まだまだ資格受験心得

1.ベンダー資格の取得費用

 ベンダー資格については一度書かせていただいたが、今回は、どう資格取得費用を抑えていくかについて書いてみたい。

 まず、会社が全額を支払ってくれるという幸せな人たち(本人はそう思ってないけど)については、基本的には問題がない。受講費用も、試験費用も認定費用も会社もちなのだから。ただし、何度も試験を落ちていると、その人が、業務能力劣悪と判断されて会社内での評価が下がり、ただではすまなくなることもある。企業では、一定回数の受験以降は自分で受験料を支払え、というところすらある。

 会社で払ってくれるにしても、試験回数を減らして、とっとと合格できれば、会社にとってはうれしい。できれば、取得費用を抑えて取得してくれればなによりなのである。やはり、この場合も、費用削減の考えが必要だ。

 どうやって削減していくかである。あらゆる手法を駆使するべきである。

1.受験キャンペーンを可能な限り利用する

 公的資格とことなり、メーカがやっているのであるから、当然資格もビジネスで認定している。新製品が出れば、その新製品を扱える技術者が沢山、いてくれなければ困る。サポート部門もいそがしくなるし、ユーザからの苦情も増える。だから、新製品の資格を取得した技術者に増えてもらわなければメーカは困るのである。ところが、新製品の出荷当時は、企業もなかなか導入しないため、技術者を育成しようという動機がとぼしい。これだと、新製品の売れ行きに悪影響を及ぼしてしまうのだ。

 そこで、メーカはキャンペーンを実施する。なかなか資格者が増えていない資格、メーカが普及に力をいれている新製品の資格については、メーカはなんとか受験してほしいわけである。メーカは利益を減らしてでも、いや、赤字になってでも、受験を奨励しはじめる。このため、受験費用をキャンペーンと称して、一定期間値下げするのである。これを狙って受験すれば、かなり安く受験できる。

 製品が普及し、技術者も増えてしまうと、もう、このようなキャンペーンはメーカにとって不要となるので、もう行われない。「メーカが取ってほしい願っているうちに取る」のが大切である。我々のねらい目は、「メーカが力を入れているけど、なかなか売上が伸びない製品に関係した資格」である。

2.受講キャンペーンを可能な限り利用する。

 更に、教育機関が受講コースを値下げしてくることがある。メーカは資格取得者が確保できれば、キャンペーンをやめるが、教育期間の実施している教育コースについては、そうではない。むしろ逆で売上がさがるわけで、なんとか、受講生を集めようとする。そのため、取るべき人間が、まあだいだい資格をとってしまったな、ということに、受講料金値下げキャンペーンをやってくることがある。これは学校ごとにことなる。各教育機関のHPなどをよく見て、うまく利用したい。

3.安い受験バウチャーを入手する

 ベンダー試験は、メーカ自身が実施しているのではなく、認定した外部の試験機関にやらせている。この試験機関は、受験料金を払い込むと、受験権利を示した「バウチャー」というものを発行する。このバウチャーは一種の有価証券といえよう。そのため、流通しはじめるのである。このバウチャーは、「多くの枚数を一括して購入すると安くなる」という経済原理で動いている。

 だから、受験人数が多い会社などでは、バラバラに申し込むのではなく、上司に相談して、一括購入したほうがいい。大企業などでは、枚数も一括購入の枚数も膨大である。残念だがこれは、市場には出回らない。

 もうひとつは、教育機関が一括購入している場合がある。受講生が多い場合には、あらかじめ、学校が一括して安く購入してしまうのである。そして、受講料金とセットで(おまけというイメージ)受講生に提供している場合がある。このようなサービスをやっている学校の場合には利用したほうが絶対とくである。

4.CDーROM教材を利用する。

 最近、あらゆる分野で、CD−ROMなどでの自習教材が開発されている。CD−ROMとしてはものすごく高いが、受講料金と比較すると非常に安い。ちゃんと、こういった教材で学習できるような環境、性格の人はこれで勉強してしまうという手がある。

 こういった自習教材は、教育機関にとっては受講生を減らしてしまうものとして、考えられるわけだが、お金がない受験生にとってはありがたい。ただし、製品をいじってみることができる環境をもっていないと合格は苦しい。

5.CD−ROM受験問題集

 CD−ROMでプログラムとして、予想問題集を販売している業者も多くなった。実際の認定試験も、コンピュータで実施するので、より、本番の環境に近い状態で、模擬試験をうけることができる。

 私としては絶対、購入するべきものだと思う。この費用で、早く合格でき受験回数がへるのなら、トータルでは絶対に安い!会社員は、上司を説得してなんとしても入手したい。

6.イベント会場での試験

 ベンダーの技術者向けイベントでは、会場で即席試験会場を設置し、認定試験をやっている場合がある。これもお勧めしたい。やはり、受験料金がディスカウントされているからである。

