2000/5/22 ビジンダー

 宴会で、最後に話題につまってきて、良く出るのが、昔のTVキャラの話題である。もちろん、同世代でないとだめである。

 たとえば、ダイアモンドヘッドしってるか、怪傑ズバットみてたか、とか、ナショナルキッドは?宇宙エースは?とかいってえばるのである。実に楽しい瞬間である。傍かた見たらばかみたいであろう。

 この変の話題で、印象に残っているものをいくつか挙げる。

1.ウルトラマン

 ウルトラマンタロウという主人公がいる。子供の間で、「ウルトラマン・タロウ」だ、いや「ウルトラ・マンタロウ」だという論争があった。いまだに正解を知らない。そんなことはどうでもいい。

 ウルトラセブン、怪奇大作戦までは円谷英二が監修をしており、大人がみても実に面白かった。ウルトラシリーズで一番好きだったのが、ウルトラセブンだ。特にこの最終話が好きである。この話を見て、子供のころ、ラストシーンでおいおい泣いてしまった。号泣してしまった。だって、だって... 人類のために働いているのに、重傷を負って闘っているのに、守っていた人類にまで誤解され、無責任に責められる。しかし、彼は一切弁解をしない。そして命にかかわるというのに、人類を守るために、勝ち目のない最後の戦いに挑む。

 最後の変身しようとすると、アンヌ隊員がとめる。彼はついに自分がセブンであることを告白する。アンヌはいう。「知っていたわ」そして、とめるアンヌの手を振り払って、最後の力で人類のために戦うのだ、勝ち目のない相手に..

 その姿においおい泣いてしまったのだ。家族は「お前はたんじゅんでいいねえ」といった。私は自分でも単純だなあ、と納得した。こんな子供向け番組で感動しているのは私だけだろうと思った。

 しかし、「アンヌへの手紙」(だったと思う)というマニアの本が出版された。それにはウルトラセブンに子供のころ、魅せられた大人たちが熱いメッセージを番組、ダン、アンヌに手記形式で寄せているのだ。この中に、私とまーーーーたく同じ思いを感じ、号泣していた人間が存在していたのだと知った。なんとなく嬉しかった。

 アンヌ隊員を演じていた彼女は、この後、アダルト映画にも出演したらしい。

2.ビジンダー

 仮面ライダーから、綿々と続く子供向けアクション番組は今でも放送されている。ゴレンジャーはパワーレンジャーとして米国で大ヒットしたのはご存知の通りである。

 人造人間キカイダー01というシリーズがあった。ストーリなどは、よく覚えていない。ただ一つ覚えているのは、ビジンダーという人物である。しおみえつこ(漢字忘れた)という新人アクション女優が演じている。この人物は、普段は女の子の姿をしているが、変身するとロボットのような姿に変身して闘うのだ。

 この人造人間は、実は敵側から送り込まれたものである。しかし正義の心があるために、結局主人公側についてしまう。敵側は、彼女の体に爆弾をしかけている。そして、主人公もろとも爆破しようという計画があったのだ。

 そしてこの仕組みが実にエッチなのだ。子供向けのはずなのに、なんでこんなストーリなの?と思うほどエッチ(お父さんへのサービスか?)

 主人公と、ビジンダー(女の子の姿)がいい雰囲気になっている。すると、敵側司令が「よし、いまだ、激痛回路のスイッチをいれろ」と叫ぶ。スイッチが入ると、彼女はその場に倒れて悶絶する。のたうちまわるのである。コスチュームがコスチュームなので(必要以上にお色気ファッション)ドキドキしてしまう。主人公は心配して彼女を抱きかかえる。すると彼女は息も絶え絶えに言う。「胸の、胸のボタンをはずして!」なんと、彼女は激痛回路のスイッチがはいると、苦しさのあまり、胸の服のボタンをはずしてほしくなるというのだ。主人公はとまどいながら(喜んで)ボタンをはずしていく。なんというエロチックなシーンだろうか。

 すると、敵側司令がいう。「うひひ。そうだ、ボタンを3つはずすと大爆発するようになっているのダ」主人公は1個、2個とボタンをはずしていく...「は、早くはずして!」なんと下着まで見え始めてしまう...

 誰が子供向け番組にこんなシチュエーションを考案したのであろうか。子供心にあまりにエッチでびっくりしたので、記憶に焼きついてしまったのだ。

3.怪奇大作戦

 この30分もの怪奇ストーリは、時間の関係でいつもスッキリしない終わり方をする。それが実に恐ろしい。

 最も恐かったのが、「青い血の少女」である。フランス人形の形相が突如牙をむいた形相になり、手に仕込まれたメスで人を殺し始める。

 最後にその人形をあやつる、ベッドに寝たきりのなぞの少女を発見する。それが、人間でもない。人形でもない。人形のような悪夢の顔をしているのに、生きているのだ。彼女は飛び降りて死ぬ。青い血を流して。彼女が一体なんだったのかについて、全く説明されないまま、30分は終了する。

 もう恐くて恐くて、当分夜道がこわく、後ろを頻繁にふりかえった。また、今でのフランス人形がこわい。夜、誰もいない部屋でフランス人形と2人にされると、布団にくるまって、ふるえて眠るしかない。

 この手の話はいくらでもあるので、またの機会に徹底的に書くことにします。(続く)