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書評:『ARMA カブトムシ・クワガタ グラフィックマガジンVol.1』

ピーシーズ

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『ARMA カブトムシ・クワガタ グラフィックマガジン Vol.1』 


 皆さんもご存じかと思いますが、 ピーシーズが発行するクワガタ関係の書籍は、どれを取っても写真がきれいなのが特徴です。 プロの写真家が撮影するのだから当たり前かも知れません。それでも、クワガタに対する思い入れがある人と、そうでない人が撮るのとでは、自ずと差が出るのは容易に想像がつくでしょう。

 本書は総数192ページで構成されており、A4サイズでずっしりと重く、見応え十分と言ったところでしょうか。最近は、目の保養を兼ねて寝る前にパラパラと眺めるのが習慣になりつつあります。

 外国産、国産クワガタ、カブトムシが150種あまりに渡って紹介されているのを始め、ヒラタクワガタ採集記(和歌山編)や飼育愛好家の紹介、さらにはクワガタ関係のホームページを紹介するコーナーもあり、ありがたいことに当方の稚拙なホームページもカラー画像付きで掲載してもらっています。

 それにしても、アンタエウスの人気は驚くべきものがあります。価値のわからない私にとっては、どの産地も同じように見えますが、マニアにとってはより希少な産地の個体を飼育することに興味が湧くのでしょう。知り合いにも詳しい人がいるのですが、話題について行けずいつも寂しい思いをしています。そこで、遅まきながら私も今年からアンタエウスの飼育を始めることにしました。果たしてどうなることやら、前途多難とはこのことです。

 昨今のクワガタ放虫問題についても触れられており、考えさせられました。放虫については私も考え方が徐々に変化しており、飼育当初は国産のクワガタならば別にかまわないと思っていました、しかし、産地による差異を考えるようになってからは、その場所で採集した個体を元の場所に戻すような放虫しかしないようになりました。

 最近は、放虫すること事態意味がないと言うか、あまりに自分勝手な行為に思えてきて、一切やめております。放虫問題については、あらためて書かせていただくことがあるかと思うので、ここではこのぐらいにしておきます。

 クワガタ飼育グッズについても、菌糸ビンを中心にマットやゼリー等が多数紹介されており、選ぶ時にたいへん参考になると思います。それにしても、菌糸ビンの種類の多さには驚きました。ほんの数年前は、せいぜい4〜5種類ぐらいしかなかったように記憶しています。サイズも大と小ぐらいなもので、選択の余地はほとんどありませんでした。

 マットに較べ高価だったこともありますが、それよりなかなか思うように入手できなかったことのほうが多く、交換時期を逸したことも度々ありました。管理もどちらかというと容易でなく、初心者向けの飼育材料とは言えませんでした。

 そのころに較べ、最近は菌糸ビン飼育もすっかり一般化し、幼虫飼育の主流になっているのではないでしょうか。培地や菌糸の改良が進み、高温に耐える菌種や温度変化によっても子実体(キノコ)が発生し難くなり、ビギナーにも扱いやすくなりました。なにより助かるのが、欲しいときに手に入ることです。多少の例外はあるにせよ、お金を出せば年中入手可能になったのは、ごく最近のことです。

 菌糸ビン販売業者の努力もさることながら、それだけ需要があるということなのでしょう。クワガタ飼育人口が実際にどのぐらい増えているのか、またそのうちの何割がインターネットを利用しているのか、実に興味深い問題だと思います。

この本を通じて、クワガタ飼育人口がさらに拡大されるのは、言うまでもありません。 
 


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