映画鑑賞(最新作)

ドリヴン − 定型的映画ですがレースシーン迫力あり ★★★

 F1レースにかける男達の友情、生き様、そして女性との愛を描いた映画です。シルベスタースタローンが脚本を書いただけあって、ロッキーのあのノリのレーサー版といえます。ストーリー展開には安易さを感じますが、まあ、こんなものでしょう。

 でも、映画ならではの迫力のあるレースシーンがたっぷり楽しめます。F1の観客、F1ドライバーがどのようなシーンを見ているのかを擬似体験させてくれるのです。いやあ、すごいなあ、と感心したあとで、あれ?と気が付きます。あのシーンはどうやって撮影したの?これは?...実は、CGでこのような迫力のあるシーンが作られていたのです。大クラッシュシーン、息詰まるカーチェイスシーン、あれらはCGだったというわけですが、観ている間はまったく気が付きませんでした。いまや、CGはSF映画だけではないわけです。

 ヒロインの女性がプールで泳いでいて、ぶさけてシンクロナイズを真似するシーンがあります。お、うまいなあ、と思っていると、それどころではありません。おいおい、すごいじゃん!あきらかにプロの技です。吹き替えかな?と思っていると、間違いなく彼女が泳いでいるのです。あとで、この女優の経歴をみて、シンクロの選手から女優に転進したと知りました。うまいはずです。またこの女優さん、なんか見たことあります。色っぽい視線と、口元。記憶に残ります。あっと気が付きました。下で紹介している「猿の惑星」のヒロインではないですかー。彼女のってるんだなあ。名前覚えとこっと。「エステラ・ウォーレン」さんですか。

 スタローンが追い詰められると、鼻歌を歌いだすシーンがあり、なるほどと思いました。確かに仕事の最中に鼻歌が出る時がもっともいい仕事ができるものです。

 ストーリーは、一線を一度は退いたレーサーが、若手天才ドライバーのサポートをするために復帰する、しかし、天才の彼はレーサー人生に悩みを抱えており.. 

ジュラシック・パークV − 気楽に観ましょう! ★★★

 1,2作目は、文明風刺を最上段に掲げた大作でした。今回は、娯楽に徹していて、こじんまりと作った作品です。難しい理屈抜きで、単純なストーリの中で、ひたすら恐竜に追いかけられ、スリルを感じることができます。特撮もあたりまえですが一流で、迫力ある映像をみせてくれます。気楽に観れる娯楽作品です。

 不満点ですが、序盤であれだけラプトルの知能の高さをほのめかし、どんな展開になるのかと期待させながら、そんなに強烈な知能攻撃もなく、がっかりです。特撮も最近、ものすごい作品が連打されているので、あまり衝撃を受けないです。もう、CG特撮に我々はなれてしまったのでしょう。

 ストーリは、ある金持ち夫婦の依頼で再び島に行くことになった科学者。恐竜の襲撃を受け、逃げ惑う中、夫婦の秘密がわかってくる...

AI − SF映画仕立ての良質な童話です ★★★★

 見る前のイメージでは、SF仕立て親子愛情ものお涙頂戴ダラダラ映画と思ってましたが、全然違いました。これは子供の頃に、胸をときめかせ、感動して読んだ、夢いっぱいの童話の世界なのでした。スピルバーグらしい映画で、見る人間を気持ちよくしてくれます。

 感覚としては、シザーハンズに似ています。今思うと、あの映画もSF映画に分類される童話だったのです。大好きな映画で、ラスト、いつまでも恋人(もうお婆ちゃんになってるのに)を思いつづけて雪を降らせるシーンは、なんとロマンチックなシーンなのでしょうか。書いていて気が付いたのですが、どっちもSF版ピノキオなんですよねー。

