観劇感想 '99 第1期






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評価について
☆☆☆☆☆ −−− 大満足です。その日の気分とも見事にマッチしたときに出ます。
☆☆☆☆ −−−かなり気に入ったときに出ます。胸張って友達にすすめられるレベル。
☆☆☆☆☆ −−−まぁ、及第点。それなりに満足したときに出ます。
☆☆☆☆☆ −−−普通という評価を選ぶのは嫌いなんで、不満があったらすぐ出します。
☆☆☆☆ −−−かなり不満なときに出ます。フィーリングが合わなかったら致し方ないですよね。

満遊戯賊 #10 『蓮のうてな』
期間 1999年3月16日(金)〜18日(日)
1999年5月1日(土)2日(日)
会場 HEP HALL
新宿シアターモリエール
脚本 遠藤麻子
構成・演出 表雄一郎
出演 桑原ミキヨ 山元隆弘 内海直人 愛飢男 阿部遼子 大久保勝巳 晴田海 へんみ 徳永健治
酒井竜ノ介 岡部晃明 後藤佳恵 未来来シゲル 大木成子 原田美保子 こにゃごたけし
不惑優 野村ますみ 福島崇史 梅田繭子 中野涼子
観劇日 3月27日(土)M
5月2日(日)M
座席 3列目中央辺り
2列目上手寄り
客席 ほぼ満席
8分入り
チケット 両日共、当日精算2500円
 蓮のうてなとは極楽浄土に往生したものが座るという蓮の花の座のことであるそうです。

 舞台上はスクリーンとなっている幕があり、その向こうは畳敷きの部屋。舞台左側には障子戸、右も障子ではないけれど扉になってました。
 また幕は随時あがり、畳敷きの部屋も使っての奥行きのある舞台が演出されていました。

 シナリオは忠臣蔵の裏話。堀部安兵衛の周りに集う人々にスポットをあて、史実には残らないような悲しい人間模様が綴られる。(すなわちフィクションだと思われますのでそのつもりで)

 少英(岡部)と阿鈴(桑原)は幼なじみ。体の弱い少英、男勝りの阿鈴。お互いに異性であることに気付き出す年頃にさしかかった二人なのだが、やがてはなればなれになってしまう。

 数年後、少英が赤穂藩へ仕えていたという情報をもとに、江戸へ出てきた阿鈴。取り潰された赤穂家の浪人は江戸にも潜伏してるというが、なかなか巡り合うことはできない。
 しかし、阿鈴はひょんなことから赤穂とかかわりのある町人仲児(山元)と知り合う。仲児の育ての親は堀部安兵衛(内海)だった。
 堀部の側に集う浪士の橋田(愛)、平良(へんみ)、矢助(不惑)らと共に定食屋に居候させてもらう阿鈴。ここでしばらく赤穂浪士達に話の焦点は移る。

 今回の話は忠臣蔵を伏線にして複雑に絡み合う人間模様に焦点が置かれている。阿鈴と少英以外にも、堀部と定食屋の女将のお光も好き合っている者同志。二人とも世話好きゆえに自分本位で生きられない悲しい性を背負っている。
 また橋田と仲児の妹盈盈(後藤)も相思相愛の仲である。しかし橋田が赤穂浪士を抜けるほどに募らせた思いも、堀部を襲った刺客と刺し違え、盈盈も後を追って自害してしまう。
 そして、さつきを巡る平良、矢助の3角関係。討ち入りにどちらかというと後ろ向きだった平良を駆り立てたのは、さつきの心が矢助に向かっていたことも大きかったろう。

 また、人間関係を複雑にしているのは恋慕だけではない。仲児と盈盈の生き別れた姉・お園はくの一となっていた。吉良上野介の息子が藩主である上杉家のである。しかし、こちらのお家事情がまた複雑で、上杉の忠臣色部は吉良とは縁を切りたがっている様子。感情を捨てたはずのお園も事態の急展開につい表情をとり戻すシーンは微笑ましかった。

 中盤のほんわかしたムードから一転、討ち入りを前にシーンは一気に緊張間を増して行き、舞台は吉良邸へ移る。幕府にとって目の上のたんこぶである上杉家の改易のきっかけとして多いに利用できる吉良を赤穂に討たせまいと幕府の佞姦、柳沢吉保が吉良邸へ差し向けたのは、なんと少英だった。

 ついに討ち入りの日がやってくる。陸続と集まってくる浪士たち。直前に吉良邸へ拉致され暴行を受けた矢助は無念にも討ち入りに参加できない。
 定食屋で暗澹たる気持ちでいるのは阿鈴と仲児。ついに我慢しきれなくなり、浪士たちの後を追ってしまう。さて吉良邸に待ち受けていた皮肉な再会はいかに・・・。

 2時間半という長い芝居だったのですが、テンポがよく特に長さを感じませんでした。大阪の公演のときも十分おもしろかったのですが、東京ではさらにパワーアップしていて、スムーズに展開してるという印象でした。
 切ないシーンが多かったのですが、観劇後はなぜかすっきりしているのがいいです。BGMも時代ものということにこだわらずポップ調なものが多かったことも、とてもいい演出になっていたと思います。
 それから登場人物が多く、まとまりきってない部分もあって、ひとり何役かやってたのがわかってしまったこともあったのですが、ご愛敬のレベル。それほど気になるようなことはありませんでした。
 忠臣蔵アナザーワールドとでも名付けたいような内容です。忠臣蔵を元にしてはいますが、ダブらせてみるのではなく、また別個の話として十分に成立してると思います。
 阿鈴とか少英とか盈盈とかどこか異国の香りがする名前をつけたのももしかしたらそういう狙いがあったのでしょうか?

