前回公演『Deep Blue』に続いて2回目のMOTHERでした。
最後列でしたが、前回は近鉄劇場で後ろの方だったので、
それに比べたら俳優の顔はなんとか見ることができました。
最初のシーンは売れっ子脚本家がパーティーの挨拶のときに
いきなり倒れるところから始まる。正気に戻った彼は記憶喪失に陥っていた。
そもそもそのパーティーというのが書き上げたドラマの放送が幸先がよかったのを祝うものだったから、さぁ大変。
プロデューサーたちはなんとか続きを書かそうと病院の中にまで入り込んで奮闘する。
そのやり方が非常識のレベルまで行ってるのだが、プロデューサー以外にも麻薬づけの役者とか、
三重四重の不倫関係があったりと脚本家の方も一筋縄ではいかない人物だった設定のようである。
いったん無垢な心を取り戻した彼はだんだん鬱気味の様相を呈していってしまう。
ところで、今回の見所はタイトル通り病院である。主人公が入院している病棟は精神科で、
まわりの患者もとてもくせの強いものばかりなのだ。
あらゆる精神病にかかっている者、極度の緊張で体が固まってしまう者、
絶対にホントのことが言えない者。このあたりのシナリオの妙はさすがだった。
さて、脚本の締切が迫ってきて、ついに追いつめられる主人公。
しかしまったくできない脚本。
脚本家の妻への愛情というようなほかのシーンとはアンバランスとも思える演出もあり、
物語の最終局面が近づいてくる。
最後に一気に解明される謎。主人公はなぜパーティーで倒れるほどの心労を負っていたのか。
女優から人殺し呼ばわりされて強請られなければならなかったのか?
MOTHERだけに踊りが入っているのがご愛敬。でも場面展開などに効果的に使われており
ただ踊りたいというだけではないところはさすがです。
また、ますもとさん扮するホントのことが言えない男が常にワンポイントになっており
飽きさせませんでした。
劇中の芸能界の側の人間を悪ととらえるなら、
精神病患者は善といったところで、脚本家はその間をさ迷う存在。
最初は毛嫌い気味だった患者たちと最後は心をかわしていました。
捻じ曲がった現代の中で、
人間でいられる空間は病院の中だったという皮肉を孕んでいたのだと思います。
最後のどんでん返しは予想はしていたものの、適度に想像をうわまっていて、
観劇後はとてもすがすがしい感じがしました。
MOTHERはつい観たくなる劇団のように思います。
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