「大阪府内の河川敷産ヒラタクワガタ発見!」

2013年 夏

Jimmy


 
 河川敷産のヒラタを発見しました! と言っても、8月5日の飼育日記帳でご紹介している個体ではなく、同じ場所で採集した別の幼虫のことです。

 この幼虫が羽化したので取り出して確認したところ、素人目に見てもコクワガタではなく、ヒラタクワガタのオスであるように見えます。

 ただし、サイズを聞いて驚かないでください。たったの38mmです。同じところで採集したコクワガタのオスでも44mmぐらいあるので、猛烈に小さなヒラタクワガタです。しかも、菌糸ビンで育てたにも関わらずです。

 私の飼育環境が悪いのか、それとも採集した場所ではそのぐらいのヒラタクワガタが普通なのか、正直良くわかりません。この個体を採集した時は、明らかに他の幼虫より大きかったので、思い切って菌糸ビンに入れて育てておりました。

 下の写真にもあるように、良くある樹脂製の容器に入った菌糸ビン(正確には菌糸ボトルと表現した方が正確かも知れません)で育てたので、さなぎになっても外からではよく見えませんでした。ただ、蛹室の大きさから類推して、オスのコクワガタであろうと、昨日まで思って疑いませんでした。

 飼育している幼虫の数がどんどん増えて行き、国産オオクワガタ幼虫を育てる菌糸ボトルが底をついたため、止むに止まれず、コクワガタと思われる河川敷産クワガタが入っている菌糸ボトルを使用するため、蛹室にいる成虫を捕り出したところ、下の写真にあるようにアゴの形はどう見てもコクワガタではなく、ヒラタクワガタではないかと思います。

 念のため、ヒラタの鉄人殿に鑑定を依頼しておりますが、私のような素人から見ても、サイズは猛烈に小さいのですが、間違いなくヒラタクワガタだと思います。もし、私の判別が間違っていなければ、大阪北東部の街中を流れる、日本中でどこでも見かけるような普通の河川の住宅密集地域にヒラタクワガタが生息していることになります。

 知る人には既知の事実なのかも知れませんが、私にとってはにわかに信じがたく、「まさかこのようなところにヒラタクワガタが生息していたのか!」と思われるほど、驚きを禁じ得ません。

 皆さんも下の写真を見て、コクワガタかヒラタクワガタか判別してください。そして、私の判別が間違っていたなら、即座に訂正(撤回)させていただきますので、掲示板やメールでお知らせください。どうか、よろしくお願い致します。
 

 

写真1 菌糸ボトルに入れて羽化した時の状態

 

写真2 菌糸ボトルから取り出した成虫(サイズ:38mm)

 
  追記:

 本日(8月12日(月曜日))、ヒラタの鉄人殿より鑑定結果をメールでいただき、本土ヒラタクワガタで間違いないとのことでした。  採集した場所から考えて、かなり貴重なヒラタクワガタと言えるのではないか、ともおっしゃっていました。

 さらに、皆さんに見ていただきたいものがあります。
 

   

写真3 写真2のヒラタクワガタと同じ場所で採集した個体(サイズ:28mm)

  
 この個体も、本土ヒラタクワガタ(オス38mm)と同じ場所で採集した幼虫から羽化したメスのクワガタムシです。ちなみにサイズは28mmです。下のコクワガタのメスと比較して見てください。
 
   

写真4 写真2のヒラタクワガタと同じ場所で採集したコクワガタ(メス)

  
  この個体は、本土ヒラタクワガタ(オス38mm)と同じ場所で採集した幼虫から羽化したコクワガタのメスです。写真3の個体と比較するとサイズも違うのですが、それよりも、前胸背板の曲線部が違っているように見えます。この個体は、素人目に見ても、明らかにコクワガタであることがわかります。

 果たして、写真3のクワガタムシはヒラタクワガタのメスでしょうか?それともコクワガタでしょうか?