 気に入ってしまって2回観たのですが、内容が錆付かないのがよかったです。そういう点も踏まえて評価は星5つですが、星5つの評価は次はもっとレベル高いのをお願いしますというプレッシャーでもあるのです。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆☆
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OMSプロデュース #4 『ここからは遠い国』
期間 1999年3月18日(木)〜22日(月)
1999年3月26日(金)〜30日(火)
1999年4月3(土)、4日(日)
会場 扇町ミュージアムスクエア
俳優座劇場
愛知県芸術劇場小ホール
岩崎正裕(199Q太陽族)
演出 内藤裕敬(南河内万歳一座)
出演 松本キック(大川興業) 木之内頼仁 佳梯かこ(プロジェクト・ナビ) 荒谷清水(南河内万歳一座)
重定礼子(南河内万歳一座) 井上三奈子(ププラ・モーチカ) 一色忍(劇団ジャブジャブサーキット)
内野智 青空まるこ(つつじ満開座) 渡辺神奈子 太野垣諭 大西智子 久保内亜紀 青山麻紀
前田晃男(南河内万歳一座) 松苗伸彦(南河内万歳一座) 安宅慶太(南河内万歳一座)
観劇日 3月22日(月)M 座席 4列目下手側 客席 満席 チケット 当日3800円
 舞台の上は軽トラックが1台。これが場面の中で大きな役割をになっていました。
 ともすればただの障害物なのですが、舞台全体がターンテーブルになっていて、 効果的な演出がなされていたのは圧巻でした。

 内容については場面がとびとびで、それぞれのつながりがちぐはぐしていたというのが第一印象でした。
 最初の山の中で車がエンジントラブルを起こしてしまった場面。
 教団を出て家へ逃げ帰ってきての場面。
 教団に2人だけ残った場面。

 それぞれの場面がイマイチわたしの中では消化しきれず、 とらえどころのない芝居と感じてしまったのですが、ちらしの次のひとことで納得がいきました。
結局世界は終わらなかった
・・・このまま漂っていくしかないんだ。

 信者A、信者Bのふたりは多くの信者の象徴であったのだと思います。

 結局どこでどう感じるか人はそれぞれ違うのですが、 共通する面も持ち合わせていたり、ひとりの人でもいろいろな人格を持っていたりする。
 人を憎むのも人間なら、人を愛するのも人間。
 それは暗転のセリフにも凝縮されていたと思います。
 家族、人間、果ては人類といろいろ考えることのできる作品でした。

 今あらためて内容を振り返ってみると、もう一度観てみたいと感じています。
 きちんと観る心の準備をしたあとで。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆ 
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劇団赤鬼 『スパイマイフレンド』
期間 1999年3月19日(木)〜22(月)、26(金)〜28日(日) 会場 神戸アートビレッジセンター
作・演出 吉村シュークリーム
出演 山口貴史 小野弓 川浪ナミヲ みききさを 竹内晶子 中澤公大 宮地亜也 土性正照
吉田英子 河野智胤 市川晃次 下村和寿 山口弘美 田村六助 あすりーと・けい 吉村シュークリーム
高須浩明(化石オートバイ) 縄飛ぴょん(化石オートバイ) 平林之英(劇団☆世界一団) 赤星正徳
観劇日 3月21日(月)M 座席 3列目中央 客席 満席 チケット 招待券
 ひとりのスパイ。忠実な帝国のしもべだった青年が、心温かい人々の村を訪れ感化されていく。
 中でも無邪気な少年の心に触れ、冷酷なだけだった今までの自分に気づいてしまった彼は ついに帝国を裏切るかどうか迷い出す。
 結局今までの自分を否定しきれずにこの村への進軍のラッパを奏でてしまうのだが、彼がその後どうしたのか・・・。

 まず、最初に帝国軍の基地から舞台は始まりました。ひとりの裏切り者を撃ち殺すシーン。 オープニングは銃を持った帝国軍のダンス、MOTHERのようでかっこよかったと思います。

 やがて舞台はうつり、諜報活動を続ける主人公。村では平和な軍人学校、まるでお遊びのような 訓練に明け暮れている。おまけに隊員は上官の娘を巡り争っているというような設定でした。
 途中、夢の中のシーンなど、かなり笑えたのだけれど、この辺はちょっと間延びしてたように思います。 後半のつなぎとしてはいらないところが多いように感じました。

 そして、最後のシーンもやや長かったです。見せ場をたっぷり作りたかったのもわかるんですが、 シナリオの先が見えてしまうんです。感動する前によめてしまう。
 あとひとシーン、カットしてつなぎを考えてもらえれば間違いなく泣けたんではないかと思います。

 それに終わり方もやや安易。あれでは救いがないような気がします。 もっと村の人は救われたんだというような終わり方を期待してしまいました。
 でなけりゃ、いっそのこともう究極に救いのない終わり方とか。

 きついことを書いてしまいましたが、全体的にレベルは高いです。 セリフもききやすかったし、間延びを感じたということはそれだけテンポのいいところが よすぎたんではないかと思いました。

 言ってることがちぐはぐしてしまいますが、わかりやすいってのは大事な要素であるとも 思うんですよね。必要なことは適度にこちらの予想を覆すこと。
 観客ってわがままなもんですから。

