2000/5/28 プレゼンテーション

 外資系企業では、プレゼンテーション能力は重視されます。社外の人間に対して、説明をする際に、MS PowerPointとプロジェクタなどを使って、きれいなスライドを投影して、かっこよく身振り手フリをいれてはなします。社内でも大きなテーマでは行われます。

 日本企業ではまだあまり普及してなく、資料をコピーして、説明することがほとんどでしょう。

 プレゼンがうまい、有名なところではビルゲイツとか、ジョブズ大先生でしょう。日本人はだいたいへたくそです。情報通信の旗手といわれている人(Sさんとか)もヘタです。

 アメリカ人のプレゼンの特徴は、抑揚や強調を大きくいれ、アクションを入れます。実によくうごきます。ステージを歩き回ります。日本式は、台の上に台本をおいて、そこで静止してはなします。ですから、聞いている人間は眠くなります。

 ジョブズのプレゼンをみていても、内容がすごいのではないです。彼の製品に対する自信たっぷりの様子、かっこよさ、余裕などを見てすごいと思ってしまうのです。確か、竹村健一氏が、人間が人の話を聞くときに頭に入るのは、内容は10%で、90%が相手の姿勢、顔、服、アクションだそうです。そのアタリをよく押さえています。

 あと彼らは台本などもっていないし、「次のスライドどうぞ」などといいません。完全にすべてが頭にはいっています。後ろも振り返りません。どんなスライドが後ろにうつっており、次はどのスライドかもわかっています。

 スカリー氏の書かれた自伝で、ジョブズ氏のプレゼン前の練習の様子がかかれています。何度も何度も、1日程度かけて、うまくできるまで練習するのだそうです。それは、完ぺき主義者のもので、少しでも間違えると、ちくしょう!とかいって悔しがる。しまいに、「なんで俺はこんなプレゼンもきちんとできないんだ!」とか、叫んでおちこむのだそうです。

 つまり、天性の能力ではないのです。くり返し練習をして、あのプレゼンが行われているのです。彼らの2時間とかになることもある、台本読まず、後ろ振り返らずの脅威のプレゼンはこうして生まれるのです。

 何かの発表会でプレゼンテータがヘタクソだと、まるで、そのテーマ自体がださいような気がします。これからの時代、重要です。台本棒読み、しかも、とちりまくり、などではだめです。

 さて、うまいプレゼンとは、別にスムーズに話すこととは限りません。相手にいい印象をあたえるのが目的なのですから、むしろ、たどたどしいのが、いいこともあります。スムーズにやってるけど、むしろ、なんか芝居じみており、かえって、胡散臭くなることもしばしばです。

 会社で、プロジェクタを購入しようとして、メーカを2社まわりました。有名な会社です。まずS社。ハイテクの粋をこらしたプレゼンルーム、そこで、教育を受けた女性説明員のよどみのない説明。完璧です。

 次にN社。びっくりですが、工場の休憩所みたいなスペース。おとなしそうな技術者がぼそぼそ、説明をします。たどたどしいです。会社のスタイルがよくでています。

 どっちを購入したでしょうか。N社でした。製品内容に大変魅力を感じたのです。ぼそぼそと話すので、質問をまじえ、製品内容に注意がいきます。すると製品の比較になり、結局スペックでまさるN社のほうがいいと判断しました。

 ですから、ホントに製品に自信があるのなら、素朴で、かざらない、誠意のあるプレゼンのほうが、相手に好印象をあたえることになることもあるのです。特にライバル社がプレゼン上手の場合はそうです。

 あなたが、プレゼンのうまい人間数人の合間にプレゼンするのでしたら、なんか、純朴にわざとやったほうが、印象が強く残ります。ほんとです。

 ジョブズ、ゲイツは完璧プレゼン型ですね。サンマイクロのマクネリさんのプレゼンは印象に強く残るはちゃめちゃ型です。実におもしろいです。

 大爆笑したのが、マクネリの出演しているプレゼンビデオです。まず、きれいなバックの中で、マクネリがスーツを着て、半身にかまえて、自社製品のコンセプトを話し出します。でも途中で突然。彼はキレ、「あー、やめだやめだ、こんなの!ばかばかしい。Javaが素晴らしいのなんか、みんな知ってるんだ。」とめるスタッフを無視し、スタジオを出てカジュアルに着替えます。で、リラックスした環境に変わり、コンピュータを数人の仲間と取り囲み、操作しながら、フランクにみんなでJAVAのよさ、操作性、メリットなどを話しだすのです。

 なにか、かれの人柄がしのばれるいいビデオです。