「 京都における河川敷採集報告 (2013_8)」

Jimmy


 
 平成25年8月、いつもより脚を延ばし、初めての経験となる京都を流れる川の河川敷採集を実施致しました。その結果をここにご報告致します。


図1 始めて足を踏み入れた京都を流れる川の河川敷

 
 自宅から車を走らせて、一時間半ほど経ったでしょうか。ここは京都を流れる川の河川敷です。いつも大阪ばかりで河川敷採集を行っているので、新規開拓を兼ねてはるばる京都までやって来ました。平日は、営業車やトラックが多いのですが、乗り慣れている人ばかりなので、車の台数の割りにはスムーズに走れました。

 一見して、ここが河川敷だとは思えないような風景が広がっておりますが、この場所が最も広くなっているところで、その他の場所は大した木も生えていない、河川敷とは呼べないようなところしかありません。冬場なら、雑草も枯れてもっと見通しが効くと思います。

 

図2 かなり大きな木も生育していました


  このような大木も生えているほどなので、昔からの河川敷だったのだろうと思われます。写真の木が何の木なのかさっぱりわかりませんが、とにかく大きな木が生えていました。
 

図3  いつもながら、何の木かさっぱりわからない樹木

 
  樹木に関する知識が皆無に近いので、いつもながら何の木であるのか、樹皮や葉っぱをみても、見当すら付きません。野外採集するのであれば、もう少し樹木に対する知識を身につけたいと痛切に感じています。まったく恥ずかしい限りです。

図4 何の特徴もない木の表面


 何の特徴もない木の表面です。今から振り返って見ると、この種の樹木が一番多かったような気も致します。常緑樹か落葉樹の区別すらつきませんので、また冬になれば様子を見に来たいと思います。
 

図5 ようやく倒木らしき木の残骸を発見しました


 車を降りて歩くこと20分、ようやく倒木とおぼしき樹木の残骸を見つけました。雑草に覆われかなり古い倒木のようです。念のため少し叩いて見たところ、朽ち方は適当で良さそうに思いましたが、クワガタの幼虫らしき食痕は見つかりませんでしたので、早々にあきらめました。

図6  ナタで削ってみましたが、幼虫は見つかりません


  この倒木も試しにナタで一部を削って見たところ、クワガタの幼虫らしき食痕は見つかるものの、肝心の幼虫は発見することができませんでした。やはり、なかなか容易に見つかるものではないと、改めて実感致します。
 

図7 ようやく、終令のコクワガタと思われる幼虫を発見 

 
 ようやく、コクワガタと思われる幼虫が入っている倒木を見つけました。この場所には、良さそうな立ち枯れや朽ち木は一切生えておらず、倒木も数えるほどしか見あたりません。次回来ることがあれば、もっと別の場所を探してみたいと思います。結論から言って、今回来た場所はハズレでした。土地勘がないと、良さそうなポイントを探すのも難しいものだと言うことも勉強になりました。

 

図8 一度見つかると、次々に出てきます

 
 このように一頭見つかると、その近辺から次々と幼虫が出てきました。倒木の状態は非常に良く朽ちていて、手だけでも崩せるほどです。クワガタにとっては少し朽ちすぎのようにも思われます。このような環境では、天敵となる害虫にとっても獲物を探し易いため、逃げようがないと思われます。最近、朽ち木割り採集をしていて気がついたのですが、クワガタの幼虫が堅い木の中に食い込んでいるのは、天敵であるコメツキムシやキマワリの幼虫から身を守るためではないかと考えております。
 

図9  この時期でも終令の他に、2令、初令の幼虫がおりました

 
 大阪の河川敷でもそうでしたが、この京都のポイントでも8月のこの盛夏の時期にも関わらず、終令はもちろん、2令や初令まで出てきます。幼虫のままで越冬し、翌年の夏に羽化するパターンなのでしょうか。自宅での累代飼育ならいざ知らず、このような環境の厳しい倒木内で来年まで過ごすことは、危険と隣り合わせの状態ですので、効率が悪いように思えます。もちろん、この倒木にもキマワリやコメツキムシの幼虫はクワガタの幼虫の数より多く生息していました。
 

図10 本日の成果、初令から2令、終令まで10頭のクワガタ幼虫

 
 今回の河川敷採集は、午後12時から始めて14時までの約2時間行いましたが、その成果はクワガタムシの幼虫10頭でした。恐らく、倒木の様子から見てほぼ100%コクワガタの幼虫だと推測できます。しかし、球に当たりくじが入っていることもありますので、成虫になるまで大切に育てて行きたいと思います。

 真夏の河川敷採集は、とにかく体力を消耗します。刃物を使用しますので、それだけでも十分危険ですが、それに加えてヘビ、スズメバチ、ムカデ、マダニ等の害虫が活動する時期でもありますので、冬季の採集より危険がつきまとうのも事実だと思います。

 この稚拙な採集報告を読んで、自分も夏場の河川敷採集に出かけようと考えておられる方も中にはおられると思いますが、あくまでも自主責任の元で実行してください。どのような事故に遭遇されても、当方は一切責任を負いませんので、事前にリスクを十分に検討してからお出かけください。これまでの報告には一切書いておりませんが、何度も大変危険な目に遭って、痛い思いもしております。

 


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