2000/3/26 デジタルとアナログ

 まわりはデジタル文化でいっぱいです。量でみせてくれないで、数字でみせてくれます。

 昔は、ほら給料だよ、と現金をくれたときもあり札束を直接手にする。これだけ、稼いだんだ。会社がくれたんだ。と実感できる。いまは、給与振込みでかみっぺらに、6桁程度の数字が並んでいるだけである。

 時間も文字盤でなく、数字である。あと、10分、30分とかいっても、切迫感がない。文字盤で見ると、あ、時間がもうない、と実感できる。

 このように、アナログで実感できていたものがデジタルになったために、感覚がくるってしまうものは多い。

 この前も、銀行に資本投入した額、数10兆円あったら、何ができるのかを書いた本が評判になっていた。兆なんていっても、デジタルでわからない。アナログで、病院がこれだけ建つとかいうとよくわかる。

 さて、日本長期信用銀行の処理で、税金が数兆円使われた。これはもうかえってきません。どじの不始末を税金で尻拭いしたわけです。いい世の中ですね。

 1兆円って、考えてみると..ピン札を100枚で厚み1センチです。すると、1億円で1メートルですよね。富士山まで1万円札つみますと、約3000億円です。ですから、1兆円は、富士山3つ分になるわけです。10兆、100兆円っていうお金はすごい量なんです。こわいです。

 わたしなんか、富士山、数10個分の札どころか、1ミリでびびります。でも、デジタル表示なんで感覚が狂い、まあ、しょうがないや、になるわけです。
 さて、ずーっと前から、ずーーーーーっと前から、デジタルで感覚がないのをうまく使っているものがあります。これが宝くじです。

 数億円が数百円で手に入るっていうのが宝くじです。問題は総発行枚数とあたり枚数の比率です。まあ、数百万枚に1枚あたりなわけです。数百万枚に1枚って、アナログで考えると大変ですよー。まあ、100万枚に1枚としましょう。

 たとえていうと、東京タワーを総発行枚数にしてみますと、当たりくじはどのくらいの高さになると思いますか?

 1メートル、10センチ、1センチ、1ミリ?

 答えは、実は、300「ミクロン」であります。わかりますか?0.3ミリです。東京タワーの高さと比較してですよ?0.3ミリを指でしめそうとしても、難しいです。ぜひ、「北海道から沖縄までの距離を総発行枚数とすると、当たりくじはどのくらいの距離になるか」を計算してみてください。

 でもCM見てると、当選金のほうは、アナログで宣伝してます。不思議なことにわれわれは当選金のほうは、容易にアナログで考えることができます。1億つかって、まだ2億!なんていい文句です!すげーって思いますよね。ちなみに、諸経費などを引いて、100万枚に1枚なんて高利率の宝くじは存在しないです。1000000枚に1枚あたります。と書くとあたりそうにかんじますね。もっというと、百万枚に1枚あたります。というともっとあたりそう!

 もちろん、「宝くじは夢を買うのだ!確率ではない。なにを言ってる!」というのももっともです。夢をかってみたいですね。その点、私も宝くじ大好きです。夢としてなら1枚買って財布にいれておけばいいようにも思えます。

 (でも、宝くじを買っている様子をテレビで見ると、1枚買っている人っていないですね。100枚買うと100倍あたります。代金も100倍ですが..ちなみに発行枚数全部かいますと、100%あたります。すると、100%損します。購入代金のほんの少しだけ帰ってきます)