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6月13日

 

 それにしてもアイルランドはねばり強い! 粘りに粘って、ついに決勝トーナメント進出を果たしてくれた。もう、何も言う言葉がないぐらいうれしい。これでワールドカップが終了してくれないかとバカバカしいことすら考えてしまうほどだ。

 決勝トーナメントは韓国で戦うことになり、よりによって相手は3戦全勝の無敵艦隊スペインである。いよいよこれまでかもしれないが、相手にとって不足はないし、ワールドカップの名に恥じない見応えのある試合をしてくれるものと思う。

 一昨日はドイツ対カメルーン戦を見ながら、アイルランド対サウジアラビアの途中経過を一喜一憂して聞いていた。前半に1点を先取したとき、「これはもしかしたら行けるかも!」と一気に期待が膨らんだが、後半に2点目を取るまでは、ヒヤヒヤし通しであった。

 いくら相手が予選敗退決定のサウジアラビアとは言え、サッカーは何が起こるか判らない。その証拠に、昨日はついにアルゼンチンが予選リーグから姿を消すことになった。これは本当に驚きである。

 フランスのだらしなさに比べ、アルゼンチンは画面を通してもその強さが伝わって来ていたので、苦戦はしても必ず予選を突破すると思っていた。スウェーデンが頑張ったことと同時に、アルゼンチンにつきがなかったのであろう。残念だ。

 優勝候補と呼ばれるチームが次々に脱落して行く今回のワールドカップは、専門家にも先が読めないのではなかろうか。そう言えば、フランスが初戦で負けたときに、日本の解説者が「これは、フランスが優勝するためのドラマの幕開けでしょう。必ずやってくれると思います」等の発言を聞いた。

 このような程度の解説しかできないバカな人が、昔は日本代表の選手だったのだから、日本も弱かったはずだ。実に情けなく、かつ腹立たしく思う。素人でも考えつくような答えしか出てこないのならば、解説などしないでほしい。専門家であるならば、「う〜ん、さすが!」とファンを唸らせる解説をして欲しい。

 その点、岡田前日本代表監督は、初戦でフランスが負けたときに「このままでは予選リーグ敗退も十分あり得る」と発言されていた。さすがである。きっと、開幕直後にそうした発言をすることは勇気が必要だったと思うが、自分の考えに信念を持っているから出来るのだと思う。素晴らしい。他のお調子者とは訳が違う。

 明日はいよいよ日本が決勝トーナメント進出をかけて戦う日だ。気を抜かなければ、負ける相手とは思わない。心配なのは、先取点を取られることだろう。それさえ防げば、きっと大丈夫だ。(と思いたい。)

 会社を休んでTV観戦する予定にしていたが、仕事の都合で無理になってしまった。こうなれば、決勝トーナメントの日に休んでやろう。必ず!!

 そのためにも、明日はぜひ勝ってほしい。

6月17日

 

 昨日のアイルランド対スペイン戦は、まさに双方死力を尽くした戦いと言うにふさわしいものであった。このような素晴らしい試合をTVを通じて観戦できる機会に巡り会えたことをありがたく思う。

 それにしても、アイルランドをここまで駆り立てるものはいったい何なのか。ラウル、モリエンテス、イエロが迎え撃つあの無敵艦隊スペインに対してこの驚異的、奇跡的な粘りを発揮するエネルギーは、どこから湧き出て来るのだろう。

 徹底的に攻められ、土壇場まで追いつめられてもあきらめず、愚直なほど正直な戦法でひたすら攻撃を仕掛け、ようやく手にしたペナルティキック(以下PK)。しかし、それも失敗してしまうとは....

 今大会を通じてPKを失敗したのは、アイルランドが始めてではなかろうか。普通なら、PKを失敗した時点で勝負あったと見るのが最もらしい見方だろう。さすがに当方もこれで勝負あったと観念した。

 しかし、何度も言うようで申し訳ないが、ここからがアイリッシュ魂の見せ所だったのだ。跳ね返されても逆襲されても、ただひたすら自分たちがこれまで積み上げてきた戦法を信じて攻め続け、後半終了2分前に再びPKを勝ち取る。

 1試合に二度PKを得たのも、今大会でアイルランドだけだ。まさに奇跡的だ。アイルランド人の執念が、このPKを勝ち取ったと言えるのではないだろうか。そして、遂に同点に追いついたのだ。

 延長戦では、10人のスペインに対して優位に試合を進めながらも、決定的なチャンスが作れない。疲れていたのだろう。しかしながら、私にはそう思えなかった。一人少ないスペインに対して、全力で戦う気力が少なからず削がれてしまったのではなかろうか。相手が11人であったなら、もしかすると勝てていたかも知れない。

 敵の弱点をついて攻撃をしかけるのは、勝負に勝つための正しい戦法であろう。しかし、アイルランドにはそれができなかった。90分全力で戦って来たのは相手も同じなのだ。その相手が反則でなくて怪我のために一人少ない。どうして、その相手に全力で戦えと言うのだろうか。激闘を共有し合ってきたスペインに対する畏怖の念とともに、言葉ではうまく説明できない仲間意識が生まれていたように感じるのは私だけであろうか。

