稻架木          稻架木


昔日 黄金の稻穗を 擔ひ


今日 越後の面影を 傳ふ


知らず 稻田に立つこと 幾星霜か


ただ知る 列樹 寒天に屹然たるを












稻架木 はさぎ  稻をかける木。ここ越後
では、かって、籾(もみ)を自然乾燥して
いた頃は、田や畔(あぜ)に竝木(なみき)
状に植えられていた稻架木(サトトネリコ
等の木)に、竹等を横に渡して、それに刈
り取つた稻をかけて、天日で乾燥させてい
た。稻架木にかけられた稻穗が、秋の陽を
浴びて黄金の襖(ふすま)のように輝いて
いる姿は、まさに越後の風物詩であった。

 しかし、農業の機械化の進展に伴い、こ
の稻の乾燥方法が、人工乾燥に變り、今は
あの自然乾燥の風情が見られなくなった。
今日では、昔の面影を殘すためか、一部の
地域で保存されているだけである。

昔日 せきじつ  むかし

今日 こんじつ いま

黄金 こがね

擔ふ になふ かつぐ

幾星霜 いくせいさう  幾年月

列樹 れつじゆ  竝木状の木。ここでは、
              稻架木を指す。

寒天 かんてん  冬の空

屹然 きつぜん  毅然として高く聳える
             さま

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