 でも、これだけ言いたいことのある劇団赤鬼は観ておいて損はしないと思います。
 観た人みんな楽しむことのできる劇団であることは間違いありません。
評者:はるお 評価:☆☆☆  
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近松劇場 #13 『近松ゴシップ』
期間 1999年3月4日(木)〜7日(日) 会場 メイシアター吹田市文化会館小ホール
作・演出 土田英生
原作 近松門左衛門『冥土の飛脚』
出演 久保田浩(遊気舎) 森下じんせい エディ・B・アッチャマン(ガバメント・オブ・ドッグズ) 水沼健(MONO)
一色正春(MONO) 尾方宣久(MONO) 金替康博(MONO) わかぎえふ(リリパット・アーミー)
牧野エミ(MOTHER) 西野千雅子(MONO) 増田記子(MONO)
観劇日 3月7日(日)M 座席 4列目下手 客席 9分入り チケット 全席指定、前売3000円
 初のメイシアター小ホール。最初に思ってたよりもほんと小さい。その割りには満員でなかったのが不思議です。 このキャストなら十分埋まるはずだと思うんですけど、雨の影響だったんでしょうか?

 舞台上はどこかの待合室、奥にはジュースの自販機がひとつ。
 どうやら舞台は田舎にある診療所で、恋多かった診療所の主が危篤状態におちいり、 ほとんど顔も合わせたことのない兄弟姉妹たちが一堂に会するという設定。
 遺産に目を光らせる者、いまさら親父面されて迷惑がる者、兄弟が存在したという事実に素直に喜ぶ者、 事態を傍観する配偶者たち。それぞれの感情は悲喜こもごも。
 結局、診療所の主は死ぬが、残されたのは借金だけで、それらを相続した兄弟たち。血縁はあるものの、今までほとんど無縁だった者たちが、 金銭関係で結ばれるという皮肉な結末になる。

 キャスト、作・演出からもわかるとおりMONOでした。でも、完全にMONOかというとそうでもなく、 客演の人たちが違和感なく調和してる感じで、なかなかよかったと思います。
 羽曳野の伊藤でない久保田さんも観れましたし、牧野エミさんのかわいさを発見したし、 わかぎえふさんはそのまんまかな・・・。  ともかく細かい表情までわかる距離で観れました。4列目で無理なく全体を見渡せたのもよかったです。

 ただ、最後の終わり方がきれいなまま終わってしまってもよかったんではないかと思います。
 女を捨てる男という宿命から血は争えないということを表現したかったのか、 ハッピーエンドにすると安っぽくなってしまうと思ったからか、 理由はわからないけれど、そこだけがふに落ちないところでした。
 近松作品をもっと知ってると楽しみ方も変わってくるのかもしれません。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆ 
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劇団☆世界一団 『ハワイの結婚式』
期間 1999年3月1日(月)〜3月3日(水) 会場 HEP HALL
作・演出 ウォーリー木下
出演 平林之英 希ノボリコ 年清由香 吉岡晶子 村田淳志
島田敦子 安元美帆子 椎原小百合 東善仁
宇田尚純(惑星ピスタチオ) 菊池秀之(劇創ト社) 工藤丈徳(劇創ト社)
観劇日 3月2日(火)S 座席 一列目上手寄り 客席 ほぼ満席 チケット 当日精算2300円
 ハワイの結婚式、再演とのことでしたが、初演を観てないわたしにはとても新鮮でした。 一部書き換えもあったとのこと、初回観てる人でも楽しめる内容だったようです。

 内容は島国同志協力して生き残って行こうと、ハワイのカラカウア大王が日本の山階宮定麿に王女を ひきあわそうとした話が元になっている。話の前半部分は政略結婚を二人ともお遊び半分にとらえているのだが、 だんだん本当に好きになってきて、しかし、日本からは天皇が井上馨をつれて結婚をぶち壊しに来る。
 麻薬のバイヤーやトムソーヤの作者マークトウェインもからんだり、 カラカウア大王が西郷隆盛に間違えられたりでしっちゃかめっちゃかになったあげく、最後は・・・。

 今回の注目はひとり何役にも扮する年清由香さん。 その存在は隠れた主役といった感じでした。(オウムとしての声の出演がなかなか)
 それから希ノボリコさん。前回の動物園での鳥の役もよかったのですが、 今回のカイウラニ王女の役もはまりでした。一見すると、アホな女の子にも見えるのですが、 どこか悲しさを内包しているような印象は切なくなりました。

 それから今回の一番の見せ場、山上の結婚式のシーンは全体をとてもきれいにしめくくっていました。
 安っぽい終わり方だったら、バカ騒ぎになりかねないところを しっかりまとめてたと思います。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆ 
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売込隊ビーム 『トバスアタマ』
期間 1999年2月28日(日)、3月1日(月) 会場 扇町ミュージアムスクエア
横山拓也
演出 宮都謹次
出演 太田清伸 梅本真里恵 山田かつろう 三谷恭子 宮都謹次 朝光亮 小山茜
観劇日 2月28日(日)M 座席 正面一列目中央 客席 9分入り チケット 1000円
 98年9月にやったトバスアタマの再演で、観劇暦の浅いわたしは初の初演、再演ダブル観劇でした。

 まず、舞台は真ん中にちゃぶ台が置いてあり、奥に一段高いステージがあるというもの。 3方向に客席があり、どのアングルから観るか迷うところでした。
 結局正面の1列目で落ち着きましたが、ステージの中のいろいろなところで演技していたので、 横から見ても別の楽しみ方ができると思いました。