 さて、AIの中では、子供型の愛情提供ロボットが主人公です。彼が、自分を求めて、愛を求めてハラハラドキドキの大冒険をします。冒険の舞台は、大歓楽地帯(未成年お断り!)であったりします。冒険に欠かせない脇役も、風変わりで、ホストロボットや、異常にキュートなぬいぐるみです。この2人?が魅力あるんだ。見れば納得します。

 長い映画ですが、決して退屈しません。この映画を見ている人は、子供の気持ちに戻り主人公に感情移入し、ともに大冒険するのです。ビックリしたり、絶望したり、感動したりするわけです。

 これで終わりか?と思うと、なかなか終わりません。本当のラストシーンでは、なにやら、心が安らぎ、ほっとするでしょう。この映画はそういう映画なのです。

猿の惑星 − まあまあです ★★★

 私の子供の頃、作られたSF映画シリーズ「猿の惑星」は、なんと続編含めて5作も作られました。第一作が一番の話題になりラストシーンの自由の女神には、みんなアッと驚いたものでした。メイク技術は今でも素晴らしいですが、なんといってもストーリでみせてくれました。

 今回封切られた最新作は状況設定に多少の違いはありますが、基本的にはリメイク作品といえます。進化した猿と、その猿に家畜扱いされる人間達のドラマです。そんなにSFXが凄まじいというわけでもないですし、ストーリも感動的でも、奇抜でもないです。でも、前シリーズを見ていない若い人にとっては新鮮に写るのかなあ、わかりません。

 でも、なんとかまとまっていて、面白い作品になっていると思います。それは、迫力のある戦闘シーンのせいでしょう。荒れ狂う猿としてのリアリティがあります。またそれ以外のシーンでも昔のシリーズと異なり、猿の凶暴さ、荒々しさがよく表現されています。これらのために、楽しめる作品にはなっています。

 人間に理解を示す女性の猿が、やたらお目メ、ぱっちりで変なお色気を感じます。反対に人間のヒロインがいまいち、印象がうすいです。ラストシーンは安易すぎます。

ギフト − 期待はずれでした ★★

 サム・ライミ監督といえば、「死霊のはらわた」「XYZマーダーズ」「ダークマン」といった傑作を作ってきた人です。死霊のはらわたでは、森の中というシチュエーションをうまく使って、グチャグチャなゾンビを楽しませてくれて、当時大変なブームを巻き起こしました。味付けが大変うまい監督で、恐怖映画の中ではユーモアを出し、逆にユーモア映画の中では恐怖を味わせてくれます。カレーを作るときに甘味で隠し味を出すように、おいしい映画となりました。ダークマンも悲しみを持ったヒーロー映画として異色で面白かったのです。

 でも、こんどの作品は、いただけません。食パンに唐辛子と味の素を振りかけて食べているような感じでした。サム・ライミ監督はどうしてしまったのでしょうか。あまり、こういったサイコ・サスペンスものは得意ではないようです。見ていて「へたくそだなあ」と感じてしまいます。

 やたら、主人公の女性の苦悩の表情、泣きべそかいた表情のアップがでてきます。この表情を最初から終わりまで、つきつけてきます。ここぞというときに使ってほしいのですが...これじゃあ、まるで、どおくまんの漫画です。アップ使いすぎです。うんざりしてきました。

 基本的な設定も、まあ、よくある超能力を持つ女性のお話しなのですが、たいしたスリルもないです。犯人も察しがつきますし、結末も安易です。で、それをなんとかしようとすべく、大きな音でびっくりさせます。つまり、お化け屋敷です。お化け映画で、お化け屋敷をやるのなら、いいのですが、サイコサスペンスで、びっくりさせてもしょうがないのです。やはりストーリと演出で、体の奥からぞっとさせてほしいのですが、耳からぎゃっとさせてくれます。

 んで、なんで、占いカードなんですか?映画の中でまったく意味を持っていません。カードめくっては、ハッと主人公がうろたえて上目遣いになって「な、なんでもありません」ばかりでは、我々は頭にくるではありませんか。この映画でカードをめくるシーンを全部削除してしまったとしましょう。映画の展開上なんの問題もありません。いや、かえってサッパリします。カードだけでなく、なんの意味があるのかわけがわからん飾りが多すぎます。しかも、効果的に挿入されていないので、ますます冗長に感じます。例えば、おばあちゃん、出てきて何をしたかったんですかあ?

