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9月13日

 

 大変なことが起こってしまった。TVの画面を見ていると、現実のこととは思えないような錯覚にとらわれてしまう。それほど想像もつかないことが起こった。これは虚構ではない。正真正銘の事実だ。

 このような蛮行を実行できてしまう人間とは、ほんとうに恐ろしい生き物だと思う。 宗教やイデオロギーの行き着くところが、こうなるのだろうか。

 過ちは繰り返す。それが人間の本質のように思えてならない。

 ほんとうの敵は外にいるのではない。自分自身の心の中にあるのだ。

10月1日

 

 米国同時多発テロが起きてから、3週間が過ぎようとしている。アメリカは報復に向けて着々と準備を整える一方、テロの首謀者を匿っているとされるアフガニスタンのタリバーン政権は、徹底的に抗戦する態度を崩さない。マスコミの予測では、近いうちに報復攻撃が開始されるとのことだが、仕方のないことだと思う。

 アメリカにとって見れば、あれだけ自国民を一瞬のうちに殺されてしまったのだから黙っている訳がない。気の済むまで報復すればよいと思う。

 しかしながら、アメリカが自覚しないといけないことは、如何に自分たちがテロリストと呼ばれている人たちから憎まれているかということではないだろうか。何の罪もない人を巻き添えにする非道な行為とは言え、まさに命をかけるほど彼らをここまで駆り立てたものは、単にイスラム原理主義と言うイデオロギーだけではないはずだ。

 あくまでそれは建前であって、アメリカと言う国から受けた耐え難いほどの憎しみが心の奥底に潜んでいるからではないのか。アメリカに取ってみれば、そのように思われるいわれは何もないと言い張るだろう。「自分たちのどこがいけないのだ。我々は恨まれるようなやましいことは何もしていない。それどころか、世界中の平和を守ってやっているのは、我々なんだ。恨まれるどころか、感謝されて当然ではないのか。こんな自由で素晴らしい国は、世界じゅうどこを探しても見当たらない。いいかげん、逆恨みもいいとこだ。」

 もともと、自分の行動を省みて反省すると言うことには無自覚な国だから、このように考えるのが関の山と思われる。とにかく、自分たちがいつもベストなポジションを占めていないと気が済まない、力の論理を貫き通す誇り高き国だ。そうしたものの考え方や態度を改めない限り、未来永劫いつまでもテロリストによる報復は続くだろう。

 「話し合えばわかる。話し合いによる解決を!」と、お題目のように唱えている脳天気な人達は、いつか容赦なく話しのわからない相手に撃たれることになる。話せばわかるというのは、単なる幻想に過ぎない。現実を直視せず幻想を追い求める無責任な姿勢には、腹立たしささえ感じる。

 冷静になって考えてみればよくわかることだが、同じ民族いやそれどころか親兄弟親戚であっても、なかなか相手の気持ちを理解し合えない現実。力のあるものは合法的な暴力に訴え、力のないものは非合法的な暴力に訴える。それの繰り返しだ。国同士の争いも、国とテロリストとの争いも、人間同士の争いの一形態に過ぎない。

 放っておいたら何をしでかすかわからない。それも人間本来の姿だろう。そうならないよう、法律と言うルールを作ってブレーキをかけていることを、我々は忘れてはならない。

 生きて行くのは、ほんとうに厳しい。今、自分の目の前にいる相手はどのような人だろうか。気心が知れていると思っているのは、自分勝手な思いこみではないだろうか。知らず知らずの間に、相手を傷つけているのではないだろうか。「気が付きませんでした。」では済まされない。それは自分の都合の良い解釈に過ぎない。

 面識があるなしに関わらず、一度じっくりと考えてみる必要があると思う。

 

10月12日

 

 先週始め、ヒラタの鉄人さんより今年最大の空爆を受けた。ヒラタの成虫と幼虫、それにオオクワ幼虫合わせて29頭。(タリバーン兵とおぼしきノコギリクワガタを含む) オオクワ幼虫に関しては、とりあえず行き先が決まっていたので何とかなったのだが、ヒラタに関しては当方で面倒を見る義務もあり、途方に暮れたというのが正直な気持ちだ。

 3連休を利用してようやく入れ替えが終わり、幼虫も元気にマットに潜り込んでいる。来年の春、成虫になった暁には、再びこちらから空爆をかけようと思う。これぞ、里子飼育の本質だと考えられるが、いかがであろうか!

