「 小保方さんの博士論文をめぐるあきれた混乱 」

Jimmy


 
 大槻義彦早稲田大学名誉教授は、ご自身のブログで7月28日に以下のように語っておられます。(以下、ブログ「大槻義彦の叫び」より引用)

 小保方さんの早稲田大学学位審査について大学側の結論は『学位論文に不正がありその価値は低いが取り消しには当たらない』というモノでした。これに対して早稲田大学理工系学部の教授有志4名が異議を唱えています。世間では早稲田大学はたかが学位一つ、取り消しの決断ができないと批判されています。

 これらの混乱は学位論文審査というモノの性格を十分知らないために起こっています。長年、早稲田大学と東大で学位審査にあたり、また自分の学位を東大に申請して授与された経験から、この問題では次のような結論になるはずです。

 (1)早稲田大学として小保方論文の根幹部分の実験結果の最終的判定はできない。つまりこの部分の判定は保留である。なぜならこの部分の成否は小保方さんの関連学会の論文投稿時の専門査読者が行ったものだからである。
 
 (2)早稲田大学の学位審査時に判定した小保方さんの、学位授与にふさわしい資質、学者として世界的レベルの学識、研究者としてのルールは間違いであったので、学位は取り消しとする。


 学位審査は現在のように学問分野が細分化されておれば学内だけで行うことは不可能である。そのため、学位審査委員会の5,6名の教授、准教授だけではほとんど不可能であるから、その研究の根幹部分は当該学会の論文発表誌の審査(レフェリー)による判定を重視する。

 この審査をパスした論文が少なくとも2本以上存在することが学位審査の条件である。ただし、一般にこれらレフェリーの氏名は原則秘密であるから、早稲田大学で改めて小保方論文の当否を判定してもらうことは事実上不可能である。したがって早稲田大学がこの部分で保留にしたのはやむを得ない。

 一方、学者の資質の判定は早稲田大学の報告書にあるとおり、ひどいもので、到底学者として世に通用するようなものではなかった。つまり小保方さんは学者として通用しないという結論であった。

 学位は研究が独創的で学会のレフェリーがパスさせたものであると同時に申請者の資質の審査でもある。この資質の判定にミスがあったので、学位は取り消しとなる。

(ブログ「大槻義彦の叫び」7月28日より引用終わり)

 大槻名誉教授によると、学位の授与には、それにふさわしい資質についても審査する必要があるとされています。資質とは、大辞林によると「生まれつきの性質や才能」と定義されていますが、調査委員会の報告書を読むと、「論文作成者の資質を疑われる問題箇所すなわち 著作権侵害行為であり」と記載されていました。この件については、調査委員会の記者会見時にも、小林英明弁護士から口頭で説明があり、小保方さん(以下小保方)に電話かメールで問い合わせたところ、「悪いことであると言う意識が全くなかった」等の回答があったようです。そういう意味では、確かに小保方には博士号を授与される資質が欠如していると判断できると思います。

 早稲田大学の鎌田総長は、この大槻名誉教授の言葉を重く受け止める必要があるのではないでしょうか。そうでないと、現在の理化学研究所・CDBと同じ評価を世界中の科学者、有識者はもちろん、常識と道徳心をわきまえた多数の人々から下され、今後早稲田大学は孤立してしまうでしょう。もちろん、総長として己の信念に従って最終判断すればよいと思いますが、万物にはすべて寿命があるとは言え、いたずらに早稲田大学の寿命を縮める必要性は見当たらないのではと考えます。
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