2001/5/29 我慢

 またまたPRIDEの話題です。前回桜庭がシウバという選手に負けました。前回から頭をひざで、ガンガン蹴り飛ばしてもいいという凄まじいルールになりました。ですから、倒れている選手の頭の上に全体重をかけて、膝を打ち落としてもよくなったのです。過激です。桜庭選手はまさに、そのとおりに、膝を頭部に連打されました。

 鍛えぬかれた選手の膝蹴りです。そんなものが頭に当たったらいかに鍛えていても死んでしまうのではないか、と心配です。桜庭選手は、PRIDEのリーダですので、おそらく、まいったといいたくないし、すぐに負けるわけにはいかないのでしょう。たくさん、頭をけられても、まいったと言いませんでした。その結果、何度も頭をけられました。

 顔が変形するほどになって、レフェリーがとめても、「早すぎるよ」なんていってました。でも、桜庭選手には、頑張りすぎて、後遺症で引退になったり、命を落としてもらいたくないです。ファンは次回の試合出れなくなるまで頑張る、ことを期待しているのではないと思います。すぐに、まいったも困り物ではありますが、危険なルールでやっている以上、選手生命にかかわるくらいに、頑張ってほしくないです。だって、ファンは次の試合にも出場してほしいのですから。

 今回のPRIDE14でも、そういうことが多かったです。選手のなんとしてでも勝とう、みっともない試合でファンをがっかりさせたくない、という気持ちはありがたいのですが、ぜひ、もう少し早めのタップをしてほしいです。今回は、プロレスラー同士の試合がありました。私は、やっぱりプロレス的に、仲間意識もあって、手加減するのかな?と思っていましたら、とんでもない勘違いでした。壮烈な試合で、殺し合いに近いです。高山選手も頭に直撃を何十発もくらい、最後には頚動脈を閉められても、失神するまでまいったと言いませんでした。

 相撲でも、最近、貴乃花が膝を亜脱臼をした状態で、壮絶な試合をして優勝しました。その脚で、あの武蔵丸を投げ飛ばしたとき、あの鬼の表情を見たときには、私も感動しました。決定戦の前に、控え室で、痛い膝を我慢して、たったまま、じっと前を見詰めていたのもすごかったです。

 今回は、まさに貴乃花の我慢が優勝につながったのですが、もしあの試合で、無理をして膝が悪化し、再起不能にでもなったら大変ではないですか。もう、貴乃花の雄姿はみれません。やはり、いつまでも、活躍をしてほしいです。今回はよかったのですが、もし「貴乃花、頑張りすぎて、あの試合で膝悪化し再起不能」なんてことになったら、日本中かならず、なんであんなに頑張りすぎたんだ!と非難するでしょう。今回はラッキーにも感動で終わったのですが。

 スポーツ選手に、いちいちケガをするたびに休めというのではないです。「選手生命を縮めるような可能性」をファンのために、最小限にしてほしいのです。貴乃花の1場所の感動優勝と、貴乃花の活躍をより多くの場所で見ることのどちらをとるか、といったら、私は、多くの場所を選びます。桜庭選手にも、何十年も頑張ってほしいのであって、1試合を死ぬまでやってほしいのではないです。

 私はおかしなファンでしょうか。