Playstationとはいったい何だったのか。
ゲームハード乱立期を勝ち抜き、未だ現役を貫くPlaystation。
このゲーム機がゲーム業界に残した物は何だったのか。
Playstation。その道筋は平坦な物ではなかった。
次世代ハードと呼ばれ、それまでの3大ハード、PCエンジン、メガドライブ(メガCD)、スーパーファミコンの次代を担う物だった。
そして、その次世代ハードはこれまでになく候補が多かった。
まずはメガドライブのセガが発売したセガサターン、Panasonicが発売した3DO、PCエンジンの次世代機PC-FX、任天堂のニンテンドー64、すごいゲームを持って帰ろう!のコピーで登場したNEOGEO(NEOGEOCD)、そして、Playstation。
次世代機と呼ぶのは難しいかも知れないが、プレイディアと言うのもあった。
その中で、Playstationは唯一生き残った。しかも、2003年10月現在まだ現役で。
Playstationが生き残った理由は何だったのか。
ゲームメーカーと言う理由はほぼ間違いないが、スクエアが切り札というのは間違いだろう。
最初から参入が決定していたナムコが最も影響を与えているはずだ。
これはそれまでのハードでゲームに対する目が肥えている人向けの意見になるのだが。
要するに、ゲーマーを取り込むためには必要な手段だったわけだ。
Playstationは、ゲームをビジネスとしてとらえ、それまでのユーザーだけでなく、潜在的な一般ユーザーの開拓にも力を入れた。
それが、エニックスの取り込みだろう。
ドラクエが出るとなれば社会現象にまでなった存在、一般人でも知らない人はそういないだろう。
それを考えると、ナムコとエニックスの取り込みがPlaystationの勝ちを揺るぎ無い物としたといえる。
おかげで被害を被ったところも多いけどな。
特にサターン系メーカー。
後述する予定だが、Playstationのポリゴンオンリーと言う考え方とスプライト重視というサターンの考え方は相反する物だったし、それまでのメーカーはスプライトを得意としていたのは明白。
ナムコはたまたまアーケードで技術があったからな。
それに、ナムコの初期のラインナップはどうだ。
鉄拳、サイバースレッド、リッジレーサー。全てゲームセンターで大人気だったゲームだ。
これが家で出来るってんだから、ゲーマーが黙って見ている訳無いわな。
と言うわけで、Playstationが勝者となった理由はソフトハウスの取り込み、特に初期のナムコと中期のエニックスと言う2本柱の取り込みに成功したからだろう。
スクエアはPlaystationが売れたから売れただけだ。任天堂に対する仕打ちはどういうことだ。
FFクリスタルクロニクルで恩返しのつもりか?あほが。
まぁ、それはそれ。
では、Playstation発売後のゲーム業界について私見を幾つか。
まずは、クソゲー、堕ゲー、駄目ゲーが増えた。ファミコンより多いだろう。そして名作、秀作が減った。
特に名作と呼べるゲームはPlaystationでは無いと言っても過言ではないだろう。
個人的にあげられるなら「どきどきポヤッチオ」だな。プレステ史上最高のゲームであることは間違いない。
名作のカウントにシリーズ物は除く。純粋にPlaystationで生み出された名作という意味でだ。
そして及第点に至らないゲームが増えた。
理由は簡単。
ポリゴンだからだ。
それまでのゲームハードと一線を画すPlaystation。
過去のゲーム機で主流だったスプライトを捨て、ポリゴン一本に絞った。
それまでのノウハウを生かせないんじゃ、良いゲームなんて出来るはずがない。アイディアがあっても形に出来ないんだから。
ポリゴン3Dゲームの最大の欠点は特徴、長所でもある視点「3Dであること」なのだから。
元々2Dの画面に3D表示をするというのが間違い。
空間認識力が弱い左右の目で平面に表示された3D画面を見て瞬時に奥行きが解る訳無いだろう。
しかも作り手も解ってないから、遠近感や影の出し方、光の具合など現実味を欠いた表現ばかりだった。
だから、ゲームがつまらなくなった。
敵と重なったらアウト、ではないのだ。
はっきり言って、ゲームの3D化は反対だった。ぱっと見て処理するべき情報が多すぎて、一瞬ではどうしようもない。
ゲームは瞬時の判断力が必要な物なのに、瞬時に処理できる量を超える情報を押しつけられるのだから。
あんな物を見て喜んでいるやつの気が知れない。
本当は、サターンが、スプライトが勝つはずだった。
