2000/3/23

 昨日、NHKで以前やっていた連続テレビ小説「おしん」の総集編をやっていた。なつかしい。(しらないみなさんもいますよね)

 貧困や労苦に耐え、まっすぐに生きていこうとする小さな女の子の姿に日本でも驚異的な視聴率を記録したが、実は東南アジアの国々でも放送され、大反響をひきおこしたそうだ。
 これでずいぶんアジア諸国の日本のイメージがかわったそうだ。

 「日本人はあんなに大変な時代を苦労して生き抜いて、いまの大発展を築いたのですね」 「日本人のなかにも、戦争当時、あの侵略戦争に反対していた人間は沢山いたのですね」確かタイの家庭だったと思うが、一家でTVを見て、ないていた、というより、号泣していた。

 同じ事例に「私は貝になりたい」がある。フランキー堺が主演で、戦争犯罪人にされ処刑される、床屋の主人の物語である。上官の命令で一般庶民だった兵隊が戦争犯罪を犯す、そして日本で待つ妻を残して処刑されていく。死刑判決をうけた主人公が最後の手紙で「私は、次にうまれかわるのなら、人間にはなりたくない。戦争のある人間社会にはうまれたくない。戦争のない、静かな海の中でひっそりくらす、貝になりたい」と述べる。

 欧米で、「日本人もこの戦争で多くの庶民がまきこまれ悲劇的最後をとげたのか」と驚きの感想がだされたそうだ。

 日本人は1億全員同意で好んで他国を侵略していった、と思われていたといいうことになる。しかし海外にいくと、さもありなんと、実感する。

 ということで、総集編である。何度みても泣かせてくれますね。なんで泣けてくるのかを自分で分析してみた。結論は「つらい、苦しい、さびしい環境で永い間、苦しむ主人公。もっともつらい瞬間に、さっと優しい人物が現れ、優しく言葉をかけてくれる」という瞬間であることが判明した。

  主人公はドラマの中で少女から大人の女性になる。すると、泣けてくる箇所は激減する。なんでだろう。視聴率もそのころ、確か大きくダウンしたと記憶している。考えるに、いい年して、そんなに純粋にいきるやつがいるか、うそくさい、ということになる。子供だがらこそ、純粋に頑張る、けなげな子供を実在するかのように思えるのだろう。

 大人の主人公でうけるパターン。評判悪く、いやな奴、乱暴で、けち。最低。...と思わせておいて、いざというときに、胸のすくような、強さ優しさ勇気を発揮してくれる。この方が、実在していそうな感じである。

 最近のTVドラマはなんか、みていてもうそくさく、感動しづらい。