 状況設定にも、あまりに不自然な点が多いです。米国で、あんなに人の少ないところで、一軒屋で、女性が1人で住みますか?しかも子供をかかえて。銃も持ってないのに?また、いくら男女の感情は計り知れないといっても、目玉つぶれそうになるまで、ぶん殴られているのに、女性に「あの人いないと寂しい」って言わせるのは、やりすぎです。

 まあ、サイコサスペンスものをあまり見ない人にとっては、面白く感じるかも知れません。こわかったーってなるんでしょうね。

 あいかわらず、米国の弁護士像というのは、逆に人間の人権を踏みにじる最低の人間の集団というように描かれています。多くの映画の中で、こうまで人間のクズとして描かれつづけて、米国の弁護士はどう思ってんでしょうか?聞いてみたいです。そのとおりだと思ってるんでしょうか、ひらきなおってんでしょうか、怒っているんでしょうか。映画見てる暇ないので、問題ないのかも知れませんね。

 いいところといえば、キアヌリーブスが、超きれやすい暴力男(特に女性をたくさん、ぶん殴ります。)を演じています。この人、こういう役もうまいです。主人公だけでなく、こういう役もどんどんやってほしいですね。迫力ありますし、大変こわいです。

 また、心優しい、精神に障害を持つ男性、バディ役の男優さんもいい味だしてます。暖かい心をもった人は、近くにいるだけで、周りの人をいい気持ちにさせますが、まさに、この人はそういう暖かい印象をもたせてくれます。もしかしたら、この男性にもっとフォーカスをあてたら、傑作になったのではないでしょうか。

 ストーリは超能力を持つカード占いの女性が、その能力のために、殺人事件に巻き込まれていくというお話しです。

ハムナプトラ2 − 出し惜しみしてないです ★★★

 私は前作も映画館で見てます。今回の2は一言でいうと、「インディージョーンズのエジプト版に、現在最先端のコンピュータグラフィックを徹底的に惜しげもなく使った最強バージョン」ってとこです。前作よりも、いい出来で娯楽超大作に徹しています。見に行きましょう。楽しいです。はらはらします。

 ミイラその他、化け物が大挙して登場します。主人公の一家のエジプトを舞台にした大冒険活劇なのですが、いきつく暇がないです。普通なら少しは、観客が「ふう」と息継ぎできる中だるみの時間があるものですが、次から次へと見せ場がやってくるので休む暇がありません。これが最初から終わりまで続きます。

 女性2人の格闘シーンは、よく練習したのでしょう、迫力あります。危ないですって、刃物2人で振り回しちゃ!香港と同様、米国の俳優も運動神経が必要です。

 米国映画って、子役がいい味だしますね。ホームアローン、スターウォーズはいうまでもなく、シックスセンス、AIにしても子役が大活躍です。日本映画では、最近は、なかなか名子役が出てこないです。思うに日本の子供って黙っているか、調子に乗るかの2つの状態が極端なんで、いい芝居をしても、子供らしく見えずにわざとらしく感じてしまうんでしょう。主人公のお父さんも、悪役も、前作の俳優さんが演じています。2人の顔は特徴ある顔ですので、覚えます。

 コンピュータグラフィックのレベルも、今までの映画では最高でしょう。もう、どんなものでも、なんでも映像化できるレベルにまでCGのレベルが進化したといえます。地上を覆い尽くすアヌビスの大軍、スコーピオンとの戦闘シーンがそれを証明しています。現在では表現を制限するのは、監督の想像力の限界以外にはないのでしょう。いっときますが、すごいです。CGで描かれた化け物が画面いっぱいに元気よくオオ暴れです。「アルゴ探検隊の冒険」という名作がありますが、その監督がこの映画を見たら、ああ俺も現代で映画を作ってみたかったと思うでしょうね。

