曾根崎心中          『曾根崎心中』の森



近松 この地の情死 劇化すれば


忽ち集む 萬人の讚評と涙 


今 比翼連理の像 眺むれば


迫り來るは 「この世の名殘り・」のあの哀調

                                                                          







                                                                                    

                                                                                                                                                                                                                                                                         露天神社  (大阪市北區曾根崎)

近松門左衞門の『曾根崎心中』は、元祿
十六(一七〇三)年に、この神社の近く
の森で起った心中事件を題材にして、竹
本座で上演され、大ヒットした。お初と
徳兵衞の道行きを語る名文・名調子は、
世話物淨瑠璃の傑作として、今も多くの
人に愛されている。

この世の名殘。夜も名殘。死ににゆく身
をたとふれば、仇しが原の道の霜。一足
づつに消えてゆく。夢の夢こそ、あはれ
なれ。

今、兩人の墓の前には、お初と徳兵衞の
比翼連理の像が建てられている。

情死 じやうし  心中

萬人 ばんにん  多くの人

讚評 さんぴやう  賞めた批評

比翼連理 ひよくれんり  「比翼の鳥、
         連理の枝」の略。
     男女の深い契りのたとえ。



                                                                                                       


                                           

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