 ハンディのある相手と公平に決着を付ける手段。それはPK合戦しか残されていなかったのだ。たとえ、その選択が自分たちにとって不利な選択であったとしても。

 そして、最後に訪れた現実。

 試合終了後はこの事実が自分でもよく把握できず、それほど悲しいと感じなかったのだが、一晩明けてようやく受け止めることができるようになった。

 敗れはしたものの、ポルトガルやオランダと同じ欧州予選リーグに入りながら一度も負けず、プレーオフに勝ち抜いてここまでやってきたアイルランドの本当の強さを肌で感じることが出来て、ほんとうにうれしく思う。

 1月10日の飼育日記帳で、次のようなことを書いているのを思い出した。

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 「日本と同じぐらい応援しているのは、何と行ってもアイルランドだ。あのオランダの出場を阻み、プレーオフでイランに勝って出場を果たした実力あるチームだ。」

 「いつもクワガタにたとえて申し訳ないけれど、
イングランドがオオクワガタなら、アイルランドはヒラタクワガタだと思う。皆さんもお好みのチームや選手がいると思われるが、ぜひアイルランドを応援して欲しいと思う。」

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 一緒になってアイルランドを応援してくれた方々には、こころよりお礼申し上げる次第である。

 また「私の考える、ヒラタクワガタ的存在の参加国」として、以下の国をピックアップしたのだが、

A組:デンマーク  B組:スロベニア  C組:トルコ  D組:ポーランド
E組:アイルランド F組:スウェーデン G組:クロアチア H組:ベルギー

現時点(6月17日)で勝ち残っているのは、トルコとベルギーだけになった。

 果たして、ベスト8に勝ち残ってくれるのであろうか。ベルギーはブラジルと今夜、トルコは日本と明日対戦する。

 昨日で、実質的に当方のワールドカップは終了した感があるが、アイルランドを破ったスペインにはぜひ決勝まで勝ち残ってもらい、アイルランドの実力を再認識させて欲しいと思う。

 不屈のアイリッシュ魂は、世界中のサッカーファンに間違いなく伝わった。

6月20日

 

 とうとう日本も負けた。対戦相手のトルコは主力選手二人が出場できないので、もしかすると勝てるかもしれないと思っていたが、やはり現実はそう甘くなかった。試合内容については、雨のせいもあったかも知れないが、いまいち盛り上がりに欠けたように感じる。

 TVや新聞を見ても、先発メンバーの起用方法など、監督の采配に疑問を投げかける記事が多く見られたが、それも含めてこれが現在の日本の実力だと思う。

 ただ、残念なのは、アイルランドのように、先取点を取られたら何とかして同点に追いつこうとするひたむきさが日本代表に感じられなかったことだ。フランス大会でも感じたが、パスやシュートに失敗して苦笑いしている選手がいる。 笑っている暇など、これっぽっちもないはずなのに...

 そのあたりの、勝負に対する執念が足りない。勝ちにこだわっってこそ、負けたときの価値も出ると思うのだが、何となく試合をしてしまったのではないか。

 「この次のドイツで頑張る」と言う選手もいたが、冗談じゃない。今度は予選リーグを突破しない限り、本大会には出場できないのを認識しているのか疑問に感じる。ホスト国として予選なしに出場できた幸せをもっと感じて欲しかったと思うのだが、いかがであろう。四年後にまた出場できるとは限らないのに...

 これで日本のW杯熱もかなり冷めると思われるが、ほんとうにおもしろいのはこれからだ。明日はイングランド対ブラジルの試合もあるし、まだまだ見逃せない。私も明日は会社を休んで観戦するつもりだ。

 実を言うと、火曜日の日本対トルコの試合を見るために会社を休む計画にっしていたのだが、金曜日のイングランド対ブラジルをみるほうがよっぽどおもしろいと思って取りやめた。私の愛国心とはその程度のものである。

 それに比べると、韓国の人の愛国心はほんとうに凄まじい!

 アメリカ戦のときにも感じたが、あの執念深さは尋常とは思えない。すべてのスポーツに関して言えると思うのだが、もともと人が判定するようなスポーツに公平さを求めること自体がナンセンスであって、どちらかに有利に働くのが自然なのである。

 不利な判定があってのスポーツと言えるのだから、あきらめも肝心であると思うのだが、どうだろうか。 

 韓国の戦い振りを見て、「臥薪嘗胆」と言う故事を思い出した。

 ところで、日本が負けて残念であったが、私が撰んだヒラタクワガタ的存在の参加国としてトルコが唯一勝ち残ってくれた。もちろん、次の試合はトルコを応援するつもりでいるし、ぜひとも勝ち進んで欲しい。トルコ以外に勝ち進んで欲しい国は、何と言ってもイングランドだろう。あのサポーターの迫力は素晴らしい。日本や韓国と違い、若い人だけでなく応援する人の年齢層が幅広いのが魅力だ。さすがにサッカーの母国と言う感じがする。

 準決勝は、イングランド対トルコと言うオオクワガタ対ヒラタクワガタの対決を密かに心待ちにしている今日この頃である。

 そうなるように、どちらも準々決勝は全力で勝ち抜いていただきたい。

 


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