 しかし、冒険活劇としては100点満点なのですが、ストーリ自身はよくある砂漠を舞台とした冒険活劇のもので素直ですので、長い間記憶に残る、というものではないです。その意味では大変、透明な作品ですので、しばらくしたら、忘れてしまうでしょう。もうCGのすごさだけではどんなにエスカレートしても、映画としての傑作にはなりません。

 ストーリは、地獄のアヌビス軍(こわい化け物軍隊です)を配下にして、世界を征服しようとたくらむ一派の野望に、前作の主人公一家(旦那さん、奥さん、男の子、おじさん)が巻き込まれ...

15ミニッツ − ダブルで楽しめます ★★★

 この映画には、前半、後半があるといっていいでしょう。前半は刑事役のロバートデニーロの大人の魅力が堪能できます。放火調査官との男の友情もうまく描けています。しゃれのわかる、渋い感じのこういった大人っていいですねえ。(でも、くどいロマンスの表現は若干くどく、しらけます。)

 後半は、アメリカの「マスコミの狂気」と「犯罪者への過剰人権の法律」をダブルで徹底的に風刺しています。しかしアメリカでは、こんなにも弁護士とマスコミ関係者って、醜い腐った人間ばっかなんですかね?仕事にかこつけた乞食ですよ、これじゃあ。日本ではまだ、こんなにひどくないですから、我々は幸せなんでしょう。それとも、これから日本の弁護士とマスコミもこうなっていくんでしょうか?日本のマスコミの人、特にTVワイドショーの関係者はこれを見てどう感じたんでしょうか。(まあ、つらくて、見ていらんないかもね)

 犯罪者への過剰人権はどこも同じなんですね。精神に障害があれば無罪になるので、これを悪用してくる奴はどこの国にでも同じようにいるってことなんだなあ。

 しかし、この映画を面白くしているのは、実はロバートデニーロでも、放火調査官でもないです。それは、2人の東欧から来た狂気の犯罪者なのです。この2人は実は裏の主人公ともいえます。2人とも個性的で、なにかヒョウキンで、恐ろしく残虐で、にくたらしいです。この俳優さんの名演は光っています。特に、1人のビデオ狂いの男は、楽しいです。なにが起きようともともかくビデオで移してしまうビョウーキで、殺しだろうが、逃げてる最中だろうが、最後はXXXXのときですら、ビデオをまわしてしまうというのは最高です。こういう奴が近くにいたら楽しいでしょうね。

 この映画は風刺としてのテーマの割には決して説教くさくなく、面白いし、退屈させません。それは、監督の腕もあるのでしょうが、悪役2人のおかげでしょう。

 ストーリは、東欧から来た2人の男、彼らを追いかけるマスコミのヒーローの刑事と、放火調査官(消防)の間に友情が芽生える...しかし...。

ハンニバル − 美しい狂気! いいです。★★★★

 例の「羊たちの沈黙」の続編です。ジョディーフォスターは出ていませんが、アンソニーホプキンスのレクター博士は健在です。俳優的には全然問題ないです。

 前作からそうだったのですが、この映画は怖いです。それは見ているうちに「美しい狂気」に憧れに近いものを感じてくるからです。この映画ではレクター博士は絶対的な悪には表現されていません。善悪という軸はこの映画を見ている時には感じないのです。ただ、狂気を堪能していくだけなのです。そのうちに、レクター博士に魅せられた、危ない自分に気づくのでしょう。

