2000/3/17

 アマチュア無線も、麻雀と同様、下火だ。JARL(日本アマチュア無線連盟)の会員も減っており、各種の会員増強キャンペーンをやっている。

 JA,JHコールの時代には、HAMは、新しい技術を習得していこうとする気運があった。自分で無線機をハンダゴテで作成し、友人とアンテナをはり..
 電波状況がいいと、高いところにのぼって、なんとか、海外と交信しようとする。

 それが、やがて、144、430Hzのハンディ機が大量に出回りだして、電話ごっこ的なものになった。
 見知らぬ人間と、電波で出会い、数分の挨拶をかわす、といったスリリングな面はうしなわれ、いつも話している友人と、長電話のようなダベリになった。
 通信上の運用約束も守られず、コールサインもいわない。
 国家試験も簡単になった。また、免許もたずに無線機をかって、市民バンドトランシーバのように使っているやつも多い。

 これでも結構盛んに電波はでていたが、やがて、携帯電話が出ると、この使い方をする人間は簡単にそちらにうつっていった。

 追いうちをかけたのが、インターネットの掲示板、電子メールである。掲示板があれば、見知らぬ、同じ趣味の人とも簡単にしりあえる。

 また、盗聴などがはびこり、それが無線をなんか、いかがわしいものに感じさせるようになった。ハンディ機をもってワッチしていると、何を盗聴しているんだろうと、思われるようだ。やれやれ。

 かくして、無線の冬の時代がやってきている。秋葉原でも、無線機器を扱っている店をさがすのは、時間がかかるようになってしまった。

 しかし、アマ無線は実は非常に面白い趣味なのだ。パソコンが趣味だと、どえらい金を使ってしまうが、アマ無線の場合は、3万程度の無線器をかえば、ずーーとそれだけで遊べる。どこにでも簡単に無線機は持ち運べるし、QSLカード交換、アワード狙いといった楽しみ方もある。
 自分の機械が、とんでもない距離をとおって、届くとは思えない離れた相手のアンテナに届く。コンディションもあり、どきどきする。

 もちろん、電話のように、掲示板のように使ってもいいのである。電話代のプロバイダ料金もいらない。(電気代はかかるがー!)

 大地震のときに、情報をもっとも迅速におくることができるのは、無線機である。天災で携帯電話,有線電話がつかえず、道路が破壊されても、アマ無線の機械はそれだけで、平気で情報を交換できるのだ。それは、過去の天災で確認されている。携帯電話は、地震で基地局が破壊されては使用できないし、回線はすぐにパンクする。

 アマ無線が趣味のおおものとしては、故藤村ありひろ(彼のニックネームのBANさん、は実は彼のコールサインの下3桁である)、タモリといったところか。いずれも、でたらめ外国語の芸をもっているのがおもしろい。

 また、否応なしに、無線技術に詳しくなる。携帯電話がではじまたとき、「あの電波の周波数は、電子レンジの電波に非常に近い。」と友人にいったら、驚いていた。それから、5年くらいたってから、話題になりだしたが。また、携帯のアンテナは垂直にたてろ、と言っていた。基地局は垂直偏波をつかっているためだ。

 もし、車を運転するのであれば、無線が大きい。モービルハムは、渋滞情報、道路情報などを、近くのハムから入手しているのだ。

 なかなか、無線は捨てたものではない、とお分かりいただけるだろうか。

 アマ無線では、女性はもてる。若い女性のハムは昔から少ない。YLさんと呼ぶ。今でも、女性が「CQ、CQ、こちらはXXXXX、ひとまず受信します。どうぞ」などと出ようものなら、ものすごい局数が返事を同時にかえしてくる。(パイルアップという) 混信状態でなにをいってるか、わからないので、そこから1局を選ぶのが大変である。

 オフ会もさかんだ。会ってみると知的なイメージの男女が多い(ような気がする)。アマ無線では、アイボールミーティングという。

 以前は履歴書に、アマ無線が趣味とかくと、「性格が暗い」とおもわれたそうだが。今では、そうでもないようだ。

 これからは、アマ無線に本当に興味もって、メリットを理解できる人間だけがやっていくんでしょうね。ハム人口はまだまだ減りそうである。