 またもっと大幅に演出が変わるのを期待していたのですが、ほぼ初演通り。 初演ですでに完成された筋書きだったので、手を加えるのは難しいといえば難しいかもしれません。

 どちらかというと今回より初演の方がおもしろかったと思うのですが、 それは山田かつろうさん演じる先生のキャラのインパクトが今回はイマイチ弱かったように感じたことも原因のひとつです。 もっと元気な先生を期待していたのですが、ちょっと空回り気味に感じました。 とても好きなキャラなんでまた次に期待したいです。
 ちなみに前回の公演の『ワナナワ』の先生のアホさ加減はトバスアタマより好きでした。

 次の公演を4月に予定していて、いきなりの再演は厳しかったかもしれませんが、 売込隊ビームにはもっとどこかで驚かしてほしいです。
 満足度的には☆4つなのですが、好きなところなだけに辛目の評価で☆は3つです。
評者:はるお 評価:☆☆☆  
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劇団衛星 『Candle』
期間 1999年2月18日(木)〜21日(日) 会場 アトリエ劇研
作・演出 蓮行
出演 チャック・O・ディーン 岡嶋秀昭 真野絵里 モジャリーノひげ麿
黒木陽子 岡本タダシ 蓮行
観劇日 2月20日(土)S 座席 4列目上手側 客席 ほぼ満席 チケット 前売1200円
 まずははじめて行ったアトリエ劇研についてですが、まさに小屋。 アトリエという名前がぴったりくるところでした。

 舞台場はカウンターと椅子がひとつ。ほとんど何もないという印象。
 舞台の使い方が広がるのでわたしは好きなタイプです。初見でしたが、最初から好印象でした。

 もう、ずっとテンションが高い。最初からとばしまくってどこでテンション切れるのかと思ってたら、 最後の最後までずーっとそのままのテンションでした。それこそ、こちらが大丈夫かと不安になるくらい。

 ふた月に1度くらいの割合で公演してる劇団なのに、密度は濃いです。よくあれだけに仕上げられるものだと思いました。
 小道具・大道具をあまり使わない分、演出で工夫してたりと、そういうところにもとても興味深く観れました。

 シナリオもきちっと仕上がってる。かなりごまかされてるんでしょうが、無理な感じがしませんでした。
 しかも、これで1200円。これはとんでもない劇団があったもんだ。今後は必見です。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆☆
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MOTHERLESS CHILDREN #1 『リバウンド』
期間 1999年2月9日(火)〜13日(土)
1999年2月16日(火)〜20日(土)
会場 シアターVアカサカ(東京)
HEP HALL(大阪)
桝野幸宏
演出
出演 宮吉康夫(MOTHER) 野田晋市(リリパット・アーミー) 高木稟(転球劇場) 松永玲子(ナイロン100℃)
阿川領一(MOTHER) 宮村陽子(MOTHER) 河居綾子(MOTHER) 鈴木隆(MOTHER)
観劇日 2月20日(日)M 座席 5列目上手 客席 ほぼ満席 チケット 前売2800円
 舞台上は机が三つ。どうやら事務所のような感じである。

 場面は空港の忘れ物係。そこで忘れ物の中から時限爆弾が見つかるという事件が起こる。 普段のほほんとしてる部署での珍騒動を描いたストーリーだった。

 登場人物はマイペースな女記者の関屋(松永)、普段はしまりのない課長(宮吉)など。 事件をめぐってそれぞれのキャラクターの真の部分が見え隠れする。

 前半しばらくは忘れ物係の説明が続く、キャラクターも徐々に登場していき、伏線が出来上がっていく。 しかし、忘れ物の中から時限爆弾が見つかったあたりから、いっきにテンションが高まり、 やや強引すぎと思えるような展開を呈して、最後まで突っ走っていく。

 結局最後は大団円を迎え、めでたしめでたしで終わるのだが、 今回訴えたかったテーマはなんだったのだろうか?
 それぞれのキャラクターに焦点を置くのは悪いことではないが、全員に同じくらいの見せ場を作る必要はなかったと思う。 全員が主役のような扱いになっており、主題がぼやけてしまったのではないかという気がした。

 全体としては笑いもあり、そこそこ楽しめる内容でしたが、消化不良になったような印象から☆ふたつです。
評者:はるお 評価:☆☆   
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西へ行く 『番長、西へ行く』
期間 1999年2月12日(金)〜14日(日) 会場 扇町ミュージアムスクエア
藤本有紀
演出 山崎総司
出演 池田幸巨(スクエア) 井之上チャル(立身出世劇場) 入谷啓介(リリパットアーミー)
上別府薫(立身出世劇場) 江本敏子 岡田朋也(かっぱのくるくるオンパレード)
奥田義人(MOTHER) 坂口修一(T∀NT RYTHM) 中村なる美(劇団☆新感線)
藤田育子(鉛乃文檎) ますもとたくや(MOTHER) 山本禎顕(立身出世劇場)
観劇日 2月13日(土)S 座席 1列目下手 客席 9分入り チケット 前売2300円
 若手の元気どころがいっぱい、かなり意気込んで観に行った公演でした。

 場面は地元の高校の番長のトップを決める会議。しかし、実際の番長は形だけのやつばかり。 自分をしっかり持ってる男はひとりもいなく、ついに会議を企画した女の子に実権を奪われてしまう。
 そして、最後の落ちは番長の子供を身ごもってしまった女の子(会議の議長でもある)が、 父親が誰かわからずに産んでしまい、それを受けて突然番長たちが意気込み出すというもの。
 それまでなよなよしてた男達が突然かっこよくなる様はどこか空々しい感じがした。

 下手に現代社会の抱える問題提起などをしようと思わず、もっと役者の元気なところを見せてほしかったと思う。 これだけ動ける人がそろってるのに、盛り上がるところ、抑えるところのメリハリがきいていなかったという印象が残ってしまった。

