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ONE〜輝く季節へ〜
考察編

これ以下はねたばれがふくまれます。

このゲームは一見するとToHeartの亜種のゲームの印象がありますが実質の所は相当違っていると思われます。
言うなればToHeartがあくまでただの学園を舞台にした、お気楽なアドベンチャーゲームであるとするならば、
ONEの方はかなり思想がかった部分があり、ただの恋愛ゲームではなく、どうしようもない恐れとの戦いが描かれている、
ゲームというには少しもったいないような部分が含まれているように感じられます。
また、ゲームの「重さ」は登場する女の子からも見て取ることができます。
つまり、「目の見えなくなった少女」や「口の利けない少女」、「こころを閉ざした?少女」といった普通のゲームでは登場することは考えられないような女の子たちが登場しており、さらにそれぞれがちゃんとした設定(=ストーリー)を持っています。
また、このゲームはただプレーするだけでは非常にわかりづらい部分、言い換えれば、シナリオに説明不足な部分があります。
それがこのゲームの設定での本質的な物に関わってきています。
そこで、プレーした印象から、多分こうではないかということについて、勝手に推論していきます。
当然ですが、実際にそうだということはできませんのでこんな意見もあるのかと思って読んでください。(^^;;

まず、プレイヤーが体験するゲーム場面は主人公にとっての過去の出来事、つまり、
世界から消えてしまう前の4ヶ月間の出来事についてであると思われます。

つまり、ゲーム中出てくる訳の分からない同区泊の場面こそがおそらく現実に主人公がいる時間の実際の話なんでしょう。
そう考えないと、ゲームでの時間設定はよくわからない物となってしまいます。

では、いったい消滅してしまった世界とはなんなのか、どうしてあのような世界に主人公はいってしまったのかというと、
おそらく主人公は妹が死んでしまったとき、
その悲しみから逃れるためにこころで助けを求めていたのではないかと思います。
そして、ちょうどそのとき移っていった先の町に住んでいた少女、すなわち、
長森瑞佳にその助けを求める物を見つけだそうとしてしまったのではないかと思います。
その結果として、彼女に妹の影を映し、長森瑞かに似て非なる存在「みずか「という少女を作りましてしまったのではないかと思いました。
そして、その「みずか」に対して、もう妹との別れのような悲しみは追わなくてすむように
「永遠」の約束をすることでこころの空虚さを満たしたのだと思います。
このことにより日常に対して生活を送れるようになっていった、主人公はそのまま高校2年生を迎えていったと考えられます。

しかし、高校2年の冬、つまり、ゲームでプレイヤーがプレーする時期になったとき、彼の心境に変化が起こっていったと思われます。
つまり、それは恋をすることです。このことはおそらく大事な人について思い出すきっかけを主人公に与えてしまったのだと言えましょう。
このことは、現在の主人公にとっての土台とも言える「みずか」との約束もおもいださせていったのではないでしょうか?
そしてまた、大事な人との日時は永遠ではなかったことも・・・

このときおそらく主人公の深層心理は二つに割れていってしまったと思います。
そして、かつての悲しみに対する恐れが無意識のうちに強くなってしまい結果
として主人公は消滅への道、すなわち滅びへと向かっていってしまったのではないかと考えられます。
これはシナリオによっては主人公の意志によっては消滅の日時を
多少なりとも遅らせることができていることから、心の中での葛藤を連想させます。

そして、なぜ、一年後に戻ってこれたかについては、一年間の消滅期間は、どうやら自然との一体化であったように考えられます。
つまり、肉体の滅びとはすなわち自然との一体化につながりこのことは、
空気のような存在となることで、これにより永遠を手にしていたと思われます。
しかし、その期間中主人公は永遠の空虚さを感じていったのではないでしょうか?
ただあるだけの時間、永遠という牢獄に対してのむなしさへ。
それにより、滅びへの4ヶ月(つまりゲームでのプレー期間)の充実さに気づいていったのではないかと思います。
さらにそのことは1年間の穴居宇一通りの期間が終わりその後はその繰り返しだけ
ということに対しての幻滅を強くしていったのではないかと思います。
この両者が相まって、「永遠」を約束した自分を否定していくことでもとの世界へと戻っていったのだと考えます。

ひとまず終わり