったら大問題だよ(笑))。 さて。この状況下でまっさきに考えついたのは「八樹は人間になりたいので、自分のそっち系の統制機構を自らぶちこわす。そしてそのときたまたまそばにいた半屋が被害に遭う」という方法でした(笑) 問題は、こんなへっぽこな発想でもOKな気がするとこだよ。SFだとこれでいけるような気がするんだよ。なまじどんな発想でも受け入れてくれちゃうから、それ以外を考えるのがめんどくさくなって、どんどん壮大&へっぽこになっていくんだSFは!! で。ネタが普通でも、問題の解決策が安易に考えられるとこがSFのヘボン化の原因ではないか、と思ったのでした。あ、もちろんパロでSFを使う場合ね。本物のSFは全く話が別です。 たとえば、SF設定で金持ちを考えてみましょう。うっかりすると星の二三個もっててあたりまえ!って発想になっちゃいますね。SF設定で「リーダー」だったら宇宙連合の支配者ぐらい行きますね(ちなみにさっきのFSSネタでも当然梧桐さんは宇宙の支配者(ただし実はファティマ。ユーパンドラ設定ですね。というよりいっそポセイダル(笑))。 でもそこは脳ミソ爆発させて、素直に壮大な設定にしてくれたほうが私は好みです。だってどうせSF読むんならそこまで読みたい。 宇宙一のスーパーアイドルで、どんな田舎の星(←笑)の片隅でも広告のホログラム(←笑)が立ってる攻めと普通の受けとかでも、つっぱしる熱いパッションがあれば私は読むね!!
そういえば、へぼん系の話はこうやって筋だけ考えると、どうしても「(笑)」をつけたくなりますが、実際読むときに「(笑)」な気になることってあんまないですよねー。文章が下手ならともかく。
さて、今回あげた二つのジャンルは「妄想を制御する機能をもっていない」というところが共通点かと思います。たとえば例として出したネタはどっちだってエロに走ろうと思えば果てしないところまで行けるもんな(大笑) 壮大な政治ネタにしようと思っても、どこまでもドラマティックな設定が作れちゃうし。だからこのようなジャンルは「冷静につっこみを入れられたらこまる」ような話(へぼん)になりがちですが、でもパッションさえあれば!!
あまりにも長くなりすぎたのでとりあえずここで切りますが、当然まだまだ続きます。 あと、明稜の匿名掲示板明稜ちゃんねるさんの方にこのネタに関連したスレッドを立てさせてもらいました。匿名だったら語れるマイへぼんネタなんかを語ってくれると、今後のこの企画の栄養になりますので、ぜひご参加をお願いします。いや、うちの掲示板に書き込んでくれてももちろんいいんですが、匿名で大人数で語り合った方がおもしろそうだから(笑)
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