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6月24日

 イングランドも負けてしまった。それに、スペインまで...

 イングランド対ブラジル戦を観るために、年休まで取ったというのにいまいち盛り上がりに欠ける試合内容だったように思う。イングランドに取って、オーウェンが先取点を取るまでは思い描いていた通りだったと思うのだが、前半終了寸前で同点にされたところで精神的にダメージを受けたのではないだろうか。

 ブラジルから2点取ることは至難の業でもあるし、相当の自信を持っていたディフェンスが、ブラジルの天才的個人技であっさりと切り崩されたショックがあったように思われる。 そのダメージから立ち直れない間に、逆転を許してしまった。

 これを跳ね返せる精神力のなさが、イングランドと言うチームの伝統のようにも思われる。じつにあっさりと負けてしまった。イングランドサポーターの声援が聞けなくなるのが非常に寂しいが、仕方ないだろう。ごれも現実だ。

 ただ、イングランドが負けたと言って、ブラジルが好きにはなれそうにない。どう見ても、ブラジルのサッカーは一部の天才プレーヤーの個人技によって支えられており、組織としての完成度はそれほど高くないように感じるのだが、いかがであろうか。

 ブラジルやアルゼンチンのような、いつでも強いチームが好きな人は、野球で言うならばジャイアンツファンのようなタイプの人が多いのだろうと勝手に想像している。

 準決勝は、予選リーグで同じ組であったトルコと対戦することが決まり、非常にうれしいというか興味深い一戦になりそうに思う。審判のミスジャッジでブラジルが結果的に勝ったことになっているが、実力は伯仲している。

 ブラジル対トルコも、オオクワガタ対ヒラタクワガタの対決に等しい。

 そう言えば、以前日本テレビの電波少年と言う番組で、もてない女性の結婚相手を捜すためにトルコへ行って男性を撰ぶという企画があり、結果としてトルコの人々のプライドを傷つけ、政府を通じて抗議を受けると言う事件が起こったのを思い出した。

 トルコにしてみれば、日本戦の勝利によって、そのときの借りを返したことになる。きっと、トルコの人もそのような出来事は忘れているに違いないと思うが、日本にしてみれば、負けるべくして負けたのかも知れない。情けない話であるが、これが日本の実状の偽らざる実状として、受け止めなければ仕方ないと思う。

 さて、今大会は審判のミスジャッジが問題になっているが、以前にも書かせてもらったように、所詮人間が判定するのだから、間違いはつきものである。問題は、間違っているのではと判断されたときに、それを即座に修正するシステムが、どのスポーツにもルール化されていないことではなかろうか。(その点、日本の相撲にある「物言い」というシステムは、大変優れた日本が世界に誇るべきルールだと思う)

 ここは、やはり思い切ってビデオ判定を導入するべきだと考えるが、いかがであろうか。スピードが売りものであるサッカーの醍醐味が失われると言う人も大勢おられると思うが、結果として今大会のように、後から審判のミスで負けたことを堂々と公言してはばからない国がぞろぞろと出てくるのであれば、それも仕方ないのではと思われる。一度導入してうまくいかなければ、また見直せばよいのであって、試す前から異論を唱えていては、何の進歩もない。

 結局のところ、そのようなルール改正を妨げているのは、ジャッジを下す立場にある一部の人々のくだらないプライドだけなのであろう。ばかばかしいにも程がある。

 準決勝進出を遂げた韓国に対しても、負けた強豪国すべてがミスジャッジを理由にしているが、実際それだけで負けた訳ではないだろう。サポーターの異常とも思える熱狂振りも凄いが、事実、韓国は強い。特に、イタリア戦を見てこれは本物だと思った。韓国の強さを肌で感じているのは、きっと戦った相手の選手自身だ。

 個人的意見としては、韓国が勝ってもうれしくとも何ともないと言うのが正直な気持ちだ。お互い、共催したくてした訳でもないし、隣の国だからと言って必ずしも仲がいいと言う根拠は何もない。むしろ、歴史的に見て収奪の対象となる隣国同士の争いは世界中で起こっているし、現にインドとパキスタンも戦争しかねない事態が続いている。

