「 ヒラタの鉄人式、天然微粒子マット作成方法」

ヒラタの鉄人


  野外の朽木(倒木)幼虫採集等において、せっかく苦労して採集して持ち帰った
幼虫が、用意していた市販の昆虫マット(発酵マット等も同様)に投入してもイマイチ育ってくれず、下手をすると幼虫がマットに潜らない(潜ってもすぐにマットから出てきて、マットに潜ろうとしない)ような行動パターンに出くわす事があるだろう。

 その多くは、その幼虫がマットを嫌っているからであり、無理に幼虫を埋めたり、そのまま放っておくと、やがては☆になってしまう・・・・という経験を経験をされた方が居ると思うが、当方の場合は、朽木採集した割カス材を持ち帰ってそれをそのまま砕いて、マットにして使用している。これだと元々その幼虫が育っていた環境下での条件とほぼ同じである故に、★になるリスクが相当削減できると実感している。(但し、★になりにくいだけであり、大きく育つか・・というと、それはまた別の要因があると思っている)

 以下、私が作っている天然微粒子マットを紹介する事にしよう。
といっても、採集家の方々のほとんどの方はそんな事はわかっている事だと一笑に帰す事であるかもしれませんが、幼虫を何が何でも市販のマットでしか育たないと思っておられる方には、一度チャレンジしてみるのもよろしいかと思う次第である。

図1

  昨年の大晦日の日に近所のポイントへ朽木採集に出向きました。クヌギの倒木の一部(直径50cm程あります)が転がっていました。早速、ドギュウ攻撃を加えてみます。・・・と。中はサクサクしており綺麗に朽ちています。湿り気ばっちり・・・すぐに幼虫が出て参りました。

図2

 一気にそこそこ大き目の2頭の幼虫が出現。(間違いなくコクワ幼虫です) こちらの幼虫と共に、朽木を崩した割カス材も、丁寧に持ち帰ります。(但し、基本的に肉質の良い、白いサクサクと良く朽ちた部分のみですが)幼虫はケースに・・・・そして、割カス材は、コンビニ等の袋に丁寧に詰めて、残りの割カス(ほとんど片づけられた状態ですが)については、ちらかったままにせずに、できるだけこの倒木朽木の下部(じべたと接触する部分)に集めて丁寧に敷き込みます。(いづれまたクワガタが産卵しやすいように)これをやる事で、単に削り散らかして帰るよりも少しは気分的にきちんと
後片付けをした!という気持ちになる訳で・・・・^^;(散らかした・・・という後ろめたさを少しでも軽減したい・・・という勝手な自己満足感もあるかもしれませんが)
 

図3

 せっせと持ち帰った、サクサクのクヌギ朽木の割カス材を袋から出した所。

図4

 手で細かくちぎって、ジューサーミキサーの中へ・・・(レシピは、ほど良く朽ちた肉質の部分のみです。^^;)そして撹拌します。 

図5

 ハイ!出来上がりです。(撹拌時間は、約10秒程度)上質の朽木の肉質の良い部分ですので、ミキサーにも負担なくスムーズに撹拌できました。(更に微粒子にしたい場合は、ケーキ用のふるいを使うと超パウダーマットができあがります。)今回は、これで十分です。

図6

 あとは、こうやって容器に詰めるだけです。^^; 

図7 

 ハイ!今回は、500ccカップに、3個分(手詰めですが)取る事ができました。これなら初令幼虫から投入しても安全だと思われます。特に、上級者用の発酵マット(2次発酵、3次発酵等)は、臭いもキツク、使用方法を間違うと、幼虫が即★になる場合もありますので大きさよりも安全性に拘るのであれば、このような方法の方がより安全である・・・と私は勝手に思っています。 

図8

  最後に、おさらいです。
上質の朽木割カス(肉質の良い部分、樹皮が混じらない部分)材をミキサーで砕くだけです。これで、安全な幼虫マットが作成できます。特に幼虫に限らず、成虫の埋め込みマットにも使えます。ぜひチャレンジしてみましょう。

 ―以上ーッス。  
    

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