大葉子


大葉の緑草 路傍を覆ひ


今日 復た踏まれ踏まるるは幾度か


我が生 艱難辛苦にありと悟りたるか


踏壓無情の場に 群生するとは










大葉子 おほばこ  人が踏みつけるような
道端や空き地に生える多年草。大葉子、
すなわち、幅の廣い葉にちなんだ名。漢名
の車前(しゃぜん)も、車の通る道に多いこ
とによる。

 大葉子が、踏まれに強いのには祕密がある。
① 葉も莖も柔く、かつ堅い構造を持つている
こと。② 葉も莖も地面に伏していること。

 大葉子は、ほかの植物との生存竸走には弱
いことを知つている。そこで、ほかの植物との
無用な爭いを避け、生き拔いていく戰略をと
った。

 それは、ほかの植物の弱點、踏まれると死滅
してしまう道を逆手にとり、そこを我が生き
拔く環境にしたのだ。つまり、踏まれ踏まれる
逆境に身を置いて、自らを鍛え、生存竸走を
克服し、逞しく生き拔いているのである。

 大葉子のように、植物は、唯漫然と生きてい
るのではないのだ。

今日 こんじつ

復た また

幾度 いくたび

踏壓 たうあつ  強く踏むこと

艱難辛苦 かんなんしんく  困難に出會つて、
            つらく苦しい思いをすること。

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