ま、みんな家電屋であるソニーに踊らされてしまったって事だろう。悲しいことだが。
そして、Playstationがその後のゲーム業界の道筋を作ってしまった。
ハードがソフトの道筋を作ってしまったんだ。
それまではソフトがゲームの道を作っていたのは解るだろう。
インベーダー、パックマン、ドンキーコング、グラディウス、ドラゴンクエスト・・・そう言った物がゲームの道を作っていた。
ハードの制約じゃない。アイディアの制約でゲームを作っていたのに・・・
何故プレステは今後のゲームはポリゴンだ、と決めてしまったんだろうか。
2D格闘の雄、CAPCOMのストリートファイターZEROでさえも、ポリゴンで作られているんだから、悲しい世の中だ。
テクスチャがどれだけ優れているかわからんが。
スプライトは優秀だったな。人の視覚とマッチしていた。
だからあれだけゲーム業界は発展したんじゃないか。
ゲームを作ったことがある人なら解るはずなんだが・・・
次に、ゲームを作るのが比較的簡単になった。
これはC言語ベースという非常に一般的な言語体系に準拠した開発環境だったからだ。
それどころか、ソフトを出すのも簡単だった。
殆ど制約無かったんじゃないか?任天堂に比べると。
このあたりはSCEIは形振り構わなかったんだろう。数で勝負、そんな所だ。
そんなわけで、クソゲーメーカーが乱立した。
個人的にはアイディアファクトリーはそれにはいると思っている。
アスミックも当然そうだし、Sanyoもゲーム出してたな。
あー、あんまり多くてわからんな。
しかも、まともなメーカーはつぶれる運命にあるらしいしな。
ライトスタッフ、フェイス、アイレム(まだあるけど)、ヒューマン、テクノスジャパン、データイーストやらうんたらかんたら。
何かがっかりしちゃうな。
これがソニーの仕打ち。
それまでゲーム業界を支えてきた中小を殺して大きな虫だけを残したのさ。
コナミとか、スクエアとか、コーエーとか、そう言う所な。
そして、その結果ゲーム業界の衰退を招いていると来た。
みんな嘆いているね。黄金期を支えた人たちは。
メーカーだけじゃない。ユーザーもだ。
新規ユーザー達はゲームという物を理解していない。
まぁ、今の餓鬼、砂利どもはそれ以前だが。
ゲームは楽しむ物であって、人と比べてどうとか、人をより上だとかどうとかは関係ないんだ。
自分のペースで自分の好きな物をやる、密室的な魅力があったんだ。
マニアックな世界というのはマニアックなままであるところに魅力があるのさ。
一般化するとつまらんことがおおいね。
メディア報道なんかされるようになって市民権を得たと勘違いしているコミケとかさ。
一般人から奇異の目で見られているだけだが。もちろん裾野は広がっているけどな。潜在的ヲタクが取り込まれるからな。メジャーになると。
そんな感じでPlaystationに対する愚痴みたいになったけど、一つだけPlaystationの良いところがある。
Playstationの後継であるPlaystation2は、PC-FXですら実現できなかった下位互換機能を有しているのだ。
これは現在までPlaystationが現役である理由にも通じるところがある。
最新マシンで過去のゲームが遊べるんだ。これほど嬉しいことはない。
ハードは1台持っていれば良いんだ。
素晴らしい。これはこれまでどのゲーム機も為し得なかった栄誉である。
とはいえ、その代償があまりにも大きすぎた。
じゃぁ、ぼちぼち結論をあげますか。
Playstationが残したのはゲーム業界の衰退。
良質メーカーを片っ端から潰して、自社の利益にのみ突っ走る。
小さい虫は目に入ってない。嫌な大人だ。
だから言ったろ?ゲームはビジネスにしたくないって。
念のため捕捉。
・スプライトについて
ポリゴンを使えばスプライトっぽく出来る。でも、それはポリゴンであってスプライトではない。
平面においたポリゴンはスプライトとして扱うだと?馬鹿にするのもいい加減にしろ。
・ソフト販売規制について
性的描写については厳しかったはずだが、バイオレンス描写は現在シールを貼ればOKだし、第一面白いかどうかはソフトを販売する際の基準になってない。
ネットやろうぜ、ゲームやろうぜがそうだろ。
任天堂は、少なくとも面白くないゲームは流通にのせなかったはずだ。
そう言う規制がなければ、クソゲーが乱立するのは当然だけどな。
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