「発酵マット作成ノウハウ」

Katayama


 私が思いますに、マットは2つと同じ物ができないように思います。仕込んだ時の気温や発酵完了までのかき混ぜ回数、湿度の管理などで同一条件にすることはかなり難しいように思います。しかし、できるだけ同じ物を作りたいので、特に水分に関しては同じ分量にしています。私が今までに失敗した経験として、水分の加えすぎがあります。また、高蛋白のプロテインを混入してアンモニアを発生させたこともあります。

 温度が一定であれば失敗はしていません。次に大切なのは仕込み後の管理で、数日後かなり乾燥しているからといって、そこで水分を加えることにより腐敗を招くことがあります。衣装ケースのふたについた水滴を落とし、下から上へとかき混ぜるだけで水分は一定になることが多いです。ただし、天日にて加温している場合はかなり水分が蒸発しますので、適当な加水が必要かと思います。この場合も表面だけをじょろで加水して、全体をかき混ぜる。さらに足りなければ同じことを繰り返す。これで十分です。

 要は、いかに水分を押さえるかと、適度なかき混ぜによって酸素を送り込むかだと思います。しかし、水分を押さえすぎでもうまくいきませんし、かき混ぜを頻繁に行いすぎて発酵熱を下げてしまうこともよくありません。後者の欠点を補うために、私はこれから気温が上昇する朝にかき混ぜを行っています。頻度は、具体的には初めの10日間ほどは仕込みの3日後、さらに3日後、その後は週に1度ほどのかき混ぜをしています。マット飼育は自分だけのオリジナル餌が作れますし、労力を惜しまねば1番安い飼育法なので重宝しています。全国にはオリジナルの添加物を配合して74,5ミリを羽化させられた方や、31グラム(F1 親は♂50 ♀35の天然個体)の幼虫を作られた方もいます。(いずれも本土ヒラタの話です)

 昨年はオオクワガタでも70ミリを越えましたが、これは親の素質によるもののようでした。昨年までは薄力粉を5l混入しただけのマットを主に使っていました。

 冬季を含めて、常時餌を作ることができれば、70ミリは可能だと思います。後は、1年1化であれば年内のできるだけ早い時期に、また、2年1化であれば晩夏に産卵させることが大切だと思います。後者の場合は、終令に加令する前に発酵したてのマットが手に入れば理想的です。我が家では前者の方に軍配が上がっていますが、夏期に加令するため鮮度の高いえさが得られやすいためだと思います。  


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