7.専門学校

 これは社会人ではだめだが、今、専門学校内で、各ベンダーのコースをやっていることがある。専門学校生用ではあるが、当然、社会人が教育機関で受けるよりも安く受講でできる。ベンダーは、専門学校でコースをやることで、信用がますという面もある。また、自社製品を扱える技術者を早くから育成できるわけだ。だから、専門学校の人は、自分の学校がやっていれば申しこむのは意味があると思う。社会人になって、ベンダー系の上級資格をもっていればかなり就職だって有利なはずだ。社会人になればもう、受けられない。

 しかし、なによりも、「学生時代に習熟した(というよりも、最初に習得した)製品に人間は親近感を覚える」という面があるからである。私などは、ワープロといえばOASYSだったので、いまだにOASYSが使いやすい。一太郎を最初に使った人間は、いつまでもできれば一太郎を使いたいはずである。であるから、多少安くしても、学生にたたきこんでおきたいのである。彼らが社会人になったときに、自社のユーザを確実に増やすことができる。

 この学校向けの教育コースなどは、社会人向けの教育機関からみればは面白くないであろう。諸外国では、大学などもやっている制度ではあるが、日本ではいろいろ制限が多く難しいようだ。

8.認定学校がやる補習

 これも以前に書いたけど、認定学校は受講した人間が合格してくれないと困る。そのための情報を集めている。インストラクターの指摘する重要事項はしっかり頭にぶちこもう。また、一部では、認定コースの終了後に、特別に学校の設定した受験用の補習のようなものをやっているところもあると聞く。ともかく、学校が合格のために実施、配布するものは残らず利用しよう。

 さて、以上である。ぜひ、あらゆる手段を駆使して、安く資格取得費用をおさえてほしいものだ。自習本などは、どうも、百科事典みたいな厚さで、内容もまだ、網羅的なものが多く、資格取得に特化したものはお眼にかかれていない。

2.資格とインターネット

 資格受験の受験生生活といえば学校に通学して、家か図書館で勉強する、通学しないのなら、通信教育を受けるか、教材を買ってきて、自分で勉強する、というものだと決まっていた。

 しかし、IT革命とやらで今ではインターネットがある。みんなで活用できる。このインターネットを資格受験に本当に活用すれば、受験生活も大幅に変わっていくようだ。受験産業も、インターネットで教育するという、いわゆるEラーニング方式の授業スタイルもはじめている。でも、我々受験生も主体的にインターネットを受験生活に活用できないものだろうか。

1.受験生活での励まし

 楓さんのHP(リンクのページを参照)等の優れた受験関連HPでは、掲示板で多くの受験メンバが集まり、お互いを触発し、啓蒙をしている。このように前向きのメンバによって、自分が元気つけられる。どんな場所に住んでいても、忙しい仕事であっても、インターネットでは毎日でも、同じ努力をしている仲間にあえるわけである。毎日、自己啓蒙することができるのである。通学のように。

 また、楓さんのHPでは、メールマガジン形式のような形での、触発の試みも行われている。送られてくるメールによって、「あ、いかん。今日まだ勉強してない。まずい!」と触発される。通信教育では、せいぜい、課題添削で励まされる程度であり、数ヶ月に1回程度だ。

 これらについては、インターネットは非常に有効なツールだ。

2.情報交換

 受験生活をしていると、細かな疑問がわらわらと湧いてくるものである。これらをインターネットの中で、情報交換し、迅速に解決することができる。その日のうちに出題問題の速報も流せるし、正答も知ることができる。ネットの即時性のたまものである。

3.いい受験参考書、教育機関の情報

 どの参考書がいいかなあ、と迷うことも多い。受験産業に聞いても、自分の本を薦めてくるだけだろう。やはり、ネット上の仲間の情報が確度が高い。学校などもしかりである。高い受講料金を払うのだから、情報をきちんとあつめたい。悪徳商法にもかからないように情報を集めたい。情報の散在化によって、正当な評価を得ることができる。

 また、教材の誤りなどを見つけたら、迅速にそれらの情報を交換できるだろう。

(以下は、こんなことができたらいいなあ)

4.理想参考書のネット作成

 LINUXがネット上で多くの技術者によって、日々改良されているように、ネットで受験生達によって、教材が作られていったら素晴らしいと思う。ネットで有志が「ここはこういう解説をくわえたら、更に理解しやすくなるだろう」「この例題は、ふさわしくない。この例題はどうだろうか」などと改良していくのである。そして、できた教材はみんなが無料で使用していいものとするのである。

 いわば、インターネットでの「オープン系」参考書である。だれか、こういったプロジェクトを立ち上げないだろうか。問題集などの作成も、極めて品質のよいものができるだろう。

5.「受験コーチ」

 コーチという専門職業があって、人間をはげましていく。同じようにインターネットを使った受験コーチはどうだろうか。ちゃんと報酬をとって、受験生をコーチするのである。これは勉強内容の説明をするのとはまったくことなる。

6.外国資格サイトの紹介

 外国資格CPAなどがブームである。もちろん、外国でも、当該資格を取り上げたサイトがあるはずだ。これをオリジナルサイトの管理者の許可をとって日本語化して日本語版サイトをたちあげるのである。こういった方法は、結構多くの分野で行われている。