「 大阪における春の河川敷採集報告
(2014_3)」
Jimmy
平成26年3月、春の河川敷採集を実施致しました。その結果をここにご報告致します。 |
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図1 半分地面に埋まっていた倒木からたくさん出てきました |
1月8日に今年最初の河川敷採集をしてから、今回で2回目になります。2月は大阪でも雪が降ったりして、大変寒い日が続いたため、さすがに寒風吹き荒ぶ河川敷に出かける勇気は湧きませんでした。とは言え、3月も北風が吹きつけて、思った以上に寒さを感じました。 約2か月ぶりにやってきた河川敷は、相変わらず荒涼としていて、冬のたたずまいです。通いなれた場所とは言えども、果たして今日は採れるのか、期待と不安を抱えながら、枯れ木を探して歩き始めました。 最初に見つけた倒木は、地中に半分埋まっているような状態で、非常に湿っておりました。道具を使わずとも、手で簡単に崩してゆけそうなぐらい朽ちています。ちょっと朽ちすぎかなと思いましたが、手始めに割ってみたところ、いきなり3頭の幼虫がお出ましになりました。 これは幸先が良いと喜んでいると、次から次へと幼虫が出てきます。これまで、河川敷採集に出かけて約1年近くになりますが、これほど一本の倒木から幼虫が見つかったのは、今回が初めてです。合計で15頭ほど採集することができました。 |
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図2 かなり朽ちた倒木にいた幼虫 |
採集した幼虫は、ほどんとコクワと思われますが、非常に湿った倒木にいたことで、もしかしたらヒラタかも知れないと、1%ほどの期待を持っております。今から成長してゆくのを観察するのが楽しみです。 |
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図3 このような、半分地面に埋もれた倒木から発見しました |
実際に15頭採集した倒木は、上の写真に写っているようなものではなく、もっと湿っており、茶色く変色してほとんど朽ち果てておりました。朽木の長さは1.5mぐらい、直径は15cmぐらいでした。 |
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図4 採集には欠かせないピッケル、ナタ、薬用スプーン、ケース |
朽木割り採集には、いつも欠かせない道具です。まず最初にナタで叩いて見て、朽木の堅さを確認し、柔らかければそのままナタで削ります。堅い時は、ピッケルで一撃を加えてから、少しずつナタで削って行きます。 幼虫が見つかれば、薬用スプーンや、この写真には写っていませんが、大工道具のノミで、幼虫を傷つけないように細心の注意を払いながら、細かく時間をかけて割り出して行きます。 |
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図5 コクワの幼虫より大きく見えた個体 |
見つかった大半がコクワガタの幼虫だと思いますが、中にはどう見てもコクワとは思えないぐらい大きな幼虫も混じっています。過剰な期待とは知りつつ、やはり期待をせずにはおられません。本来の目的である大阪府産河川敷ヒラタクワガタの採集こそ、この河川敷採集の最終目的でもあります。 |
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図6 今も残る台風被害の爪痕 |
昨年9月の台風18号による被害の爪痕が、今もそこかしこに残っております。一時は、河川敷一体すべてが水没し、壊滅的な被害を受けましたが、このような状態とは言え、また採集できるようにまで回復して本当に良かったと思っております。 |
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図7 これまで最も多い3ケース分(40頭)採集しました |
今回採集した幼虫を入れたケースです。いつも3ケース持って行くのですが、1ケース採れればまずまず上出来で、たまには2ケース分採れる時もありました。しかし、3ケースすべてが埋まるほど採れたのは、今回が初めてです。ひな祭り採集は、予想を大きく裏切るほど大量になり、数えたところ40頭いました。2時間ほどの採集時間を考えると、非常に効率が良かったと思います。 |
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図8 成果その1 ほとんどコクワと思われます |
最初に見つけた湿度の高い倒木から採れた幼虫です。この写真では、実際の大きさがよくわからないと思いますが、2令と終令が混ざっておりました。個人的には2令にも期待をしているところです。 |
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図9 成果その2 これまたほとんどコクワと思われます |
第2のポイントで採集した幼虫です。こちらも2令と終令が混在しておりました。割り出した倒木は、比較的乾燥しているものも多かったので、ほぼ全数コクワガタかと思われます。 |
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図10 成果その3 2頭ほどコクワとは思われない幼虫がいました |
第3のポイントで採集した幼虫です直径が30cmほどある大きめの倒木の朽ちた部分から発見しました。一見してこれはコクワとは思われないような大きさの幼虫が2頭おりました。もしかしたらと、非常に期待しているところです。飼育には菌糸カップを使用する予定です。 朽木割り採集に何度も出かけていると、クワガタの幼虫が入っているかいないかが、朽木を割る前に何となくわかって来たような気がします。最初は手当たり次第に割っていましたが、意味のないことがよくわかりました。また、割り出した後の木片を持って帰り、自宅でミキサーにかけて飼育マットにすることで、割り出した後の残骸も見苦しくなくなりますし、幼虫もよく育つ気が致します。 朽木割り採集は、幼虫の生態を観察し、どのように飼育すればよく育つのかヒントを与えてくれると思います。しかし、最近は環境整備とやらの名目のもとに、立ち枯れや倒木を処分してしまう自治体も増えておりますので、そのような場所も少なくなって来ました。この河川敷もいつまで残ってくれるのか、心配している今日この頃です。 |