泥酔

 今、ぶっそうな世の中で治安は確実に悪くなったので、とてもできないけど、学生時代や20台のころは、やたら、宴会などで飲みまくり、泥酔した。

 千鳥足になったり、気分悪くなったりなどであればまだしも、道端でよくねていたのだから恐ろしい。またよく人に絡んだり、泣き上戸にもなったりした。げらげら、笑いまくったりもする。

 酔っ払うと、私はすぐに意識がなくなる。記憶は、断片的になる。意識がないときにも、それなりに移動したりして活動しているのだから、恐れ入る。渋谷で会社の宴会があり飲んでいた。途中から記憶がなくなっている。ふっと気が付くと、田園都市線に乗っている。私の異常な様子が心配なのか、車内のみんなが私を見ているのがわかる。また、記憶がなくなる。気が付くと、長津田のJRのホームに座り込んでいた。

 わずかな意識が叫ぶ、おい、しっかりしろ!と。たちあがって、なにやら、歩き出す。そこでまた記憶が飛ぶ。目がさめると、ホームのベンチに座っており、「ようこーだい、よーこーだい」とアナウンスがいっている。わかもわからず電車に乗ってしまう。また、記憶が飛ぶ。気が付くと、なにやら、静かだ。どうも、人の家の潅木の茂みの中で、寝てしまっていたようだ。ここはどこなのだろうか。いかん、かえらなければ。。。そこで記憶は消える。目がさめる。頭がガンガンし、天井が見える。それはぐるぐる回っており、気持ちが悪くなる。どうも、自宅のようだ。

 よくぞ、かえってこれるものである。本能以外のなにものでもなく、渡り鳥のようなものであろう。今、同じことをやれば、まず、財布も時計もないと思われる。でも、靴も、スーツもひどいもので、泥だらけとなっている。

 上司2人(取締役、部長)とのみに行く。なんと、上司の前で泥酔してしまう。なにやら、ああ、今俺は、大声でどなっているのだなあ、とだけ認識できる。取締役が「貴様!言いすぎだぞ!」と私を怒鳴って、頭をなぐっている、全然痛みを感じない。

 次の日、出社すると部長が私をみて、あきれかえっている。「部長、私どんなことをいいましたか」それにはこたえず、うすら笑いをうかべて、救いようがないねといった調子で「よく、あそこまで、取締役にひどいことをはっきりいえたものだね」「おれにはいえないね。あそこまで」「俺のことを、お前はそんな風にみていたのか。。。」とか、ぞっとするようなことを言われた。

 同期入社の人間同士のパーティで、女性と話しが会い出し、向き合って飲みだす。意識がうすれていく。覚えているのは、2人で抱き合って2人で号泣していることだけ。翌日、「お前、昨日は凄まじかったなあ。俺あんなのみたことないよ」女性にあうと、なにやら、慌てた様子で「う、うん!昨日のことはお互い忘れましょ!あはは」

 友人いきつけの店で2人でのむ。友人も酔っ払い、私を殴りだす。こっちもやりかえす。記憶があまりない。覚えているのは、いつもは超温和なママさんがやってきて怒りまくって「あんたたち、すぐにかえって!もう2度とこないで!」

 会社のプロジェクト打ち上げパーティ。飲んでいるうちに、気持ち悪くなる。と同時に眠くなる。トイレにいく。記憶がなくなる。ものすごい衝撃音で意識を取り戻す。個室の中で座り込んでいる。どんどん、ドアをたたかれている。にらまれいる中で、パーティに戻る。隣に座っていた同僚が、心配そうに見ている。「伊藤さん、大丈夫ですか?トイレにいくといったまま、30分かえってこなかったんで心配してたんですよ。」

 私は、現代ではあまり酒を飲まないほうが正解のようだ、危険すぎるのである。また、私とのみにいくひとは、注意してください。すぐに意識なくなりますので。