「岡山県産ヒラタ採集&裏庭飼育報告!」

Kosan


 
 御依頼をいただくまでは、記録をとるつもりはなかったので、何も記録していないのです。
今日からデジタルカメラで少しずつ撮影を始めました。そして、少しずつ、これまでにとった方法について記憶に基づいて記録しようと思っております。

 裏庭にはアラカシが防風林として植えられているのですが、樹齢約30年くらいはあるでしょう。その中の2本にいろいろ細工をして、やっとヒラタクワガタに定住してもらうことができ、そしてカブトムシもどこからか飛来してく来るようになったのです。今晩は約20頭のカブトムシがやって来ています。
 カブトムシとヒラタクワガタは、自然界でもやはりコナラの木に一緒に住んでいるところを良く見かけます。樹液を争ったりしてはいますが、ヒラタクワガタは樹皮の裏の穴に潜んでいることが多く、住みわけているような感じです。

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裏庭ポイント1

裏庭ポイント2


 裏庭ポイント1と裏庭ポイント2と言う写真は、私が裏庭のアラカシを利用して作った場所です。自然にできた穴にいるヒラタクワガタが大顎を外に出しています。このスタイルがお気に入りの様です。右の写真は、カブトムシと62mmのヒラタクワガタのものです。穴の中のゼリーを争っているのですが、この勝負はカブトムシの勝ちで、この後ヒラタクワガタは直ぐ下の木の又のところの隙間(ここが住処なのですが)に逃げ込みました。

 ところで、それらの木とは別に本当に自然の状態で、カブトムシやコクワガタのいるアラカシが裏庭にできてしまいました。裏庭ポイント3がそうなのですが、今では隣の子供に見つかりそうな場所なので、大変です!! これは、明らかにシロスジカミキリの幼虫や成虫の仕業でしょう。

 

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裏庭ポイント3


太い大顎のヒラタクワガタの採取場所は、私の自宅から直線距離で百数十メートル位のところのです。庭から良く見えるこんもりとした木々の奥の方です。
 

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自宅近くの採集ポイント


そこは、山の尾根から少しおりたところで、誰も近付かないところです。樹齢30年以上のアベマキ(御存じかも知れませんが、アベマキはクヌギと非常に良く似ています。
葉の裏に小さな白っぽい毛が密生しており、またコルク質が分厚いのが主な相違点です。
 

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クヌギによく似たアベマキ


左がアベマキの葉裏、右がクヌギの葉裏。瀬戸内の海岸部に多いとのことです)が生えており、その中の2本には樹皮がかなりめくれたウロになった部分があり、少し樹液が出ています。そこに、大型のヒラタクワガタがいます。その近辺で61mm以上の個体を5頭採取しました。ヒラタクワガタたちはこの2本の木を行ったり来たりして生活しているようです。
 

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標準的なヒラタ(左:62mm)との比較


あの太い大顎の個体と同じ場所で採取した標準的な個体(62mm)を比較してみました。
この場所では、大顎の長い対馬型といわれているような個体はまだ採取していません。
 

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太い大顎の個体


 また、太い大顎の個体の違う角度からの写真も撮ってみました。
比較してみると、他の同程度体長の個体より0.5mm位大顎が太く、小歯の部分が大顎の先端のまで発達していて、普通ならば細くなるところが太いままであるというのが特徴の様です。
 

 私の採取場所は、自宅から直線で4キロ以内の範囲です。採取方法は、自家用車でポイントの近くまで行き、昼間に樹液の出ていそうな木を目指してとにかく歩くというものです。健康診断で、中性脂肪が多いと言われたので速く山野を歩くことにしたのです。(後で、原因がポカリスエットの飲み過ぎであると分かりましたが)。というのは、マムシがいるので、夜には歩けないからです。

 当地では、ただ山道を歩いただけではまずヒラタクワガタは捕まえられないので、他人の行っていそうなポイントは簡単に見るだけにして、誰も行っていない場所を目指してヤブコギをしていくというやり方をしました。そのような場所では昼間でもヒラタクワガタが樹液を吸っていることが多く、67mmの大物も昼の12時に採取しました。

 そして、発見した誰も知らないポイントは、相当な数になります。市内にはノコギリクワガタがほとんどいないのですが、最近、ヤシャブシという木にできたポイントを発見しました。そこでは、市内では見たことのなかった水牛や小型の個体を5頭採取しました。しかし、そこまでやっても、オオクワガタのいそうなポイントはまだありません。やはり、当地ではオオクワガタは幻のクワガタのようです。
 

ところで、今日の地元の山陽新聞にカブト、クワガタの採集のコツが載っていました。
それは、日本昆虫協会の佐藤敬さんが答えたものです。

「クヌギやコナラなどドングリがなる木に集まることは知られているが、林にどんどん分け入ってしまっては駄目」

「林の外れの木ほど、昼間に樹液が日光に暖められ発酵し、強く臭う」

「林道や田畑など開けたところに面した直径10cmほどの若木で、樹液が豊富に出ているものが狙い目。樹皮も薄く、虫にとっておいしい木」

「昼間、カナブンやハチ、チョウが寄り付いている樹液のある木をチェックしておく。日暮れくらいからもう一度見回ると、夜にカブト、クワガタがいることが多い」

というものです。

 これを読んでいて、私の今年の採集経験から分かったコツそのものであると思いました。コナラなどの木は、樹齢が40年以上のもので直径が30センチ以上もある大木がかなりあるのですが、そのような林の中に分け入っても、せいぜい一つポイントを見つけられたら良い方でした。それよりも、ススキなどの適度に茂ったコナラ若木(いわゆるヒコバエと呼ばれる状態のもの)の多い、日当たりと風通や湿度が適当な地点に多くのポイントが集中していました。

 ただし10cmほどの木では、カブトムシやコクワガタはいても、大物のヒラタクワガタは少ないので、もう少し太めの木もあるところが理想的のようです。そのような場所では、シロスジカミキリの活動が活発で、ヒラタクワガタの住処が豊富になるようです。適度に人の手が加えられ、刈り払われた後に放置された場所が良いのであり、笹などが密生して茂るひどい薮の中心部では駄目のようです。これらが、強行な薮こぎの結果分かったことなのです。
今まで、私は他の人が大きな木を目指していくので安心していましたが、新聞に大変なことを掲載されてしまったようで。少し心配になりました。ただし、採集経験のない人たちには、なかなか理解されないと思いました。

以上です!
 

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