 普通の狂気映画では、狂気は汚しいですし、悪いです。しかしこの映画は美しいし、善悪は関係ないのです。なんて悪いやつなんだ、という感情がわいてこないのです。だいいち、映画音楽にもどきどきするような音楽なんてなくて、ただ壮麗なクラシックが流れています。美しい狂気には、ダリオアルジェント監督もいますが、この作品とは違って、善悪がはっきり決まっています。悪い狂気が美しく描かれているので、本作品とは違うのです。

 この映画では狂気を彩るために、多くの想像を越えたシーンが現れます。よくぞ、こんな狂気のシーンを考えだしたなあと驚嘆します。特にラストシーンはもう狂気すぎて笑えます。原作者に敬意を表します。美しさも半端じゃあありません。舞台となる屋敷を取り巻くあの美しい大自然。また、あの博士の落ち着いた上品な紳士の雰囲気。センスのよさ。頭のよさ、冷静さ、ユーモア感覚。ああいう年のとり方をしたいなあ、などとも思えてきます。

 狂気の犠牲者の恐怖も、「追い詰められて、ギャー」というのではなく、「静かに、突然、背中に冷たいものが走り、ふと気づくと、悪夢の中で絶望的に死んでいく...」といったものです。

 監督はだれ?と思ったら、なんだ、リドリースコットではありませんか!(エイリアン、1984、ブレードランナー...)

 あ、最後に、美しい、というのは美学ということであって、残酷なぐちゃぐちゃのシーンは連打しますので、誤解なきよう。

 内容ですが、レクター博士にうらみを持つ(ともいえないかも)富豪が現れ、FBIの中でいじめられる主人公をまじえ、壮絶な戦いが開始される...

世にも奇妙な物語 映画の特別編 − おい気合はいってるぞ、この映画★★★★

 タモリが前ふりをしていた、あのTVシリーズ番組の映画版である。TV番組は面白かったが、映画にするほどのものかい、という感じで見に行った。ところが、いやあ、まったく先入観をぶっとばす快作です。私は日本映画にいいイメージを持っていない。それというのも、あの角川映画などの愚作をいやというほど、見せられたからである。しかし、どうしたことか、最近の日本映画面白いじゃない!頑張ってます。

 4話で構成されるオムニバスである。どの話もストーリ的にも映画としても面白く、つぶがそろっている。気楽に作った安物ドラマではない。1話1話でドキドキさせられた。脚本家、監督、俳優など関係者の気合の入った作品群である。繰り返すが、単にTVシリーズを一応映画にしてみた、なんてレベルのものではありません。

 最初の「雪山」。私、こういうストーリには興奮し、見るのが大変こわいかったです。うなされそうです、スクリーンみてられなかったです。遭難しても、こういう死にかただけは絶対にしたくないです。次の「携帯忠臣蔵」まあまあです。そして「チェス」も、いったいどうなるのかとハラハラです。ラストがやや安易でしたが。最後の「結婚シミュレーション」いい作品だねえ。泣かせてもらって、ラストのオチを見て、思わずニヤリとしてしまいました。

 スタッフがなぜ、これを映画にしたのか、よくわかります。この4話のストーリは、映画のつくりにしないといけなかったのですね。必然性をきちんと感じました。スクリーンの迫力も必要だっただろうし、制作費もちゃんと、かけたかったんでしょう。どの作品も、みな俳優がいい味だしてました。中井貴一、稲森いずみ、武田真二、石橋蓮司...おすすめです。

X−MEN − 迫力はスゴイ★★★

 超能力者同士の戦いを描いたドラマ。徹底した最新SFX連打で迫力の戦闘シーンになっている。同じ超能力者ものでも、緊迫したシーン連続のスキャナーズなどとは全く違い、ともかく、ど派手な肉弾戦肉弾戦。ビルの天井はふっとぶわ、列車は半分に裂かれるわ、むしろ、マトリクスに近い。確か、アメリカンコミックの映画化ですよね。

 設定も、人物も面白いし、SFXもいうことないのですが、ストーリ展開、特にラストにもうすこし、ドラマとしての、ひねりが欲しかったです。ストーリ展開が素直すぎます。そうすれば、傑作になったのにね。

 でも大変面白い映画です。スタートレックTNGのパトリックスチュアートがいい役やってます。この人は、最近いい役ばかりもらってますよね。出世したものです。スペースバンパイヤなどでは、ちょい役だったのに...

