八百屋お七の墓           八百屋お七の墓



情炎 乙女を放火に導きたりと


哀れ十六 鈴ヶ森の炎に消えぬ 


爾來 華の虚構に蘇生すれども


墓碑 唯 「お七」の二字を留むるばかり










                                                                                                                           圓乘寺境内 (東京都文京區白山)
       
お七は、天和二年(一六八二)十二月の火事
で燒け出され、圓乘寺で避難中、小姓と戀仲
になった。そして、再度逢いたい一心で、放
火をした。
この大罪で捕えられ、翌年、鈴ヶ森で火炙り
の刑に處せられた。數えで、十六歳であった
という。しかし、この放火は、眞相かどうか
は定かではない。お七の話は、やがて淨瑠璃
や歌舞伎に脚色され上演された。
墓石は三基あり、中央は住職が、右は寛政年
間に岩井半四郎が、左は近所の有志が、それ
ぞれ建立したものである。

情炎 じやうえん  火のように燃え上がる
               戀情

鈴ヶ森 すずがもり  今の南大井にあった
                刑場

爾來 じらい  その時以來

虚構 きよこう  作りごと

蘇生 そせい  生き返ること
                                                           


                                           

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