 しかし、役者個人としては結構気に入った人が多かったように思います。
 まずは坂口さん。まだまだつっぱしって行くところを観てみたいです。
 それから鉛乃文檎の藤田さんのキャラはおもしろかった。まだこの劇団の本公演は観たことないので次は観てみたいと感じました。
 あと、落ち着いていたのがますもとさん。しかし、そんなますもとさんを吹かせた藤田さんは偉大ですね。
評者:はるお 評価:☆☆   
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惑星ピスタチオ 『ショートカッツvol.1』
期間 1999年2月7日(日)〜14日(日) 会場 HEP HALL
構成・演出 西田シャトナー
出演 腹筋善之介 保村大和 宇田尚純 福岡ゆみこ 末満健一 西田シャトナー
年清由香(劇団★世界一団) 希ノボリコ(劇団★世界一団) 高須浩明(化石オートバイ)
松下安良(南河内万歳一座)
観劇日 2月13日(土)M 座席 1列目最下手 客席 満席 チケット 当日券3000円
 前回のナイフ流してたので、佐々木さん、ミラノさんの抜けてからのピスタチオは今回初見でした。

 内容はオムニバス形式で、65分の「小林少年とピストル」を軸に予告編、ショートストーリーなど全部で2時間半くらい。
 各ショートコーナーもなかなか楽しめるものばかりで、盛りだくさんでした。

 またHEP HALLというピスタチオにしては狭すぎるとも思える空間だったので、もう迫力抜群。
 今回特に気に入ったのが"Believe"の予告編で、その迫ってくる感じといったら、言葉では説明できません。

 それから、今回はサービス公演という感じで、西田シャトナーさんも出演してました。 わたしの観た回では、ベルトもはじける演技ぶり。でもなんで、あれだけの動きでベルトが切れたんだろう。

 静かな演劇もいいですが、ピスタチオの動きのある演劇はこれからも見続けていきたいな。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆ 
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劇団M.O.P. #33 『最初の嘘と最後の秘密』
期間 1999年2月10日(水)〜2月14日(日)
1999年2月26日(水)〜3月3日(日)
会場 近鉄小劇場
シアターサンモール
作・演出 マキノノゾミ
出演 キムラ緑子 三上市朗 小市慢太郎 林英世 酒井高陽 木下政治
奥田達士 勝平ともこ 白土三保 岡村宏懇 友久航 長尾譲二
塩野マユミ 長滝元太郎 林宏二 竹山あけ美 塩釜明子 岡森諦(扉座)
観劇日 2月12日(金)S 座席 8列目下手 客席 満席 チケット 前売4000円
 M.O.P.の今回のお題は「本格ミステリー・コメディー」。笑いあり、シリアスあり、しかも本格派これはなかなか期待がもてると思いました。

 舞台場は西洋風の家具をあしらったセット。ホテルの一室である。
 ストーリーは若くして散った映画監督・楠田健司の謎の死をめぐり、 健司の実弟・英彦(小市)、楠田の元恋人で女優のひびき(キムラ)、ひびきのプロダクション社長・尾形(三上)、健司の後輩で現在はTVのディレクターの佐々木(岡森)らによって展開していく。
 健司の死は自殺、他殺どちらなのか。また当時がんをわずらっていた健司がなぜわざわざ死期を早めねばならなかったのか、謎は深まっていく。

 前半1時間ほどは、登場人物の性格付けがなされる。ひびきはわがままな女優、まわりにはおべっかを使う人間ばかり。
 そのうち過去の事件のことへと話は流れていく。
 後半、急展開し、最後にはどんでん返しが・・・。

 感想としては、前半はやや間延びしてます。このままいくと刑事コロンボを安っぽくしたものにでもなってしまうのかとちょっとハラハラしました。
 しかし、後半が見物。やはりシナリオは練られてたんですね。みんな自分の矛盾に気付きながらも、どうしようもないしがらみにもだえている。 そのしがらみから抜け出せる人、よりはまっていく人。さて誰がどっちなんでしょう。それは観てのお楽しみということで。

 役者としては、三上さんが思ってたよりまともなキャラでした。これはちょっと残念。
 あと個人的な好みですが、勝平さんの見せ場もあまりなかった。
 今回気に入ったキャラは岡村宏懇さん演じる琵琶法師?のユウ・アシダですね。あれは卑怯系のキャラです。「自然がぼくを呼んでいる」にはひとり爆笑でした。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆ 
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うべんの会 #3 『オーブン』
期間 1999年1月29日(金)〜31日(日)
1999年2月12日(金)〜14日(日)
会場 カラビンカ(大阪)
下北沢OFF・OFFシアター(東京)
作・演出・出演 うべん 工藤まき 藤野明子
観劇日 1月31日(日)M 座席 上手板敷 客席 9分入り チケット いるかHOTEL共通チケット3800円
 カラビンカでの観劇は2度目だったけれど、どうもこの狭さには懐かしさを感じます。 長時間の芝居は苦しいけれど、たまにふらっと観にきたくなる小屋だと思いました。

 芝居の内容は、おばあちゃんのオーブンを遺言に従い、北海道の熊に返す話。
途中、海の中を歩くシーンやウクレレでジョビジョバを歌うシーンなど、 楽しんで芝居をやっているのが伝わってきた。

 普段の生活にひとときの休息を与えてくれるような内容だったけれど、 個人的なトークが入り、出演者に対しての予備知識がないと、観られないと思う。 そういう風に対象をしぼったのがねらいであるのなら、何も言えないけれど、 そうでないのなら、ちょっと間延びしてしまう内容が多いと感じた。

