2000/5/20 コンサルティング

 本HPには「中小企業診断士 伊藤大作」とある。

 みな、このHPをみれば、こいつはコンサルタントか、と思われるらしい。でも、やっていない。

 診断士も、その多くは企業内診断士といい、独立開業しておらず、企業の1社員である場合が多い。診断士として独立している方は、複数企業と顧問契約を結び、各種のコンサルティングを行って顧問料を受け取っている。中小企業診断協会でも、実際はコンサルティングをしていない企業内診断士、ペーパ診断士が増えているのが問題視されている。

 唯一のコンサルティングの国家資格である。ただの能力認定ではない。通産省の管轄で、中小企業の経営近代化を行う使命をもっている。一般の方はご存知ないが、実は国家は非常に多くの中小企業支援策を実施しているのである。(もちろん予算つき)これらを中小企業にうまく利用してもらうのも業務の一貫だ。

 決してきれいな仕事ではない。泥まみれになって経営者とともに泣き笑いすることが必要である。でも、診断士って、いい名称らしく、似た資格が多く現れている。屋根診断士、お風呂診断士、足裏診断士??、.....

 なぜ、コンサルティングをやらないのか?それは私は酒によわいからである。 ある先輩診断士の話を聞いた。以下それを引用する。:

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 ある商店街で近代化事業がどうしてもうまく進まない。それで、近代化事業の実績のある私に声がかかった。私はすぐに、その商店街にとんだ。商店街の団体の理事や長老などに会い、その他、多くの世話人に話しを聞く。
 しかし、どうも釈然としない、なぜ、事業がとんとんと進まないのかが。着手してからもう数年がたっているのだ。

 いろんな人が、うまく進まない、いろんな理由をいう。しかしどうもわからない。会議に出席しても、みんななんとなく消極的に感じる。なぜなのだ?私はわけがわからなくなった。

 商店街のパーティにも出席した。で、終わった後、中心人物数人とのみにいった。2次会居酒屋、3次会スナック...もう時間は2時を回っていた。

 3次会カラオケ。私は歌い疲れ、すわっていた。他のメンバも歌っていないときにはソファでうたたねしている。そこで、ある理事が私に話し掛けてきた。

 耳打ちしてきた。「うまくいかないのはね。...AさんとBさんの仲が悪いのさ」あっと思った。なあんだ、中心人物の2人の仲が険悪では、ぎくしゃくして、進むわけがない。なんでも「そり」が始めからあわないのだそうな。資金でも、人材でも、機運でも、支援の問題でもなんでもなかったのだ。

 私は、みなさん(私たち新人の診断士)に言いたい。診断士は酒に強くなければならない。クライアントに誘われたら、最後までとことん、つきあえ。日本人は深夜になってはじめて、真実を飲み屋で話す人種なのだ。本質の問題点は会議などでは絶対に明かされない。どろどろにお互い酔っ払って、打ち解けたときに、本当のことを教えてくれるのだ。話してくれるのだ。経営改善を提案する我々は、経営がうまくいかない人間面の本当の原因を知ってはたらかなくてはならないのだから。日本人とはそういうものなのだ。だから接待がいつまでもなくならないのだ。

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 私は酒をとことんのむのが、苦手で、いつも1次会で帰ってきてしまう。これでは、プロになっても、拍子はずれの経営指導をしてしまうのは間違いなさそうだ。

 やっぱりHPのタイトルをかえたほうがよさそうだ。