「ショウジョウバエ対策を考える 」

本文、画像:Jimmy


 以下の文章は、昨年(2002年)の7月30日に記した飼育日記帳を元に加筆修正したものです。ご参考になれば幸いです。 

 クワガタをある程度たくさん飼育されている人にとって、必ずと言って良いほど突き当たる問題の一つに、コバエ(正確にはショウジョウバエ)の発生があると思います。特に、家族と同居されている人にとっては、多かれ少なかれ苦情を受けているのではないでしょうか。 

 コバエ自体が病原体と言うわけではないにしろ、家中を自由に飛び回られたり、食事中にまとわりつかれたりすると、不愉快に感じる人が多いように思われます。

 当方も、10年近くクワガタ飼育を続けて来た手前、家族からコバエに対する苦情を年中聞かされる状況にありましたので、いつか何とかしたいと日々思案し続けておりました。

 そのような折り、ふとしたことからコバエの生態を知ることがあり、それに基づいて自分なりによく考えて見た結果、次のような結論に至りました。つまり、コバエの発生を押さえる為に最も効果があると考えられるのは、餌(ゼリー)交換ではなかろうかと思うのです。

 ここ数年、餌(ゼリー)は一週間単位で交換するように習慣付けていましたが、昨年まで餌(ゼリー)の中身が半分ぐらい残っている時は、もったいないのでそのままにしておくことが普通でした。しかし、今年は中身が残っていても容赦なく交換するようにしてみました。

 なぜそのようにしたかというと、コバエの成虫は餌(ゼリー)の中に卵を産み、幼虫であるウジはその中で育っていることが、インターネットで得た知識とこれまでの経験から何となく解っていました。そこで、それならばウジが成虫(コバエ)になるまでに取り除いてやれば、必然的にコバエの発生は減少するのではないかと考えた訳です。

 事実、餌(ゼリー)交換を一週間に一度ずつ確実に行うようになって以来、コバエの数は激減し、以前は蝿取り紙やコバエ対策グッズを利用したり、掃除機でほぼ毎日のように吸い取る作業をしていましたが、これも全く必要がなくなるほど数が少なくなりました。皆無とまでは行きませんが、ほぼゼロに近い状態に落ち着いております。

 家族の評判も良く、今後もこの状態を維持するために、一週間に一度の餌(ゼリー)交換を、確実に実行し続けて行くつもりです。

 昔は、餌(ゼリー)代もバカにならず(今でも一週間に150個以上使うので、バカになりません)、半分ぐらい残っているものはそのままにしておきましたが、今日のように価格が安くなり、手軽に一年中いつでも入手出来るようになったおかげで、このような方法も可能になったように思います。

 ぜひ、みなさんもコバエ対策の一つとして、週に一度の餌(ゼリー)交換を試して見られてはいかがでしょうか。

重要なポイントは、交換時に全数一度に交換する事です。

 コバエの生態をもっと詳しく研究し、ライフサイクルがわかれば、それに合わせてより効果的で効率の良い餌(ゼリー)交換が可能になるものと期待されます。

 ちなみに、キイロショウジョウバエの場合、25℃の飼育環境に於いて、220時間(約10日)で成虫になるそうです。

 コバエ対策を考える反面、過度の清潔好きと言うか、病的に潔癖性の人ならいざ知らず、クワガタを飼育しているのであれば、適当にコバエがいても気にしないと言うおおらかな気持ちを持つことも大切だろうと考える次第です。何事も行き過ぎはいけません。

 東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生が言われるように、

「清潔はビョーキだ」

 晩酌のビールの中にコバエが入っていようが、ご飯の上にコバエが引っ付こうが、気にしないようにしましょう。そんな程度で簡単に病気になるほど、人間はヤワにできていないと思います。

 世の中には、ダイオキシンを発生させる物質など、人体に悪影響のあるものが溢れています。あくまでも、本質を見失わないようにしたいものです。 

 


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