 そのあたりをきつめに見ての評価で、星は2つです。
評者:はるお 評価:☆☆   
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化石オートバイ #1 『地球最後の夜』
期間 1999年1月22日(金)〜24日(日) 会場 扇町ミュージアムスクエア
作・演出 山浦徹
出演 高須浩明 縄飛ぴょん 山浦徹 銀河哲朗
観劇日 1月24日(日)S 座席 上手2列目 客席 満席 チケット 招待券
 舞台上は無味乾燥なセット。あるのは一段高くなった台が2つと砂場、それに貧弱なジャングルジムのようなオブジェがいくつかだけ。 シンプルな作りは動きのある舞台を予感させます。

 最初のシーンはホームレス風の男と宇宙人。ホームレス風の男はおちぶれ作家の高須(高須)、宇宙人は高須が今書いている作品の登場人物ポモドロである。
 こんな風に物語は、高須の住み処となっている公園、過去に映画化された高須の作品ブルテリアの撮影、今書いている作品の中のシーンとが錯綜しながら描かれる。
 中には殺人を犯して追われている青年(山浦)の昔のシーン、少年(縄飛)の夢のシーンなども1シーンあり、これが4人で演じているとは思われないほどスピード感があり展開が鮮やかだった。

 今回、劇団名にもある通り、話の鍵のひとつが化石であるが、化石というものを抽象的に「抜け殻」という意味にとらえているところがおもしろかった。 また、そう考えることで、すべての出来事が長い時間軸の上でつながっているという印象を感じた。
 特に圧巻なのはラスト近くのエコー(縄飛)が歩くシーン。軟体の宇宙人であるエコーが骨を授かり、初めて足音を響かせ砂浜を行く。残ったのは足跡の化石だった。

 内容はまだまだ書ききれないほど盛りだくさんで、上記した以外にも爆笑のシーンもあり、2時間強という長い上演時間中、足場の狭い席でずっと集中して観ることができました。 4人しかいないというのも、事前情報がなかったらわからなかったかもしれません。
 かなり気に入りました。いるかHOTELに感動した直後じゃなかったら、星5つだったかもしれません。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆ 
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谷プロジェクトいるかHOTEL 『破稿 銀河鉄道の夜』
期間 1999年1月23日(土)、24日(日)
1999年2月9日(火)〜11日(木)
会場 スペースゼロ(大阪)
下北沢駅前劇場(東京)
演出 谷省吾(遊気舎)
水野陽子
原案・監修 谷省吾
出演 三谷恭子(売込隊ビーム) 松本知佐 宇仁菅綾
観劇日 1月24日(日)M 座席 いす席最前列中央 客席 8分入り チケット うべんの会共通3800円
 高校演劇用に書き下ろされたシナリオで、主人公は受験を控えた高校3年生の元演劇部の女の子、カナエ(三谷)。
 他の登場人物はやはり元演劇部の同級生2人。カナエとは幼なじみでうまが合う親友のトウコ(松本)と受験を現実的にとらえる堅実派のサキ(宇仁菅)。

 舞台はとある神戸の高校の放課後の演劇部の部室。発声練習に没頭するカナエがひとり。ずいぶん、熱心な様子だ。
 そこへ登場するサキ、受験を前に現実をみてないカナエをたしなめる。 サキは戻ってくるまでに勉強しておけと、単語集をカナエに手渡し三者面談をうけに行く。

 サキの去ったのをいいことに、台本をとりだすカナエ。北村想の「想稿 銀河鉄道の夜」である。
 あるくだりのセリフを合図にしたかのように、窓からトウコが入ってくる。なぜかラフな格好にはだしだ。

 演劇部の思い出にひたる二人。時間はまるで止まったかのようである。
 そこへ、二人の秩序を破るかのようにサキが戻ってくる。 三者面談に必要な資料を、部室に忘れたらしい。
 ところが、サキとトウコが言葉を交わすことはない。

 ふたたび、二人。実はトウコは2年前の震災で死んでいたのだ。トウコの姿はカナエにしか見えない。台本のセリフはトウコが現れるための儀式だった。
 ふいに、会うのはもう今日で終わりにしようとトウコは言う。 カナエに台本を破るよう迫るトウコ、いやがるカナエ。 しかし、カナエはついに決心する。あとを振り返らないようにしようと。

 部室へ銀河鉄道が到着する。乗り込むトウコ、見送るカナエ。

 三者面談から戻ってきたサキへ、「今日からは予備校をさぼらない」とカナエは言う。
 やがて部室は誰もいなくなり、ゴダイゴの銀河鉄道999のテーマだけが響く。


 もうどはまりでした。今観たい演劇それが観れた気がします。
 ともかく、トウコが去っていくシーンには感動しました。
 感想になってませんが、これ以上は茶化してしまいそうで書けません。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆☆
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寿団プロデュース #3 『天国の奈落』
期間 1999年1月20日(水)〜24日(日) 会場 HEP HALL
作・演出 鈴木田竜二
出演 福田転球(転球劇場) 千田訓子 高木稟(転球劇場) 橋田雄一郎(転球劇場)
康喜弼(劇団そとばこまち) 隈本晃俊(劇団未来探偵社) 西田政彦(遊気舎)
工藤順矢(TEAM発砲B・ZIN) 平野くんじ(TEAM発砲B・ZIN) 淵野尚 中道裕子
44北川 かなやす慶行 坂口修一(T∀NT RYTHM) 山本英樹(劇団未来探偵社)
角ひろみ(芝居屋坂道ストア) 中村なる美(劇団☆新感線) 濱谷まゆみ
観劇日 1月23日(土)S 座席 3列目中央 客席 満席 チケット 前売2500円
 戦争によって切り裂かれた演劇仲間の4人。戦地ではかなくも死んだ1人が手がけたシナリオが50年たった今見つかる。 しかし、最後のシーンは欠けていた。
 物語の始まりはこんな感じでした。