、この件につきましても、現在ヒラタの鉄人氏に鑑定を依頼中です。ヒラタの鉄人氏は、クワガタ採集時に誤って崖から転落し、左足首を複雑骨折され現在も病院に入院中なのですが、病院からパソコンでインターネットにアクセスし、当方のホームページやメールを見ていただいております。

 ただ、ここ数日は治療の関係でお忙しいため、すぐに回答が来るかどうかわかりませんが、回答があり次第ご報告させていただきます。

 もし、写真3のクワガタムシがヒラタクワガタ(メス)であれば、写真2のヒラタクワガタ(オス)との間でペアリングを行い、累代飼育を始めることができるのですが...

  大阪府内の河川敷産ヒラタクワガタペアであることを祈っております。


追記:

 本日(8月13日(火曜日))、ヒラタの鉄人氏より鑑定結果をメールでいただき、本土ヒラタクワガタ のメスで間違いないとのことでした。 「あんな大阪府内の中心都市にヒラタクワガタが居るなんて誰も想像だにしえないでしょう。ある意味、能勢でオオクワを採集するよりも価値が高いかもしれません。」、ともおっしゃっていました。

 大変うれしいと共に、これからが大変だと言うことを、改めて再認識しました。まさに、これまでの累代飼育技術が問われている訳です。正直言って自信ありません。これは私個人の見解ですが、ヒラタクワガタの累代飼育は、オオクワガタよりかなり難しいと考えております。

 オオクワガタは性格が穏やかなので、ペアで飼育してもオスがメスを挟み殺すと言うことが、ほとんど起きませんが、ヒラタクワガタは性格が攻撃的なので、オスがメスを挟み殺すことなど、日常茶飯事です。

 事実、私も国産オオクワガタを飼育しており、自然に交尾させるために新成虫どうしをミニケースに入れて一週間から10日ほど一緒に生活させることがありますが、これまで一度も事故を起こしたことがありません。(注:あくまでこれは私独自のペアリング方法なので、真似をして事故が起こっても、当方はいっさい責任を負いませんので、くれぐれもご注意ください。)

 もし、同じ方法でヒラタクワガタをペアリングさせたとしたら、下手をすれば数時間、長くても数日でオスがメスを挟み殺す事故が起きると思います。昔は中ケースや大ケースでヒラタクワガタをペアで飼育しておりましたが、それでも事故は起きました。それほどヒラタクワガタと言う種類は、性格が攻撃的です。

 10年前はそのような周知の知識すら持ち合わせておりませんでしたので、何度事故を起こしたか、数え切れません。今ではごく一般的に行われているハンドペアリングをした方が良さそうに思っておりましたが、ヒラタの鉄人氏より大きめの飼育ケースであればペアリングさせても大丈夫とのアドバイスをいただきました。その理由は、オスが38mmと小さいからです。

 このぐらい小さいと、メスを大アゴで挟み殺すことが現実的に無理であるそうです。それで、ヒラタの鉄人氏は本土ヒラタクワガタをペアリングさせる時に、小さい個体どうしを種親によく用いるそうです。なるほど、これは非常に理にかなっていると感心致しました。

 私も同意見なのですが、小型個体どうしのペアからは、大型個体が羽化しないと言う血統的な考え方に、ヒラタの鉄人氏は否定的です。なぜならば、これまでに小型個体どうしをペアリングさせて、大型個体を羽化させた実績を持っておられるからに他なりません。数十年の飼育経験を通して得られた実績は、非常に重みがあります。

 後は、7月後半に羽化した個体を、いつ頃ペアリングすれば良いか、アドバイスをいただくことになっております。

 理想的には、複数のメスがいることだと思うので、今日も河川敷に行ってきましたが、足元がまったく見通せないぐらい雑草が生い茂っており、5〜6頭の野犬もいて、身の危険を感じ早々に引き上げました。それでも、とげのあるツル科の雑草で、両腕に切り傷を負い、出血で白いハンカチが真っ赤になるほどでした。

 まだ幼虫の状態の個体が複数いますので、この中からヒラタクワガタのメスが羽化するのを期待しております。
  


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