松井一郎大阪府知事に苦言を呈する 》

Jimmy


 
 日本維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事が、米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの八尾空港(同市)での一部訓練受け入れ案を6月の始めに公表してから、もう一ヶ月以上経つのに、まだ何も結論が出せないのは、なぜかと思う。

 「沖縄の負担軽減を考えるべきだという限りは応分の負担を全国で考えるべきだ。」と言う、松井知事の考え方に個人的には賛成だ。たとえ、八尾空港が街の真ん中にあって、いったん事故が起きると大惨事になると言うのが反対する理由であるのならば、普天間基地周辺に住んでいる沖縄の人たちはどうなるのだろう。

 だんまりを決め込んで、何も提案して来ない大阪府以外の都道府県に較べれば、「よく言ってくれた」という思いが強かった。

 しかし、実際の受け入れ先になる八尾市は、「とんでもないことだ」として、大反対している。断る根拠として、八尾空港は、普天間飛行場に較べて、面積が5分の1しかなく、空港の重量制限(原則5・7トン)に対して、オスプレイの重量が(約16トン)もあり、物理的に不可能であると主張している。

 確かに、それが事実であるならば、事故が起きる可能性は飛躍的に高くなると思われるし、実際に訓練に使用する米軍にとっても、余計な神経を使わなければいけなくなり、本来の訓練ができない恐れがあると思われる。

 そのような、初歩的な事実を、松井知事は事前に調べずに、あのような発言をしたのであろうか。もし、そうであるならば、非常に無責任極まりないと言えるのではないだろうか。

 何も、自分で調べなくても、周りに頭のいいブレーンがたくさんいるはずなので、少し調べてもらえば、そのような事実は事前に知り得たと思われる。もし、そのことを知っていた上での発言であるならば、沖縄の人びとだけでなく、大阪の人びとに対しても、失礼な発言と思う。まるで、大阪の人が沖縄の人の心をもて遊んでいると取られても仕方ないであろう。

 松井知事が本気で沖縄の基地負担を軽減したいと考えているのならば、大阪湾を埋め立てて、普天間飛行場に匹敵する米軍基地を作れば良いのではないか。

 私は、何度か観光で沖縄を訪れたことがあり、嘉手納基地や普天間基地も見たことがあるが、普天間基地の移設先である名護市辺野古沿岸部を埋め立てるなど、論外であると思う。沖縄の美しい海、海岸、珊瑚礁を潰すなど、取り返しのつかない環境破壊である。沖縄は日本の宝であると思う。

 それに較べて、大阪湾はどうであろう。明確な計画もなく、次々と容赦なく埋め立てられて行っているではないか。どうせ、海を埋め立てて作るのであれば、辺野古ではなく、大阪の海を埋め立てて飛行場を建設すればよいと本気で思う。

 松井知事も、そこまで踏み込んで発言すれば、沖縄の人も大阪の人は本気で沖縄のことを考えてくれていると思うのではないだろうか。それ以外の都道府県は、場所を提供しないのならば、建設費用ぐらい分担して出しても良いと思う。

 もちろん、発言する前には、大阪府民の理解を得てからにして欲しい。知事を辞職して、再度大阪府知事選を行い、信任、不信任を問えば良いのではないだろうか。

 維新の会ならば、そのぐらいの行動に出て欲しいと思う。本当に、選挙を恐れないのであれば。

 しかしながら、戦略的なことは何も解らないけれども、米軍が沖縄に駐留し続けていてくれた方が、何かと安心することには間違いない、それは、中国があるからである。

 湾岸戦争の時もそうだったと思うが、クウェートに侵攻したイラク軍を追い返して奪い返すまで、どれほどの時間と戦費がかかったのか。少なくとも、米軍の戦力がなければ、奪い返すことができなかったと私は思う。

 尖閣諸島どころか、沖縄まで自分の領土にしたいと中国は思っているそうだ。沖縄から米軍が撤退したとたん、中国軍に侵攻されると私は思う。中国はしたたかで、信用のできない国だ。沖縄の人は、そのことを感じていないのであろうか。だとしたら、余りにも人が良すぎる。

 それに、米軍基地があるおかげで、生活が成り立っている人も、結構いるのではないかと思う。日本政府は、その人達の生活基盤も考えてあげないといけないはずだ。

 大阪が、米軍から見ると軍事的価値がなければ仕方ないが、そうでなければぜひとも一日も早く普天間飛行場を廃止して、大阪に替わりの飛行場を作って、沖縄の人の負担を少しでも減らしてあげて欲しい。

 松井知事には、このままで終わらせずに、もう一歩踏み込んだ発言を望みたい。 
 


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