 戦地で書かれたシナリオというのが、当時の4人に基づいた話で、それを現代で再現しようというのがこの物語のテーマ。 50年前と現代のシーンがオーバーラップする展開だが、ごく自然に二つのシーンの切り替えがなされていたように思う。

 最後はシナリオから欠けていた謎の部分が明らかになり、大団円を迎える。

 今回の芝居はとにかく劇中の芝居の制作担当・中田役の高木さんが目立っていた。あれだけいろんな役者が出てるのに、完全に回りを食っていた。出てくるだけで大爆笑である。
 でも、びっくりしたのが、見せ場の戦地で死んだ吉岡にのり移られるところ。いつものボソボソとしたしゃべりではなく、大音声で迫真の演技だった。
 他に目立ってたのは転球さん。今回は寿団プロデュースで転球劇場を観ているようだった。

 ところで、今回の劇全体のシナリオについてだけれど、ややご都合主義的なところが多かったように思う。細かいところだが、50年ものときの流れを挟む必要があったであろうか?
 せめて30年くらいにして、ゆりを死んだ仲間の子供という設定にしてもよかったと思う。いまいち全般的にリアリティーにかけており、のめり込めなかった。
 というわけで、以上をふまえ評価は星3つです。
評者:はるお 評価:☆☆☆  
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あまがさき近松創造劇場 #1 『蜻蛉(かげろう)』
期間 1999年1月22日(金)〜24(日)
1999年1月29日(金)、30日(土)
会場 ピッコロシアター(尼崎)
新国立劇場小劇場(東京)
松田正隆
演出 岩崎正裕(199Q太陽族)
出演 洪仁順 花田明子(三角フラスコ) 水沼健(MONO) 紀伊保(虚航船団パラメトリックオーケストラ)
森本研典(199Q太陽族) 岸部孝子(199Q太陽族) 金田典子(199Q太陽族)
観劇日 1月23日(土)M 座席 4列目下手側 客席 満席、立ち見有り チケット 前売り3000円
 松田正隆が3年間継続して新作を書き下ろし、その都度違う演出家と組ませるという企画の第1弾。
 初回その演出に起用されたのは199Q太陽族の岩崎正裕です。

 舞台は浅倉深雪(花田)の下宿。最初から寝てる男がひとり。男は家出人の居候、須永(水沼)である。
 須永と深雪は大学時代からの友人。微妙な関係のようである。

 そこの下宿へ深雪の妹、佳代(洪)が失踪したといって、その夫の梶井(紀伊)がたずねてくる。実は梶井は以前深雪とつきあっており、深雪のことをまだ好きである。
 ここに、須永の妻、晴美(岸部)、深雪の教え子中沢真理(金田)とその兄(森本)が絡んでくる。なかなか複雑な設定だ。

 深雪は妹思いの姉を演じている女。実は小心であるがゆえか、ヒステリー持ちである。
 須永は女に振りまわされる運命の男。深雪に追い出された後は佳代とどこへともなく逃げてしまう。

 結末では、みんなそれぞれの生活へ戻っていったのか、佳代と須永が死んでしまったのかはっきりしなかった。
 再失踪後に深雪の部屋へ現われた佳代は、実物なのか、幽霊なのか、生き霊なのか?
 須永の背中に晴美が名前を彫ったというのは須永が家を出る前の出来事だったのか、家に戻った後のことだったのか?

 かげろうというタイトルのように、全体にぼやけた感じを出したかったのかもしれないが、 わたしとしては、とても歯切れの悪い印象を持った。
 それから、大きな劇場ということもあったが、声がいまいちとおっていないと感じるシーンもあった。

 よって激辛ですが、全体評価は星2つです。
評者:はるお 評価:☆☆  
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プロデュース 『SUPREME EXPRESS−止まれない12人』
期間 1998年12月12日(土)、13(日)(特別プレビュー公演)
1998年12月17日(木)〜12月30日(水)
1999年1月12日(火)〜1月18日(月)
会場 びわ湖ホール 中ホール
SPACE ZERO(東京)
MIDシアター(大阪)
後藤ひろひと
演出
演出補 山西惇
出演 升毅(MOTHER) 山西惇(劇団そとばこまち) わかぎえふ(リリパット・アーミー) 三上市朗(劇団M.O.P)
久保田浩(遊気舎) 蟷螂襲(PM/飛ぶ教室) 川下大洋(Piper) 牧野エミ(MOTHER)
村木よし子(劇団☆新感線) 楠見薫(遊気舎) 野田晋市(リリパット・アーミー) 後藤ひろひと(Piper)
阿川領一(MOTHER)
声の出演 宮吉康夫(MOTHER) コング桑田(リリパット・アーミー) 宮村陽子(MOTHER)
観劇日 1月15日(金)S 座席 2ブロック3列目真ん中 客席 満席 チケット 4000円
 誰をとっても看板役者のこの企画。第3弾の今回は暴走列車が舞台という前代未聞の演劇でした。
 まず、MIDシアターに入っておどろいたのが、中央の列車のセット。これに向き合わせとなって席が設けられてありました。

 劇の最初は楠見さんと升さんの絡みから。運よく列車のこちら側での掛け合いだったので、 じっくり観ることができたけど、これからの展開は逆もあるのかと不安になった。

 やがて登場人物の大半がいきなり登場。目の行き場に非常に迷うところだった。ところどころで細かい芝居をしあっているので、 いくつかのし込みを見逃してしまっているのが残念に思う。

