五島ヒラタはかなり出回っていますが、そのほとんどが下五島の福江産で上五島のものは滅多にないと思います。福江はクヌギの木も多いらしく、ポイントを見つけることができたら容易に採集できるようです。上五島の場合、タブやボクトウガが住み着いてるアカメガシワによく集まります。クヌギやコナラにはほとんどつきません。

　採れる木はほとんどなく、タブはどれでも大量に樹液を出していますが、採れる木は限られています。地元の人間でなければ、本当に採集は難しいと思います。それでは、採集報告をご紹介させていただきます。

　そして、ついに本命の木にやってきました。樹種はアカメガシワで、細いけれども上の方に穴があいており、そのまわりが大きなめくれになっていて、大型でも余裕で隠れることができます。いとこは２週間前に、この穴で６６ミリを採集しています。このサイズでも最近ではMAXサイズです。登ってみると、お尻が見えてきたので興奮気味で引っ張り出します。まあまあ大きそうです。え！？　雄じゃない！　かなり大きな雌でした。こんな大きな雌は見たことがなかったのでびっくりしました。（実際は３８ミリくらいでした。）

　それにしても暑いです。朝から歩きっぱなしですから、もう限界に達しています。ほんとに山の中ですから、ジュースも売ってません。とりあえず家に帰って昼ご飯を食べました。再び採集に行くはずだったのに、２人とも爆睡して起きたのは夜でした。一日遅れで出発した両親も到着したので、明日からは車での採集が可能となりました。街灯には相変わらず何もいませんでした。

　なかなか大きなものが採れません。いとこにお願いしたところ、友人なら知ってるかもということで、いきなりその友達を訪ねました。すると快く承諾してくれ、秘密のポイントを教えてもらえることになりました。ラッキーでした。父に車を止めておいてと頼み、いとこと友人の３人で行くことになりました。彼の家もまた山奥にあり、歩きながらクワガタが採れるとのことです。

　色々と話をしながら歩きました。彼の話によると、五島ヒラタは七月いっぱいで採れなくなるそうです。今まで採った中で、最高は八センチくらいだそうです。だいぶ歩いたところに一本目の木（樹種はコナラかな？）があり、カナブンが群がっていますがクワガタはいないようでした。それからずっとタブの木が続くので、蹴りながら歩き周りますが、コクワ三頭以外なかなか採れません。

　途中にアカメガシワが何本かありましたが、どれも樹液が出ておらず何もいませんでした。三十分ほど歩いたところで、いかにもいそうなアカメガシワの木がありました。友人によるとこの木が最後らしいので、気合い入れて採集に臨みました。いたる所に穴が空いていてカナブンが群がっていますが、どの穴にも入っていません。