2000/5/16 痔

****警告!以下の記述は痔に関する記述です。不快な表現が列挙されています。神経質な方、気の弱い方は読まないで下さい!****

 お尻になんかしこりみたいのを感じ痛いので、肛門科にいきました。

 非常に恥ずかしい姿勢にされまして、指やら、器具やら、なにやら、ぐりぐり突っ込まれました。ただでさえ、痛いのにそんなにぐりぐりされたら痛いでしょうが。医者はその間、「あーあ、こりゃひどい。」とか「これは熱でたろうなあ」と嘆きのような声を出しています。痛いのなんのって。痛いから来ているのに、そんなに無茶すんなよー。人のだと思って。でもこれはほんの始まりだったのです。

 5分ほどで触診は終わりました。「痔ろうです。」なんでも医者がいうには、人間の肛門付近には虫垂のような、くぼみがあり、そのくぼみに細菌が侵入し化膿するのだそうです。細菌は膿になって増殖し、ほっておくと、どんどん穴を掘り下げていき、なんと、お尻に穴をあけてしまうのだそうです。これではチャイナシンドロームではありませんか!

 そこまでは進行していないようですが、膿がたまっているらしいとのこと。なんでも、誰でも、こうなる可能性があるそうです、いわば、運・不運の問題。誰でも、この痔ろうになる可能性があるとのこと。まあ、虫垂炎のようなものでしょうか...おそろしいものです。さらに医者は「では、膿を出します」「え、今日ですか?」「当たり前です」

 まず検査を受けます。血液検査を受け、さらに超音波診断をうけます。これがまた痛いんだー。いたいのに、ぐいー、ぎゅーっと鉄の棒を患部につっこんで押し付けるわけです。これをやはり10分くらいでしょうか。何回もくり返し、ぐるぐるやられます。たいへん非常に痛いです。

 いたいのなんの。終わると次にまたさっきの医者に会います。「やっぱり痔ろうです。これは手術しか直りません。覚悟してください。」おい、脅してどうするのよお。「入院していただいて、10日くらいかかります」えー、せっかXXXXにもいくし、YYYYYも決まっているのに!

 しょうがないです、でも。横になると、局所麻酔の注射をうけます。これってどこにするかわかります?肛門自体にするのですよ、しかも粘膜に。もう激痛を超えてます。いたくて声もでません。さして時間もあけずに、「では切開します」まさにお尻の中の粘膜が切られる痛みが全身を襲います。メスで粘膜を切り裂くのです。信じがたい激痛です。あのねー、局所麻酔って、2,3秒できくの?もう少し時間をあけろよー。 「膿だします。」きっと指で搾り出しているようですね。ぎゅーっと指で押してきます。痛い、の倍つけです。体をきれらる痛みを味わせていただきました後に、「はいガーゼはいります」ああ、終わったのかと思いきや、さらなる痛いがしました。え、なんでガーゼがこんなにいたいの?

 終わってから医者がいいます。「今、あなたの肛門にバイパスをつくりました。」説明によると、膿がたまっているところに、穴をあけ、そこにガーゼをつめた、だから、膿がのこっていればそのガーゼを通じてでてくる。単に膿を搾り出したのでなく、穴を一つあけたわけです。ふさがらないようにガーゼで道を作ったのです。記念すべき一瞬なわけです。いやー、まるで火山でのマグマ抜きですね。土木工事か!

 1時間くらい、別室で休みます。看護婦から説明をうけ、はれが引いたら、手術をうけることになるとのこと。入院は、1週間から10日。結構大手術じゃん。

 つーわけで、今も、家でお尻にガーゼをあててなさけない格好でねております。

 でも、この病院は痔専門で相当有名な病院です。でも、患者の痛みについては、ほとんど気にとめていません。あまり気にしてもしょうがないのですが、もう少し配慮してほしいなあ。これだけ医学が発達してんのに、痛みを押さえる工夫についてはたいへん遅れているようです。江戸時代の抜歯術よりもましですが。

 米国にいった日本人の医者が驚いたのが、米国では患者の痛みをなんとか押さえながら治療するのに医者が努力しているということだったそうです。で、その日本の医者は、われわれはほとんど気にしていない、これはよくないなあ、って結んでました。おいおい、日本の医者もきちんと患者の痛みに配慮してよー。

 医者自身が病気になったときの痛みに対する配慮は、いつもの患者に対するものと同じなんでしょうか。きっと、痛くないように最善の注意をはらうんでしょうねえ。知りたいです。

 まっているとき、正面の処置室で、どこかのおばさんの息もたえだえの激痛の訴えが聞こえてきました。20分くらい続きました。看護婦が「はーい。がんばってねー、もうすぐよー」です。これを何度もいいますが、なんか、感情がこもってません。でてきた、おばさんは痛みで顔が変形していました。そしてイスにも座ることができません。たったまま、ひざに手をあて、痛みをこらえていました。

 みなさんも、明日お尻が痛くなり「痔です」といわれるかもしれません。覚悟しておいてください。