 やがて、牧野さんに続き、三上さんがウルトラ警備隊のコスチュームで登場。ともかく、今回一番気に入ったのはこの三上さんのキャラ。
 山西さんのやくざ風の男もおいしいけど、この三上さんのキャラの突っ走り方にはかなわない。

 とにかく、笑いのつきないまま、劇はどんどん進んで行く。これだけあやしいキャラばかりだと、 話の不自然さをどうこう言うレベルではないかもしれないが、後半への流れはかなり強引だと思った。 これまでドタバタしてたのに、変にシリアスな路線へと変更したのはどうかと思う。

 とにかく笑うってことだけをテーマにしたなら、評価は4つ星半くらいは軽くクリアしてたと思う。
しかし、12人全員の見せ場を作らないとならなかったのはわかるが、シナリオ全体のバランスには難ありと感じた。 終わり方もちょっと無理あったんではないかな?

 これだけのメンツなんだから、もっとすごいのを期待してもいいんではないかと厳しめにみて、評価は☆3つです。
評者:はるお 評価:☆☆☆  
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NODA・MAP番外公演 『Right Eye』
期間 1998年12月3日(木)〜12月29日(火)
1999年1月9日(土)〜1月24日(日) なお木曜は休演
会場 シアタートラム
近鉄アート館
作・演出 野田秀樹
出演 野田秀樹 牧瀬里穂 吹越満
観劇日 1月15日(金)M 座席 舞台左手横2列目 客席 満席、立ち見有り チケット 6500円
 舞台横からという、普段見えないところまで見えてしまう席でした。 舞台の変わり目は暗転のかわりに舞台中央のみが隠れる幕がひかれるのですが、 その時にも後ろが少し見えるというところで、スタッフにでもなった気持ちがしました。

 内容は、野田秀樹の右目失明という実体験と、戦場ではかなくも散った若き報道写真家のエピソードをオーバーラップさせた話。
 真実の目Right Eye、残された目Left Eyeと意訳できるというセリフが印象的でした。

 また、どこまでが台本でどこからがアドリブかわからなくなっている点もさすがだと思いました。

 一度観ただけでは、舞台の意図を汲み取りきれなかったように思います。
 でも、二度観るにはチケット高いのが難点です。よって☆5つには届きません。
評者:はるお 評価:☆☆☆☆ 
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武田操美プロデュース #3 『ピアニシモ』
期間 1999年1月9日(土)、10日(日) 会場 カラビンカ
武田操美・岩橋貞典
演出 武田操美
出演 武田操美 塚本修 織田拓己(劇団鉛乃文檎) 松本喜美子(りゃんめんにゅーろん)
岩橋貞典(オリゴ党) 築山加奈子(劇団鉛乃文檎) 穴見圭司(dracom)
青木宏美(スピリッツ・システム) 吉野真理子(サイバーネオン)
観劇日 1月9日(土)M 座席 左手板敷 客席 超満員 チケット 当日1800円
 一時間強という、短い芝居でしたが、板敷へ正座していたため、足のしびれがかなりきてました。
 もっと、じっくり観たい内容でしたが、いまいち集中なかったのが、とても残念。

 内容に触れておくと、ヒロインは最近まで葬儀屋につとめていたエッセイスト、石田頼子。 編集者の倉垣と知り合いだったためにエッセイストになったということだが、実は倉垣のことが好きだという設定。 しかし、別に彼氏もいる。
 また、今回の芝居におけるパートナーの役どころは、葬儀屋につとめている男、橋内政弘。 つとめは長いらしく、葬儀屋において重要なポストについている。 橋内は葬儀屋につとめている女、琴美とつきあっているという設定。

 プロローグの後、いきなりふたりが駆け落ちしたシーンになる。しかし明らかにおちゃらけていて、まったく真実味がない。

 シーンは変わり、ふたりが駆け落ちする前に戻る。 ここで、彼氏がいるにもかかわらず頼子が編集の友人へ寄せる思いを描いたシーンや、 1年葬儀屋に勤めていた早紀の突然の辞職願い、琴美の妊娠といった橋内をとりまく現況といったシーンが展開していく。

 ふたたび舞台は駆け落ちしたふたり。そろそろ、帰ろうかとしているふたりへ、車のヘッドライトが迫って暗転。

 最終シーンは葬儀屋に戻る。どうやら、ふたりの葬儀の準備に忙しい琴美。
 そこへ、駆け落ちした先で書いた橋内の手紙が届く。読まずにしまう琴美。
 やがて頼子の兄と倉垣があらわれる。琴美は1枚のフロッピーディスクを倉垣へ渡す。 頼子が葬儀屋でワープロを借りて原稿を打ったとき、くず箱に捨ててあったらしい。
 フロッピーディスクから原稿を読み出す倉垣。内容は倉垣へあてたラブレターだった。

 ほとんど知っている人の出ていない公演でした。そのため、どういうものなのか予想ができず、 もっとあおくさいものを想像してしまったのですが、見事に裏切られました。
 登場人物の裏の気持ちを考えることのできる、おもしろいシナリオだったと思います。
 ただ、全体的に言えるのは、役者個人そのものが強くでてしまっていて、 リアリティーにかけていたような気がしました。

 総合評価はその辺をちょっときびしめに見て、星3つですが、もうちょっとで星4つにしてもいいと思える公演でした。
評者:はるお 評価:☆☆☆  
観劇感想リンク はるお

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