露草           露 草


深碧の鮮花 路傍を 覆ひ


花瓣の玉露 涙滴かと 疑ふ


此花 朝咲き夕べに消ゆると 聞けば


忽ち覺ゆ 涙 薄命の嘆き故かと










露草 つゆくさ  別名、月草。草地や道端に生
える一年草。高さ三〇センチ餘、地に臥す傾
向がある。花は夏から初秋、鮮やかな青色で、
左右相稱。

 開花時間は短く、早朝咲いた花は、午前中に
閉じてしまう。萬葉集に、この朝露のように、は
かない命を詠い込んだ歌がる。

    朝(あした)咲き  夕(ゆふべ)は消ぬる  月草の 

                 消ぬべき戀も  我れはするかも

                        『萬葉集 卷十  二二九一』


深碧 しんぺき  濃いあお色

花瓣 くわべん  花片

玉露 ぎよくろ  玉のような露

涙滴 るいてき  涙のしずく

朝 あした

薄命 はくめい  短命

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