 韓国人が日本人に対してどのような感情を抱いているかは、年齢層によって違うと思うが、それは日本人の韓国人観にも言えることだろう。

 ただ、現時点ではっきりしているのは、サッカーに関する限り現在の韓国のほうが日本よりはるかに強いということだ。日本はこの実力差を素直に認めない限り、今後も韓国には勝てないだろう。同時に、ワールドカップに挑戦し続ける限り、韓国を目標にするべきだろう。

 韓国が優勝すれば、日本が韓国と肩を並べるためには、優勝するしかなくなる。それが可能かどうかは将来のことなのでわからないが、確率としては恐ろしく低いものになるのではないか。

 そう考えると、日本人が韓国の優勝を望んでいるとは考え難い。それは、将来に渡って韓国に対してぬぐい去れないコンプレックスを持ち続けて行かなくなることに等しいからだ。

 逆の立場である韓国の人にとって、ここで優勝すれば、ほぼ未来永劫日本に対してアドバンテージを持てることにもなる。ここは日本に一泡吹かせてやるチャンスだろう。(準決勝進出でも、そうとう優位に立ったと言える。)それに、世界中が韓国という国に対して一目置くようになると思われる。

 ここはひとつ、経済大国と言う幻想にあぐらをかいてきた、つまらないプライドを持っている日本に、これまでの借りを返してやってほしい。そして、思い上がってきた日本に反省の機会が訪れることを願って止まない。(既に、不況でそうとう反省させられているとは思うが...)

 まったく話は変わるが、試合前の国歌演奏を聴いていると、つくづく羨ましくなる。

 個人的に好きな国歌ベスト3を並べると、

 1.ロシア 2.ドイツ 3.イングランド

 と言う感じだ。

 そう言えば、 イングランドサポーターは、対ブラジル戦で国歌を斉唱する際にテンポが速すぎたように感じた。よく伴奏を聞いて歌うぐらいの余裕があれば、ブラジルにも負けなかったのかも知れない。 何事も、焦ってはダメだ!

6月28日

 

波乱の多かったワールドカップも、決勝はドイツ対ブラジルと言う平凡ではあるけれども興味深い対戦となった。個人的には、ドイツに勝ってもらいたいと思っている。しかも、一点も取られずに勝ってくれると、なおうれしい。

 理由は実に単純で、ドイツから得点を奪った唯一の国がアイルランドとなるからである。

 それに、ブラジルのサッカーは、見ていて楽しくない。あの人間離れした技は、ブラジル人でしかなし得ない。つまり、お手本にならない人達のサッカーなのだ。

 ブラジル人のサッカーを見るたびに、いかに日本人が努力しようとも、この人達に近づくことができない大きな壁を感じる。サッカーに関する限り、住む世界が違うのだと思うが、いかがであろうか。

 決勝戦も楽しみだが、3位決定戦も見応えのある試合が予想される。韓国、トルコどちらにしても、3位になることは十分に価値ある快挙だ。

 この結果によって、日本は決定的に韓国から差を付けられると思う。

 先日、日本代表選手が番組中で、韓国と試合をしてどちらが強いか戦ってみたいと非常に低次元な話をしているのを聞いて、悲しいとともに腹立たしく思った。

 これから何度、日本が韓国と戦って勝とうとも、ワールドカップで準決勝以上に進出しない限り韓国に勝ったことにはならないはずだ。

 それまでは、ワールドカップでベスト4の韓国と、ベスト16の日本と言う誰も否定できない事実のみが残り続けるだろう。

 日本がそれを上回るためには、決勝に進出するしかない。しかも、ホーム以外の国で行われる大会でブラジル、ドイツ、アルゼンチン、オランダ、フランス、スペイン、イタリア、イングランド等々の強豪を破らなくてはならない。

 しかも、次からはまず予選リーグを突破しなければならないのだ。

 これはもう、どう考えても不可能に近いのではないか。いくらアイリッシュ魂を見習って戦い続けたとしても、無理なものは無理だ。決勝どころか準決勝進出すら想像できない。

 しかしこれが現実であり、日本と言う国がサッカーという世界的スポーツに対しておかれている立場を十二分に認識できてよかったとも言える。

 そう言う意味でも、今回のワールドカップは世界中から日本と韓国に対して与えられた褒美のひとつとして、ありがたく感謝する大会であったと認識する次第である。

 とにかく、明日と明後日の2試合は、ゴールデンタイムに見られる最初で最後のワールドカップとして、心に刻みつけておきたいと思う。

 

 


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