ラストワンマイル

 インターネットは、ほんのちょっと前までは、ダイヤルアップが普通で、常時接続などは羨望の的でありました。それが今では、一般の家庭に常時接続がごくあたりまえのように、はいっています。今後も、常時接続は増えていくでしょう。

 でも、常時接続にするための方法には、いろんなものがあるので、一般の方は迷ってしまうのではないでしょうか。CATVだ、やれ、ADSLだ、OCNエコノミーだ、有線なんとかだあ、フレッツなんとかだあ...何が違うの?

 いろんな会社が日本国中に、データを流せるような回線を既に引いています。この回線を通じて、インターネットを利用するためのデータが流れています。このあたりの話しは、そんなにどれも変わりません。最後の最後で、一般家庭の中に回線を引き込まなければなりませんが、この最後だけが大きく違うといっていいでしょう。(これをラストワンマイルと普通呼んでいます)

 実はこの各家庭の中に線を引き込むのがお金的にも手間的にも大変なのです。おおまかに日本国内に線を張るのは簡単ですが、個別の引き込みが面倒なのです。んで、各社が知恵をしぼって、いろんな方法を提供しています。

 CATV: ケーブルTVで各家庭にケーブルを引いてしまっているので、これを使う。いうまでもなく電話とはまったく無関係。

 ADSL: 電話交換局から家庭までは、今までの電話線(光ファイバーを除く)を使う。(会話で使っているのは、電話線が本来流せる情報量のほんのわずかだったため)電話線を使っている(間借り)だけの話しで、電話とは関係なし。

 フレッツISDN: 交換局から家庭までは電話のISDNの1チャンネルを使う。(ISDNは電話を同時に2チャンネルつかえますので)あくまで電話をかけっぱなしという状態なだけ。ただし、交換局からインターネットへはもう電話とは関係なし。

 スピードネット: 無線をつかう。無線局をあちらこちらに設置し、各家庭のパソコンにも無線機をつける。

 有線ブロードキャスト : 直接、光ファイバーを各家庭に新規に引き込む。(もともと、有線放送のケーブルがそこじゅうに張り巡らせてあるので楽)

 OCNエコノミー: IP通信用のまったく別立ての通信網。

 参考までにダイヤルアップ: 各家庭から、交換局、相手(プロバイダ)交換局、プロバイダのモデムまで全部、電話を使う。

 たくさんありますね。これでは迷ってしまうと思います。

 ちなみに、プロバイダという企業の言葉の概念は、上記の区別とは関係ないです。インターネットは、いろんなサーバをつなぎあっただけでできたネットワークです。んで、そのうちの自社のコンピュータに、他の利用者をつなげてもいいよ、とお金をとってつなげさせてあげる、というのがプロバイダです。ですから、そのコンピュータと、各家庭をどうつなげるかは別問題です。

 今までのダイヤルアップだと、プロバイダと、それに各家庭をつなげていたNTT(電話)ということになり、2つを使ってつなげていたわけですね。NIFTYでADSLを申し込むと、プロバイダ(NIFTY)とADSL業者を2つ使うことになります。(両方とも1社でやってる会社もあります。例:東京メタリック通信)

 CATV、有線ブロードキャストだと、両方を同時にやっていることになりますね。

 さて、常時接続がいよいよ本格的に各家庭に入りだします。これらの仕組みを考えたのは、理科系(各通信、プロバイダ企業の技術者)です。でも、使い出すと、文科系の人間の頭(つまり使う人)が活用法を考え出します。きっとそれらには、理科系の頭が想像もできないようなものが現れるでしょう。携帯電話で、出会い系サイトが爆発的に一気に普及しました。

 たとえば、インターネットで音声会話が楽しめるODIGOなどのソフトウェアですが、これは常時接続と相性がいいかもしれません。なかのいい人間同士、ずーーーーーとつなげておけばいいのでしょう。単身赴任しても、北海道、九州で常時接続で常時会話可能状態にしておけば、さみしくないですね。

 悪徳商法のところでも書きましたが、常時接続は悪用する側にも大変興味ある?ことです。IPアドレスが固定に近い状態になりますので、攻撃がしやすくなります。ルータのセキュリティ設定がわからなかったり、おかしな得体の知れないソフトをダウンロードしたりして、ハッキングされないように十分注意しましょう。