 敵側の超能力者も魅力的です。でも変幻自在の能力を持つ敵側女性が一番かっこいいです。美しくて怪しいです。主人公の謎は解かれずじまいでしたので、自動的に続編がでることになるでしょう。だいたい予想はつきますがね。

 ストーリーは、突如、世界に続々生まれ出した超能力者たち。彼らを非人間的に管理しようとする政治家。そして、人間と敵対するチームと、共存しようというチームが生まれ、対決していく...

インビジブル − 予想通り★★★

 氷の微笑、スターシップトゥルーパーズ、ロボコップとヒットを連打しているポールバーホーベン監督の最新作。今までの作品の観賞後の興奮からすると、今回はやや落ちる。だが、テーマから事前に考えるような程度・内容の面白さの作品にはなっている。予想通りであった。透明人間の映画。

 ストーリーは、人間を透明にする血清を発明した天才科学者。自らを実験台にするが彼が絶望したときに、狂気の行動にかりたてられ...

 人間は透明になったら、何をするか。予想すれば確かにろくなことには使わないだろう。その正直な欲望通りに、映画は展開していく。考えたら、従来の透明人間の映画はそのへん、リアリティがないよね。大変そのあたりの表現はエロチックでした。

 でも、映画の中の人間関係は無茶です。そもそもあんな人間関係の中で仕事してたら、透明にならなくても、あの科学者頭おかしくなりますよ。

 人間ドラマとしては、ものたりません。特撮に明らかに負けてる。もっと、主人公の狂気を徹底的に描写したら面白いと思うのでが、中途ハンパ。登場人物のギャグがアメリカ的で面白かったが。主人公が話す、スーパーマンとワンダーウーマンの小話は下品で傑作である。

 骨、血管系、肉と次第に透明になり、また、見えるようになってくるシーン、人体標本のような姿で暴れまくるシーンなどスゴイ迫力ですが、SFXはめずらしく、ILMではなくソニーの特撮スタジオでした。今回もスターシップ...と同様にティペット先生が特撮を監督しております。もう、デジタル映像処理でできないことはないんだということがよくわかる。

 主役のケビンベーコンは、この大変で損な役を熱演しております。だって、ほとんど、冒頭以外、顔がでないから。撮影も大変だったそうです。 

パーフェクトストーム − まあまあ★★★

 2時間以上の映画だけど、飽きさせませんでした。ですから、まあまあなのでしょう。ストーリは諸般の事情で、歴史に残る大荒れの嵐の中に漁にいってしまった漁師たちのドラマ。それに副ストーリとして、救助ヘリ乗組員のドラマが入っています。

 私は、本線のストーリよりも、救助ヘリのドラマの方が印象残りました。いかにもアメリカ的な、人の命を救う使命のために自分の命をかけ闘う人たち。こっちの方を本線にしてもよかったような気がします。日本人では、ああいうシチュエーションで人を助けるでしょうか。

 本線のほうですが、漁師の1人1人にそれぞれ、愛する人がいて、その愛のドラマがあるわけですが、印象のこらんですし、感動するわけでもないです。人間ドラマとしては、失敗なんでしょうね。ひげのおっさんの、ちょっと太めの女性を酒場でくどくシーンが面白かった程度。

