2000/6/27 マイクロソフト

 マイクロソフト(以下MS)は競合企業が多く、いつも商品に関する論戦(いちゃもん?)をライバルから、ふっかけられてきました。横綱みたいなもので、周りから狙われているので、悪くも言われるのは当然ともいえます。

 するとMSは、悠然と「どんなこと言われたって、うちのは売れているんだ。標準なんだ」現実を見てみろといった内容のことで言葉少なげに反論します。つまり、「商品うんぬんの細かい議論などなんだ、みてみろ、どの消費者もうちのを選んでいるだろう?パートナーももうかっているだろう?」とフンとばかりせせら笑っていたわけです。いつも自分からはそんな議論など挑まないし受身でした。もっというと、お前など既に眼中にない、といった感じなのです。まさに横綱相撲です。

 それがどうでしょうか。今回オープンソースについての議論は、いつものMSの対応とは全然違います。受身でなく、MSのほうから、オープンソースがわにいちゃもんを付けてきました。そして、「売れたほうが勝ち。普及したほうが勝ち」という姿勢から、商取引、ビジネス面から、徹底的に悪口をいってコキおろしています。いつから、こんなにムキになるようになったのでしょう?論理的に商品、ビジネス形態の優越を話すようになったのでしょうか。不思議でしょうがありません。突然豹変したという印象です。

 どんなものでも2社でビジネス上の戦争が起きると、必ず現実の世界、市場で優位の側と劣勢の側がうまれています。すると、市場で劣勢のほうは、ほっとくと負けますので、劣勢であることをなんとかして否定しようとします。負けていても、負けをみとめてはならないので、理屈を付けてなんとか、ごまかします。また、なんとか向こうのアラを見つけて声高にさけびます。

 つまり「弱い犬ほどよくほえる」のです。ビジネスが順調にいって、優位は動かないという状態では、そんなにほえる必要はないのです。ほえるのは、ほえないと負けてしまうからです。優位な企業は声は小さいですし、悠然としています。MSは常にほえられていました。ほえたことはあまりないのです。

 OSでWindowsがLINUXに負けているとはとても思えませんが、まあ、はじめてあせっているといった感じでしょう。一番儲かるはずの分野が、崩されては大変なのです。ただでさえ、Sunの市場に勝つことができていないのに、更にLINUXにも食われてはたまりません。

 MSも劣勢にたつことは、今までもありましたが、声は出しませんでした。声をだしている、ほえている暇があったら、とっとと戦争を挑んで、打ち勝てばいいわけです。行動で戦争をする会社です。営業に精をだし、お得意のマーケティングで責めまくればOKです。当然その際には、既に制覇している分野とうまくからめて商売してきますので、なかなか有利ではあります。また、攻撃するための兵隊と武器(つまり資金)も豊富です。Windowsで市民から定期的に徴収できる税金みたいな資金は巨額ですから、宣伝もマーケティングも容易です。多少失敗しても、何度でもチャレンジできます。チャレンジする分野のトップ企業を攻撃するのは、MSは非常に得意です。その企業のパートナを責め、お得意を責め、ありあまる資金で徹底的に攻勢をかけます。相手のビジネス上の問題点を分析し、そこを集中攻撃します。最後は競争相手は根負けします。

 (ちなみに、MSは「鳴かざれば、鳴くまで繰り返そうホトトギス」です。GLIDEという3Dの世界でも標準にDIRECTXで戦いを挑んだときも、最初負け続けです。相手にされませんでした。でも、MSは勝つまで何度でも戦います。執念です。お金はあるので、多少敗北しても大丈夫です。そのうちに、だんだん、MS側の商品も改善され、よくなってきます。そのころには、資金面などでも相手はくたびれてきます。このころから、MSは優位にたつのです。きっと、XBOXでも同じことになるでしょう。最初は市場からバカにされる結果になるでしょうが、V2、V3と改善していき、XBOX V4あたりで、市場を脅かすようになると思います)

 LINUXはどうかというと、この手が通用しません。だって、相手は、企業ではないのです。コミュニティといってもいい連合体ですから、営業攻撃しようにも人材引き抜きしようにも、どうしようもないのです。つまり、LINUX陣営は、オープンソースという概念に近いものなのですから、今までの企業攻撃の手法は通用しません。斧をふりあげようにも、どこにおろせば相手はくたばるかがわからないのです。幽霊相手に、ピストルをうってもどうしようもありませんです。

 もし、LINUXがIBMの傀儡みたいになれば、話しは簡単です。OS/2のときみたいにIBMを攻撃対象に設定すればいいのです。でも、LINUXを支えている技術者は世界中に散っていますし、ささえている企業も多岐にわたります。

 結局、MSは、相手の存在自体を否定しようとする方策にでたようです。直接攻撃できないのなら、理屈で相手をいいまかしてやれ、相手のアラをさがしてやれ、と、今まで自分が言われてきたような悪口攻勢をかけてきたわけです。本当に、ビジネス面でオープンソースが問題なのであれば、MSがぎゃーぎゃーいわなくても、かってにオープンソース側がビジネス的にダウンするはずです。まるで、みんなのために言ってるんだよ、的な話し方をしていますが、余計なお世話以外なにものでもないです。なにをムキになっているのかということです。お偉方が率先して、論戦をはってくるということは、MSといえども、ただの会社だったのだなあ、と思います。

 だいたい、この世のあらゆるものは、わがMSの傘の元にあるべし、という理想なわけですから、「みんなで構築・改善して、みんなで利用していく」などというLINUXなどというものは、この世に絶対に存在してはならないわけで、彼らが感情的にも異常にイライラするのはよくわかります。論戦をいどんでいるのはそんなに難しいことではなく、もっと単純な理由だと思います。

 さて、最近のMSで大笑いしたのがWindows2000の宣伝文句です。カタログを見ると数少ない売り文句のなかに「安定している」とあります。つまり、Windows2000は安定していてダウンしないから素晴らしいというのです。これには腹をかかえて大笑いしてしまったのでした。

 安定してますって、どの商品と比較して、安定してますっていってるのでしょうか?どうも、MAC OSやソラリスではないようですね。となると、WINDOWS98、MEとなります。ところでWINDOWS MEってどこの会社が作っている不安定なOSなんですか? おお、なんとMSではありませんか。つまり、カタログで、自社のWINDOWS98などは不安定であることは認めます、これよりは安定してますっていってるわけです。普通は競合会社のと比較して安定っていいませんか?自社製品よりも安定ってのはほんとに笑えました。世界中大笑いかと思っていましたが、なんと、みなさん、このことを素直に受け入れているのは驚きです。わたしは「何が、2000は安定ですから、だ。だったら、新商品扱いで稼ごうとしてないで、まず98を安定させろ」と思います。すると、すぐにそういう構造になってないっいう技術論に持ち込まれますが、同じ話しを車や食品で行ったら、ナンセンスであることはすぐにわかるのです。

 新商品扱いでWINDOWSをアップグレードしてきましたが、何がかわったのと思ったら、WINDOWSメディアプレイヤーがすごい!にも笑えましたが。あのねー。さて、XPがでますが、MSは非常に大きなアップグレードと叫んでいます。ほんとに大きいのか、冷静になって観察しようではありませんか。今、私は、98使ってますけど、全然、MEと比べて不便を感じておりません。アップグレードする意味は限りなく0だったのです。XPを買うきもますますおきなくなっています。