 もちろん、来年まで待たずに報復攻撃を行ったのは言うまでもない。今年は爆弾となる幼虫が不足しているため、新成虫による攻撃しかできなかったが、逆にそれがほんとうにダメージを与えたらしく、当方としては非常に満足のゆく結果となった。

 ただ、送られてきた数と相殺されて、飼育数にはほとんど変化が見られないのが残念である。

 ところで、みなさんと同じように最近やはり気になるのは米国同時多発テロのよるアフガニスタン報復攻撃の状況だ。先日も、アメリカの報復攻撃はやむを得ないと言ったが、気になるのは爆撃と同時に非常用食糧を投下しているとのこと。地上から対空砲火を受けないようにするため高空から投下している結果、目標とするところになかなか落とせないらしい。

 それに、投下された食糧に中にアフガニスタンの人が信仰するイスラム教の教えで、口にしてはいけない豚が加工されて入っているという。そのため、食べるに食べられないで困っているそうである。

 事前に準備しておきながら、イスラムの人が食べられないものを投下するとは、考えにくいことでもあるし、実際にそうであれば如何にアメリカが無神経かと言う証明にもなりそうだ。アフガニスタンにとっては、形ばかりの偽善的な行動と受け取られてもおかしくないだろう。

 しかし、それよりも当方が腹立たしく思うのは、食糧を空から投げ落とすことにある。いくら、アフガニスタンの人が食糧難で飢餓の状況に瀕しているとは言え、人間が食べるものである。家畜に与えるエサではないのだ。こういうときこそ、隣国のパキスタンに協力してもらって、トラックで陸上から輸送する方法を考えても良いのではないだろうか。食糧を空から投げ落とすと言う行為が、如何にアフガニスタン、引いてはイスラム世界のプライドを傷つけているか、アメリカはわかっていない。これこそ、アメリカとイスラムの対立そのもののように感じる。

 テロリストやゲリラを捕まえるために犠牲が出るのは仕方ないが、食糧援助のために犠牲が出るのは許せないというのが、アメリカ政府や国民の偽らざる気持ちなのだろう。

 食糧投下がアフガニスタン攻撃の免罪符には決してならない。 

11月 1日

 

 最近は、以前より日記を書くようになったと自分なりに思っていたが、履歴を見てみるとそれほどでもなくてがっかりする。10月も、結局2回しか書けなかった。せめて週に一回は書けたらと思うが、いつになったら達成できるか見当もつかない今日この頃だ。

 先週、コンテンツに「里子攻撃の本質を考察する」を追加したところ、思った以上に反響があって非常にうれしい限りだ。掲示板によると、同じような経験をされた方も結構おられるようで、詳細なメールを送って頂いた方もいた。心より感謝する次第である。人それぞれ考え方が違うので異論もあるかと思われるが、当方の考え方としては、今回ご説明させてもらった内容に尽きることをご承知いただきたい。

 鉄人さんとともに、昔からのクワ友であるたいめんさんにおかれては、『すいません!私「貰えそうだから」買い控えてるのいっぱいあります(苦笑)。』と発言されているものの、たいめんさんの場合、これまで外国産クワガタやカブトの価格が今よりも恐ろしく高かった時代に、十分過ぎるほど自力購入されたことを当方も承知しているので、考察で指摘した事例とは訳が違うのである。

 恥ずかしい話で恐縮だけれども、7年ほど前に本土ヒラタ1♂、2♀を5000円で奈良オオから購入した経験がある。これが高いか安いかは、その人の価値観によって異なるかと思うが、念願の本土ヒラタを入手できたことで、当方としては非常に満足であった。

12月28日

 
 気がつけば、今年もあと数日で終わる。今年の飼育日記帳も、これが最後になりそうだ。11月28日以来、ほぼ2ヶ月ぶりの日記帳。書く時間がほんとうになかったと言うよりは、書く気持ちの余裕がなかったと言った方が正確だろう。

 普通の人に取ってみれば、大したことはないのだろうが、私にすれば、ここ数ヶ月はちょっと働きすぎたように思う。別に、これまでもサボっていたわけではないが、とりあえず人並みには仕事をしたと思う。

 それが障害になったとは言えないまでも、時間の余裕がなくなると、クワガタ飼育やホームページ更新に費やす時間も必然的に減らさざるを得ない。残念だが仕方ないと思う。それに、最近はクワガタより息子と遊ぶ時間を確保する方が大事に感じる。クワガタ飼育は、これからも本人の意思があれば継続して行ける。しかし、息子と過ごす時間、もっと正確に言うと5才になる息子と遊ぶ時間は今しかない。

 私にとって、かけがえのない息子と過ごす時間は何よりも大切だ。ここ1年ほど、息子の成長を見ながら休日にクワガタ飼育に取られる時間が、何とももどかしく感じていたのが正直な気持ちである。「果たして、これでいいのか! 他にすることがあるのではないか!」

  来年は、これまでの反省を踏まえ、家族と一緒に過ごす時間を一分一秒でも多く取れるよう心がけながら、初心に帰ってマイペースでクワガタ飼育とホームページ更新を続けたい。何と言っても、家族あっての私であり、クワガタである。

 みなさん、本年もお世話になりました。また、来年もよろしくお願いいたします。

 

 


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