 特撮は、ILMですので、いうまでもないですが、すごいです。しかし、カジキマグロを扱うシーンですが、いかにも模型の魚でしらけました。

 でも、私自身が、海好きですし、漁師の人生、生活って、あまり知る機会がなかったので、それだけでも、まあ、よかったです。海も波もいいものですね。

 この映画では「実話に基づく」とありましたが、なんか訴えられたようですね。この映画どうやって、実話に基づくなんていえるの?というのが、み終わるとわかります。

M:I−2(ミッションインポッシブル2) − 満足!見に行くべき。★★★★

 トムクルーズ主演の話題作。アクション、特撮満載の一流エンターテイメント映画。息つく暇もなく、ストーリに引きずり込まれる。007シリーズのようなスパイものであるが、独特の映像美、ムードも持っている。

 冒頭、断崖絶壁をフリークライミングするトムクルーズ。休暇中の娯楽らしいが、手に汗握る。高所恐怖症気味の私は手のひらが汗でびっしょりである。オーバーハングの岩場の隙間にお尻をいれて、一休みしたり、おちそうになり、片手でぶらさがり、一息いれたり、いやはや。心臓に悪いシーンである。

 トムクルーズっていい男だなあ。トップガンの時とくらべるとさすがに、顔、年取ったけど。ストーリはよくあるパターン。なぞの組織に盗まれた実体不明の物体を奪還するために、泥棒の女性と主人公のスパイがコンビを組むが... ヒロインの女性だが、これが、私が行ったことのある馬車道のフィリピンパブの女性にそっくりでした!もう、国に帰ったのかなあ、思い出してしまいました。

 スタントシーン、トムクルーズ自らやったといってたけど本当かなあ。あのラストシーンのバイクチェイス、迫力ありすぎ。本当だったら、トムクルーズすごい運転テクニックですね。

 監督が中国系の人だから、格闘シーンはカンフーっぽいです。殴っても蹴ってもよみがえってきます。そんなタフなはずないですよ。

 「羊たちの沈黙」のアンソニーホプキンスがトムクルーズの上司役になってます。

 ハイテク機器がやたら登場します。人工衛星から、ヒロインが抱擁している姿を動画で撮影して、それを車の中で観察する..ハンパな解像度ではないですね。

 昔のTVの「スパイ大作戦」面白かったなあ。

ミッションツウマース − 結構いい★★★

 ブライアンデパルマ監督のリラックスして見られるSF映画。さすがである。

 太陽系をシミュレートした部屋に入るシーンがあったが、まさに子供のころ、私が見た夢の一場面そのもので、嬉しくなった。

 なんとなく、2001年宇宙の旅、未知との遭遇と雰囲気が似てなくもないが。

 夫婦愛、正統派SFの結末、ILMの特撮、などの見所が、ほどよくミックスされ、センスのいい音楽で楽しい気分で映画館をあとにした。

 内容は、火星でなぞの事故が発生し、消息不明になった友人を救いに救援隊が向かう。そこで、メッセージを出しつづける巨大な建築物を目の当たりにする。

スクリーム3 − 合格作★★★

 ホラーサスペンスのシリーズもの。監督はあのホラー映画の傑作「エルム街の悪夢」のウェスクレーブン。1、2ともに映画館で見ました。仮面をかぶった殺人鬼がでてきて、登場人物を殺しまくる。主人公の美女の運命はいかに、というパターンである。常に登場人物がホラー映画を意識しているのが面白い。「こういうときには、いつも殺人鬼がでてくるわよ」とか「このパターンではあいつが犯人だ」とか。

 パターン化しているけど、いい出来であり、手に汗にぎる。正統派のハラハラドキドキ、サスペンスである。画面をじーっとにらんでいると、3,4回は席から飛び上がる。こわい映画でもみにいくか、といってこの映画を見る、正解である。映画館でも女性客が多かった。

 レポータと警官のロマンスが3作を通じて出てくる。いずれも魅力的キャラで好感が持てる。

 1,2を見ていない人間はちょっときついかも。まあ、それでもハラハラはできますが。

 なんと、キャリーフィッシャー(スターウォーズのレイア姫)がちょい役で出ている。せりふがすごい。「出演するためルーカスとも寝たわ」全般にハリウッド関連のブラックユーモアがきいている。

 ストーリー:あの殺人事件を映画化しようとしていた。その俳優が次々殺される。そして山奥で住んでいたシドニーにも例の電話が..

