守り続けたい心の原風景  》

書評:『カラー版 里山を歩こう』

今森 光彦 著 岩波書店

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『里山を歩こう』


昨年の6月にこの本を読んだのですが、その時にすぐご紹介すれば良かったものの、時間がなくて時期的にも不自然な今頃になってしまったことをお詫びいたします。  

 自然環境保護に対する意識が高まりつつある現在、里山と呼ばれる雑木林の保全や維持活動は、自治体や民間を通じて随分と活発になって来ました。おかげで、自然破壊の象徴であったゴルフ場の建設には歯止めがかかり、少しづつではあるものの、里山の姿も元に戻りつつあります。

 今回ご紹介する今森光彦さんが書かれた(正確には撮影された)「里山を歩こう」は、そのような滋賀県の琵琶湖畔に今でも残っている里山の風景を、著者独自の視点で実に素直な表現でもって描かれており、今風に言えば心が癒される好著だと思います。

 新書版なので場所も取らず、また内容の大半が著者でもあり、プロの写真家でもある今森さんが撮られた美しく、かつ素朴な風景の写真で占められているため、何時でも持ち歩いて時間のあるときに気楽に読めるのが、この本のよいところでもあると言えます。

 実際、夏場は通勤時に電車の中で、パラパラと何度も同じところを眺めておりました。

 ご紹介が遅れ、季節はずれになってしまったと最初にお断りしましたが、里山の四季を一年を通じて解説してあることを考えてみれば、この時節に読んでも何ら不自然でないので、ご興味のある方はぜひご一読されることをお勧めいたします。   


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