「 早大博士論文 杜撰な審査がまかり通るのか」

Jimmy


 
 読売新聞は、7月23日に以下のような立派な社説を掲載しています。既に、お忘れになっている方や、読売新聞を購読されておられない方にぜひ読んで、記憶に留めておいていただきたいと思います。(以下、読売新聞社説7月23日付けより引用)

博士論文がお粗末なうえに、大学内の審査も杜撰(ずさん)だった。

 理化学研究所の小保方晴子氏が早稲田大学に提出した万能細胞に関する博士論文について、早大の調査委員会は、盗用などの不正を認定し、「内容の信ぴょう性は著しく低い」と結論づけた。早大側の対応についても、論文の作成指導や審査体制に重大な不備があったと批判している。ところが、調査委は「博士号の取り消しには該当しない」と判断した。実験結果を偽った不正ではないという理由からだ。

解せない結論である

 小保方氏は、3年半前に下書き段階の「草稿」を誤って大学に出してしまったと弁明し、今年5月になって、「完成版」を調査委に改めて提出した。草稿を出したこと自体、研究者を目指す者として、うっかりでは済まされない行為ではないか。論文の完成版でさえ、研究の意義をアピールする序章の大半で、米国の研究機関の文章を丸写ししていた。論文の独創性が疑問視されても仕方がない。他の著作物の画像流用についても、小保方氏は「何の問題意識も持っていなかった」と調査委に語ったという。本人の未熟さは言うに及ばず、研究倫理や論文作成の基本をきちんと教えなかった指導教員の責任は重い。指導教員は審査の責任者でありながら、博士論文を精査しなかった。論文の合否判定を担う学内の審査会に草稿が出ていることすら気づかなかったのは問題だ。

 審査の形骸化も看過できない。審査会の委員が個々の論文を閲覧する時間は数分程度にすぎなかった。これでは、論文の中身をチェックするのは不可能だろう。博士号を授与するかどうかの最終的な決定権は大学総長にある。調査委の報告を受け、鎌田薫・早大総長は「内容を吟味して、学内での検討に入る」と述べた。早大が厳正な対処を怠れば、日本の博士号に対する国際的信用も揺るがしかねない。小保方氏の所属した研究科では、他の学生の博士論文にも疑義が指摘されている。早大には徹底した実態解明が求められる。政府は、科学技術の向上を目指し、博士を大幅に増やす政策を進めてきた。博士号の取得者は1990年代初めに比べて、1・5倍に増えた。だが、質は伴っているのだろうか。他の大学も、学位授与の審査体制を点検すべきだ。

2014年07月23日 01時31分 Copyright c The Yomiuri Shimbun
(読売新聞7月23日号社説より引用終わり)

 小保方さんは、本来提出しようとしていた「完成版」と称する博士論文を調査委員会に提出しているとしていますが、実はこれが草稿段階のものであったと本人は主張しています。この「完成版」と称する草稿段階の論文が、2011年2月に行われた論文審査の前に作られていたとしても、そのような未完成の論文を誤って提出するものでしょうか?もし、たとえそうだったとしても、それならば事前に論文の審査委員会に報告するのが礼儀と言うものでしょう。

 そして、調査委員会には「完成版」の論文がメールの添付ファイルとして、電子データで送付されてきたそうです。しかし、このデータは送られてくる1時間前に書き換えられていたそうで、ファイルの更新日は2014年6月24日になっているとのことでした。つまり、「完成版」がいつ作製されたものなのか、データからは確認ができなかったということです。

 実にばかばかしい話で、あきれてものも言えません。草稿段階の論文を提出したなどと、子供騙しのような嘘もほどほどにして欲しいものです。そんな戯言誰が信じると言うのでしょうか。よほどおめでたい人か、バカでしょう。 

 完成版と称する論文ですら、データに他の文献から丸ごとコピーしたものが使われているそうです。それならば、引用先をリファレンスに記載するべきであると思いますが、そのような記述も一切なかったようです。

 読売新聞は、この問題を社説として取り上げましたが、他の新聞各社は朝日新聞を始めとして、一切無視しました。この事実は、マスコミ界に早稲田大学卒の記者が大量にはびこっていて、自分たちに都合の悪い記事は一切書かないと言う変更思想を忠実に示しているとともに、さらにお上からの何らかの圧力(恐らく文部科学省あたり)も加わっていることを暗に示唆しています。

 そう言えば、当の小保方さんは本日(9月1日)からSTAP細胞の再現実験に本格的にとりかかっているはずだと思いますが、果たして期限の11月末までに結論が出るのでしょうか。私の予想では、恐らくその時の言い訳を今から考えていることでしょう。細胞を浸す弱酸性溶液のPhすら再現できないような、ずさんな論文の著者が、そのような未知の領域に挑む大実験を行えるはずがありません。

 いい加減、このSTAP細胞疑惑について、大人は子供からあるのかないのか素朴な質問をされたら、以下に答えればよいのでしょう。きっと、今どきの子供は頭の回転が速いので、もうよくわかっているのかも知れません。
 


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