UMA レイクプラシッド − つまらん!

 湖に大型のXXが発生し、人間を襲う。それを退治するという、よくある話。映画館で、客は私1人だった。内容もそれに見合う。
 登場人物にまず魅力がなく、感情移入できない。主要登場人物4人どれも、性格付けが中途半端。化け物映画なのだから、ぜめて、スリルがほしいが、それもなさけない。
 加えて、アメリカの悪しき自然崇拝の考えが、作品全般に現れ本当にウンザリする。牛は殺しまくり、ハンティングをしても問題ないが、鯨はかわいそうだ絶対に殺してはならんといった、動物差別はこういうところから来ているのかと思う。
 登場する女性が、公私混同で、アホで、でしゃばりで足手まといに描かれている。女性をバカにしている。女は所詮愚かな動物だってこといいたいの?こんなんでラストに取って付けたようにロマンスもってきても、笑っちゃうよ。
 出てくる化け物を隠しているが、登場しても、はあ?というほど、たいしたことがない。この映画の宣伝は大変だったのはわかるが。
 特殊効果のスタンウィンストンの仕事がだいなし。監督はこの映画で何を撮りたかったの?という永遠の疑問が残る。

ノイズ − いまいち★★

 SFホラー。内容は、夫は宇宙飛行士で、宇宙で任務を終え、帰ってきた。どうも以前の夫でないようだ...
 妊娠した妻の恐怖の心理描写に的を絞っているのは、なかなか面白い。しかし、それが強いインパクトを与えるわけではない。結末は結構盛り上がってきたところなのに、手抜き?ちょっとガッカリ。そこそこという映画で、SFなれした私には心に残るものがほとんどなかった。
 パーティ会場の柱の影で、いきなりエッチシーンにはいるのは刺激的であった。

007ワールドイズナットイナフ − 見に行くべき!★★★★

 007の最新作。例によって金をかけ、迫力あり、息もつかせぬアクションが続く。女優が2人主役級ででてくるが、デニスリチャーズ(スターシップトゥルーパーズ)が魅力的。
 「どうぜ、いつものパターンだろ」だけど、その良質のパターンを裏切っていない。期待して見に行っていい。内容は、油田をもつ大金持ちが殺害され、調査に007が赴くが、その娘と...

スリーピー・ホロウ − 結構いい★★★

 首なし騎士の恐怖映画ということで、期待していなかった。でも、ゴシック風の重厚な恐怖映画。クリスティーナ・リッチという好きな女優がでている。コッポラ、クリストファーリー、クリストファーウォーケン、ILMなどなどSFホラー関係の映画がすきな人間にはこたえられない。

シックスセンス − 見に行くべき★★★★

    ホラーサスペンスの傑作。ブルースウィリス主演ということで避けていたが、シナリオ、演出とも実にすばらしい。最後のどんでんがえしもいいが、少年の母への告白シーンは泣かせる。内容は死者が見える少年と精神科医の物語。

雨あがる − 見に行くべき★★★★

    山本周五郎の同名小説をもとに、黒澤明が脚本を。殿様役の演技がくさいがそれも新鮮にうつる。現代人がわすれていた誠実な生き方を思い出させてくれる。原作では、ラストの殿様の動きはない。ねらいどおり、さわやかな気持ちで映画館から出ることができる。
    観客にかなり年配の夫婦が多かった。内容は腕のすばらしい侍が仕官をめざすが、正直な生き方ゆえ...

ブレアウィッチプロジェクト − いまいち★★

    例のドキュメンタリ仕立ての、ホラーサスペンス.超低予算でよくこれだけ生々しい恐怖をだしていると感心する。でも、まあ、これだけのもの。内容は、学生3人が森の魔女を題材に卒業映画作品をつくろうとするが...